アサヒグループホールディングス株式会社
キヤノンITソリューションズ株式会社

アサヒグループホールディングス株式会社

アサヒグループがITコスト削減を狙って「脱ホスト」。
基幹系システムのグループ統合・集約化により、生産性向上と収益性向上も実現。

Highlights

Business

アサヒグループホールディングス株式会社は、アサヒビール、アサヒ飲料、カルピスなどを事業子会社に持つ持株会社。4つの事業分野(酒類・飲料・食品・国際)で幅広い飲食関連企業を持ち、連結売上高は1兆8,574億円。近年はアジア市場へも果敢に進出している。

Challenge

同社ではホスト上で62のシステムを運用していた。しかし、ハードウェアコスト、ライセンスコスト、運用保守コストの高止まり、長年の使用でシステムが複雑化し柔軟な変更が困難になっている、周辺リソースや人材の確保が困難になっている、被災すると長期にわたって業務が中断するリスクがあるなど、多くの懸念を抱えていた。

Solution

同社は19のシステムをマイグレーション対象に選定、ハードウェア撤廃期限が迫っていたため、変換ツールを最大限活用するストレートコンバージョンを採用。キヤノンITソリューションズをパートナーに、大半のCOBOL、COBOL/Sプログラム資産をWindowsサーバー上へ移行。Windows 環境でのCOBOL製品はMicro Focus Visual COBOLを採用。

Results

ホスト撤廃により大幅なコスト削減を実現。また、最新技術を適用できる柔軟なIT環境を整備でき、ホスト維持で直面していた周辺リソースや人材、BCPに関するリスクも一気に解消した。当初掲げていた目的や狙いはすべて達成され、経営陣からも高く評価された。

 アサヒグループホールディングス株式会社は、アサヒビール、アサヒ飲料、カルピスなどを事業子会社に持つ持株会社です。
 2014年の時点で、同社はホスト上で62のシステムを運用していました。ハードウェアコスト・運用保守コストなどの高止まり、長年の使用でシステムが複雑化し柔軟な変更が困難になっている、事業継続に重大な潜在リスクがあるなど、多くの懸念を抱えていました。
 そこで、今後も利用継続必須だが業務運用要件に変化のない19システムをマイグレーション対象に選定。キヤノンITソリューションズをパートナーに、変換ツールを最大限活用するストレートコンバージョンを遂行しました。大半のCOBOL、COBOL/Sプログラム資産をWindowsサーバー上へ移行し、そのWindows環境で採用されたCOBOL製品がMicro Focus Visual COBOLでした。
 ホスト撤廃により同社は大幅なコスト削減を実現。また、最新技術を適用できる柔軟なIT環境を整備できた上に、さまざまな潜在リスクが一気に解消しました。

●The company

 アサヒグループホールディングス株式会社(以下、AGHD)は、アサヒビール、アサヒ飲料、カルピスなどを事業子会社に持つ持株会社です。4つの事業分野(酒類・飲料・食品・国際)で幅広い飲食関連企業を持ち、連結売上高は1兆8,574億円。近年はアジア市場へも果敢に進出しています。

 コーポレートブランドステートメントは「その感動を、わかちあう。」 この言葉には、「世界中の人々に、感動していただける商品やサービスを提供し続け、その感動をお客様とわかちあいながら成長を続ける企業グループを目指していく」という同グループの強い思いが込められています。

●The challenge

 AGHDでは、グループ全体のIT戦略について、立案・投資・費用管理を行うとともに、そのIT資産についても集中管理しています。同社は2010年にスタートした第4次中期経営計画でIT基盤のグループ共通化を進め、続く2013年からの第5次中期経営計画では基幹系システムのグループ統合・集約化を実行してきました。ここで掲げられた施策の一つに、脱ホストプロジェクトがあります。

 同社では1966年にホストを導入、基幹システムとして活用してきました。1990年代後半からは会計システムや生産系システムなどをオープン化しましたが、それでも依然ホスト上で62のシステムが稼働中でした。中には、40年間稼働し続けているシステムもありました。

 ホストコンピューターは「安定稼働」というメリットはあったものの、維持することには多くの問題がありました。まずコストです。オープンシステムと違って競争原理が働きにくいため、ハードウェアコスト、ライセンスコスト、運用保守コストが高止まりしていました。また、長年の使用でシステムが複雑化し、柔軟な変更が困難になっている上、モバイルなど最新のテクノロジーを容易に活用できません。さらに、ホストまわりのリソースや人材の確保が困難になり、システムそのものがブラックボックス化し始めていました。さらに、BCP(Business Continuity Plan)の観点でのリスクも看過できませんでした。

 アサヒグループホールディングス株式会社 IT部門 マネージャー齋藤宏樹氏は、次のように語ります。「ホストは受注生産で、しかも調達に最低1年以上要すると言われていました。もし、大規模な自然災害が発生して万が一ホストが被災したとすると、1年もの間業務が中断することになります」

 この潜在リスクは余りに大きすぎると同社は判断、脱ホストをめざすことになりました。

●The solution

 プロジェクトの立ち上げでまず行ったのは棚卸です。62のシステムを精査し、今後も利用継続必須でシステム機能と業務運用要件が乖離しているものは再構築、必須だが業務運用要件は満たしているシステムはマイグレーション、不要あるいは他のシステムで代替が可能なシステムは廃止、と分類しました。

