AIGスター生命保険株式会社 |
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迅速な営業活動を支援するため、計画されたオープンシステム環境の構築 |
Highlights
Business
AIGスター生命は、世界最大級規模の金融・保険サービスグループAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の一翼を担う保険会社。同社のシステム構築を支えるシステムインテグレータが株式会社クリスで、経営の新戦力となるさまざまなシステム開発・運用を提供している。
Challenge
ATLASnaviと呼ばれる営業支援のためのノートPC搭載Webアプリケーションについて、最も迅速な対応が求められる保険設計書や申込書の作成でメインフレームとの接続が必須であるため、稼動時間に制約があった。そこでメインフレーム無しでも保険設計書、申込書が作成できるように、代替サーバを構築することを決断した。
Solution
移植が必要なCOBOLプログラムは2千数百本あり、その中には、保険料の料率計算や解約返戻金計算など、重要な業務ロジックが多数含まれていた。そのためメインフレーム上のCOBOLプログラムを再利用することに。ここで選ばれたのがマイクロフォーカスのCOBOL製品。世界的に高い実績、IBMメインフレーム上のCOBOLとの親和性の高さがその理由だった。
Results
新機能は、2006年3月に全国展開を開始。夜の8時を越えても、また休日でも、中断なく保険設計書、申込書作成業務が行えるようになった。また、メインフレーム接続時と同様、リモートアクセスでサーバに接続することもでき、営業担当者は時間・場所の制約を受けずに業務を遂行することが可能になった。
世界最大級規模の金融・保険サービスグループAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の一翼を担う生命保険会社、AIGスター生命は、営業支援ツールであるWebアプリケーション「ATLASnavi」の第二次稼動において、メインフレームに接続することなく生命保険商品の保険設計書や申込書が作成できる機能を追加しました。
実現にあたってはメインフレーム上で稼動しているCOBOLプログラムをUNIXサーバに移植して再利用し、フロントエンドのJavaによるWebSphereアプリケーションと連携させました。さらにリモートアクセスでサーバに接続できる機能も付加されました。
これによって営業担当者がサービスを利用できる時間が延長され、業務効率が向上するとともに、出先や自宅から業務を行うことも可能となりました。
●The company
AIGスター生命は、世界最大級規模の金融・保険サービスグループAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)の一翼を担う保険会社です。「選ばれる会社、選ばれる保険へ」をスローガンに、日本での長い歴史と強い営業基盤、そしてAIGのグローバルな経験の融合を特長とし、ユニークで新しい商品を最大の安心と満足とともに提供しています。
同社のシステム構築を支えるシステムインテグレータが株式会社クリスです。日本IBMとAIGスター生命の合弁により発足、コンピュータユーザーとしての視点と厖大なノウハウを併せ持ち、経営の新戦力となるさまざまなシステム開発・運用などで、顧客の圧倒的な競争力を引き出す戦略的な情報システムを構築し続けています。
●The challenge
AIGスター生命には、「ATLASnavi」と呼ばれる営業支援のためのWebアプリケーションがあります。ノートPCに搭載されており、主に全国約4,000名の営業担当者によって利用されています。
このアプリケーションはJavaで書かれており、サーバ環境にはSun Solaris、WebアプリケーションサーバにはIBM WebSphere Application Server、リレーショナルデータベースはOracleが採用されています。ATLASnaviの開発にあたっては、NTTデータの「TERASOLUNA」ベースのフレームワークも利用されています。
ATLASnaviが搭載されたノートPCを、AIGスター生命の営業担当者は、お客さまへの営業に利用します。一日の営業活動を終えてオフィスに戻ると、IBM WebSphere Application Serverで構築されたアプリケーションサーバを介してIBMメインフレームに接続、収集したデータをアップロードしたり、メインフレーム上の機能を利用して種々の業務処理を行っています。
生命保険の営業担当者にとって、最も迅速な対応が求められるのは、保険設計書や申込書の作成です。しかし、これまでは接続先のメインフレームの稼動時間が夜8時までと制限がありました。お客さまの帰宅を待って営業活動を行っていると、どうしてもその時間を越えてしまいます。休日もメインフレームについては稼動日と稼動しない日があります。メインフレーム稼動時間の大幅な見直しは、運用面・コスト面の影響が大きく、簡単にはできません。しかし、顧客満足度の向上を考えると、サービス時間の延長は優先すべき課題でした。