 マイグレーション対象とされたシステムは合計19ありました。総数は多くないものの、大規模かつ重要なシステムがいくつも含まれており、大量のプログラムが稼働していました。ホスト撤去の期限は2015年12月。プロジェクト期間が1年2か月と短期間であるため、マイグレーション方針は変換ツールを最大限活用するストレートコンバージョンと定め、IT部門主導でプロジェクトを進めることにしました。

 今回、RFP(Request For Proposal)を出して提案を受けた結果、AGHDはキヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)をパートナーに選びました。その理由は豊富な実績を持つマイグレーション・ソリューションを有していたからでした。DB設計、データ移行などきめ細かな支援が可能で、変換ツールを用いた資産移行のカバー率が最も高く、コストパフォーマンスにも優れていました。ツールを用いたプログラム変換は高い品質と均一性を発揮、手修正ではないため再変換も容易です。加えて今回、プロジェクトを直接担当するSEのマイグレーションスキルにAGHDが満足したことも選定を後押ししました。

 具体的に、ホストはACOS-4で、COBOLや独自拡張COBOL言語であるCOBOL/Sで書かれたプログラムが、バッチ系、オンライン系合わせて約2,500本ありました。他にもIDLⅡ、EASY、MASPなど多様な資産が存在しましたが、その97%はキヤノンITSが持つ変換ツールを使って、Windowsサーバー上へ移行可能でした。残りの3%の資産は主にHPL言語でしたが、プログラムの記述内容を解析しCOBOLで再構築しました。

 このキヤノンITSのマイグレーション・ソリューションで、オープンシステム上のCOBOLとして標準採用されているのがMicro Focus の COBOL製品です。今回、COBOL/Sやその他資産の一部はCOBOL/SとしてWindowsへ移行。それらは同社開発のCOBOL/Sプリコンパイラを経由して、Micro Focus Visual COBOLコンパイラで実行モジュールとして作成されることになりました。これは実証済みの安定感あるマイグレーション・ソリューション手法で、移行後使い慣れたCOBOL/S資産のまま保守できるメリットもあります。

 プロジェクトは順調に進みました。ツール移行により品質が十分担保されていることに安心したAGHDは、単体テスト工数の簡素化を敢行。たとえば、バッチジョブは約3割についてのみ単体テストを実施されたそうです。

下図は、「メインフレーム」から「Windows サーバー」への変換全体図。
ほぼツールを活用しての変換となった。ほとんどはキヤノンITS の既存ツールを流用できたが、
一部はツールを新規開発した。

fig01

●The result

 2015年11月、マイグレーション対象のシステム群は、予定どおりオープンシステム環境への移行が完了しました。新システムは開発機を含めて仮想サーバー3台。極めてシンプルな構成になりました。オンラインの画面イメージもすべて移行前と同様に再現したため、ほとんど見分けがつかないほどでした。そのため、エンドユーザー向けの説明会なしに本番稼働に踏み切ったのですが、まったく混乱はなく、稼働後半年が経過した現在まで何のトラブルも発生していません。

 脱ホストで得られたコスト削減は劇的です。メインフレーム撤去によりデータセンターの省スペース化が実現し大幅にコストを削減することができました。また、ハードウェア機器や運用保守コストの大幅な削減に加え、このプロジェクトに合わせ帳票出力や各事業所への帳票送付を抜本的に見直したり、データ保管体制にメスを入れて10年以上経過した過去データは廃棄するなどの大胆な業務改革を行ったこともコスト削減に大きく寄与しました。

 そして、最新技術が適用可能で柔軟なIT環境を整備でき、ホスト維持で直面していた周辺リソースや人材、BCPに関するリスクも一気に解消しました。

 齋藤氏は語ります。「脱ホストによって、当初掲げていた目的や狙いはすべて達成しました。特にコスト削減という点では、ほんとうに効く施策だと思います。削減額の大きさに経営陣からも高い評価を受けました」

 強いリーダーシップと思い切りのいい決断力で、脱ホストプロジェクトを見事に成功させたAGHD。その実現の陰には、既存資産のオープン環境での再活用を可能にするMicro Focus の COBOL製品と、マイグレーション・ソリューションに豊富な実績を持つキヤノンITSの確かな技術力がありました。

Technical Keyword

ACOS-4 から Windows環境へマイグレーション
ほぼ全資産をキヤノンITSツールでストレートコンバージョン

ユーザープロフィール

アサヒグループホールディングス株式会社

本社:東京都墨田区
設立:1949年9月1日
資本金:1,825億3,100万円
売上高:1兆8,574億円(連結)
従業員数:22,194名(連結)(2015年12月31日現在)
事業内容:アサヒグループの経営戦略・経営管理
URL:http://www.asahigroup-holdings.com/

キヤノンITソリューションズ株式会社

本社:東京都品川区
設立:1982年7月1日
資本金:36億1,700万円
売上高:743億2,700万円
従業員数:3,154名(2015年12月31日現在)
事業内容: SIおよびコンサルティング、各種ソフトウエアの開発・販売
URL:https://www.canon-its.co.jp/
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