そこで、AIGスター生命およびクリスでは、メインフレームに接続しなくても保険設計書、申込書が作成できるように、代替サーバを構築することを決断しました。そしてATLASnaviの第二次稼動で実現する追加機能として計画されたのです。業務要件は、メインフレームとまったく同等の機能を提供すること。これをシステムとしてどう実現するか。AIGスター生命、クリスで開発チームを組織し、検討がスタートしました。2005年4月のことです。
●The solution
調査してみると、保険設計書、申込書を作成するのに必要なCOBOLプログラムは2千数百本ありました。その中には、保険料の料率計算や解約返戻金計算など重要な業務ロジックが多数含まれています。これをサーバ上で実行するために、Javaでもう一度初めから書き直すのは、労力やコストの面からいっても、リスクヘッジの面からいっても得策ではないと開発チームは考えました。
このCOBOLプログラムはメインフレーム上で長年利用されているものであり、そのときどきの事業環境の変化に合わせて保守が加えられています。そうした保守項目についてすべて把握しているエンジニアはおらず、書き直そうとすれば2千数百本あるソースを追いかけていかなければなりません。
また保守はこれからも行われていくため、メインフレームとUNIXサーバで2系統のプログラムを持つと、工数がかかる上に事故が発生する原因ともなりかねません。そこで開発チームは、業務ロジックについてはメインフレーム上のCOBOLプログラムを移植して再利用し、Javaと連携させて動かすことに決めました。
この移植のためのCOBOL開発環境として選ばれたのが、Micro Focus Server ExpressとMicro Focus Net Express、実行環境がMicro Focus Enterprise Serverです。選択の理由を株式会社クリス AL本部 新契数理システムグループ 専任SE 滑川雅則氏は次のように語ります。「世界的に高い実績を誇るCOBOL製品であり、IBMメインフレーム上のCOBOLとの親和性が最も高かったからです。実際、業務ロジック部分は、ほぼそのまま移植することができました。コード体系については若干変更が必要でしたが、自動変換ツールを作成するなどして対応し、最終的には約90%の移植率を確保しました。そのコード変換も、ソースはEBCDICからSJISに変更し、データはEBCDICのままという少々複雑なものになったのですが、Server Expressが有する豊富なコンパイルオプションを利用したおかげで、無事乗り切ることができました」
今回、COBOLとJavaの連携アプリケーションを開発するにあたっては、開発チームの何人かの方がマイクロフォーカスとIBMが共同で開催したハンズオンセミナー「COBOL技術者のためのJ2EE連携講習」に参加されました。出席したメンバーの方からは“当時はこの2つの言語をどう連携させたらいいのか情報が少なかったので大いに役立った”とのコメントをいただきました。
●The result
サービス時間の延長機能を搭載したATLASnaviの第二次稼動は、2006年3月に全国展開を開始しました。現在はまだ試行期間であるため、メインフレームに接続せずに保険設計書、申込書が作成できる生命保険商品は限られていますが、夜の8時を越えても、また休日であっても、中断なく業務が行えるようになりました。保険設計書の作成と同時に、メインフレームとサーバに同じ内容のデータが格納され、夜8時にメインフレームがオフラインになると、自動的に接続がサーバに切り替わります。営業担当者はそのことをほとんど意識することはありません。
また、メインフレーム接続時と同様、リモートアクセスでサーバに接続することもでき、営業担当者は時間・場所の制約を受けずに業務を遂行することも可能になりました。今日の時代にふさわしい、多様な働き方への対応も果たしたといえます。ATLASnaviではこの後、営業担当者の利用状況を見ながら対象となる生命保険商品を徐々に追加搭載していく予定です。
今回のプロジェクトで、AIGスター生命ではメインフレームプログラムのオープン化を実現する基盤が整いました。しかしAIGスター生命の目指すところはメインフレームプログラムのダウンサイズではなく、今後ますますニーズが高まると想定される、顧客や営業担当者の利便性向上を目的としたサービス中心のシステム構築のためのIT資源の最適化にあります。 今回の経験を踏まえ、メインフレームとオープンシステムの更なる共存共栄が進んでいくものと思われます。

Technical Keyword
Java/COBOL連携アプリケーション開発
メインフレームの既存COBOLプログラムを有効活用
ユーザープロフィール
AIGスター生命保険株式会社
本社:東京都中央区
設立:2001年4月
資本金:300億円
保険料等収入:3,264億円(2005年度)
従業員数:4,791名(2006年3月末)
事業内容:生命保険業
http://www.aigstar-life.co.jp/
ユーザープロフィール
株式会社クリス
本社:東京都墨田区
設立:1990年4月
資本金:1億円
売上高:41億6,814万円(2005年度)
事業内容:生命保険業務、業績管理、資産運用システム等の開発、パッケージ販売、システムコンサルティング等
従業員数:205名(2006年4月)
http://www.clis.co.jp/

