株式会社キャスコ
株式会社アクセス
伊藤忠テクノサイエンス株式会社

株式会社キャスコ

消費者金融業界初の勘定系システムダウンサイジング
COBOLプログラム資産のUNIX環境への移植に
Micro Focus Server Expressを活用

Highlights

Business

株式会社キャスコは関東、関西を中心に約160の有人/無人店舗を展開する消費者金融機関。フリーローン、目的ローン、ゆとり300などといった商品を提供している。

Challenge

とりまく事業環境がデフレ経済で厳しくなり、TCO削減が中期経営計画の命題に。情報システムもその例外ではなく、あるシステム変更を契機に、全面的な見直しを行うことになった。

Solution

さまざまな選択肢の中から、メインフレーム上のプログラム資産をオープンシステムに移行する案を選択。UNIX上のCOBOL開発環境として、Micro Focus Server Expressを採用した。実績の高さとメインフレーム上での開発と違和感のない操作性が評価された。

Results

実質半年という短い開発期間ながら、当初の予定どおりカットオーバーを実現。これによりサーバ群の維持コストは1/2になり、トランザクション性能は2倍以上に。命題だったTCO削減を達成した。

関東、関西を中心に営業活動を展開する消費者金融機関 株式会社キャスコは、デフレ環境下、厳しくなる事業環境を受けてTCO削減を決断。勘定系システムのダウンサイジングを決定しました。
スキル継承、短期開発、コスト削減の観点から、メインフレーム上のCOBOLプログラム資産をUNIX環境に移行する案を選択。そのためのCOBOL開発環境として、同社はMicro Focus Server Expressを採用しました。業務ロジックをそのまま活用することができたため、実質半年という短い開発期間を難なく乗り切ることができました。
その結果、サーバ群の維持コストは1/2に、トランザクション性能は2倍以上にと、飛躍的なコストパフォーマンスを実現しています。

●The company

 株式会社キャスコは、個人向け無担保無保証の小口融資を主力商品とする消費者金融機関です。創業は1962年。大阪を拠点に業容の拡大を続け、現在では関東、関西を中心に、有人店舗48、無人店舗109を展開。利用限度額50万円の「フリーローン」や、教育、医療、ブライダルなど利用目的に合わせて選べる「目的ローン」、複数のローンを一本化して返済負荷を軽減できる「ゆとり300」といった商品を提供しています。システム化にも積極的に取り組んでおり、「casco4u」は同社のインターネットブランチ。ここでは借り入れの可否や返済額のシミュレーションをチェックすることも可能です。“公正な立場”“誠実な対応”“信頼される責任ある行動”が、同社の大きな企業ポリシーとなっています。

●The challenge

 同キャスコはこれまで、勘定系システムをメインフレームで動かしてきました。全国500台の営業端末と200台のATMから生じる一日平均15万件のオンライン・トランザクションを処理するのに申し分なかったのですが、問題は運用管理コストでした。マシンコストはもちろんのこと、ここからデータを切り出して二次的に情報系システムで利用するたびに開発費用がかかっていました。
 デフレ経済下では、消費者金融業の営業展開は厳しくなります。所得が下がり雇用不安に苛まれるようになると、人々の消費意欲も減退するからです。こうした事業環境の変化に、同社のトップは迅速に判断しました。2002年度の中期経営計画で「TCO削減」を掲げたのです。それは金融機関にとって心臓ともいえる情報システム構築分野であっても例外ではありえませんでした。
 折しも、2003年1月に消費者金融業界で個人信用情報を一元的に管理するシステムが刷新されることになり、それに合わせてデータ提出の機能も変更する必要が生じました。また、同社自身、システムセンターの移設計画が持ち上がっており、プロジェクトを立ち上げるなら絶好のタイミングでした。金融系企業が情報システムを一から見直すのは難業ですが、株式会社キャスコ 経営企画室 室長 寺田浩太郎氏は決断しました。「顧客本位の経営を遂行するためには、最大限のコスト削減とサービス向上に努める責任がわれわれにはあります。もはやその責任に背を向けるのは許されないことだと思います。」(寺田氏)
 システムのカットオーバーは2003年1月に決定。そのとき2002年4月。すでに開発期間は一年を切っていました。

新勘定系システム構成の概略
新勘定系システム構成の概略

●The solution

 寺田氏はさまざまな選択肢を候補に上げました。まず考えたのは、アプリケーションの開発・保守を含めてアウトソーシングする方法。しかし、これではTCO削減は可能かもしれませんが、スキルが社内に蓄積されません。第二の方法は、メインフレームからUNIX環境にダウンサイジングして、それを一から新規開発する。とても時間的に間に合いそうもありません。では、金融業界向けのパッケージ・アプリケーションを導入する方法は?しかし、長年に渡って構築してきたキャスコならではの商慣習を捨て去ることになってしまいます。最後に辿りついたのがUNIX環境にメインフレーム上のプログラム資産を移行する方法でした。これならダウンサイジングのメリットを享受できる上に、これまでの商慣習、ノウハウも継承できます。プログラム資産を再利用することにより、開発期間の短縮化も図れます。
 “事業のスピードアップにも貢献できると確信できたのも理由の一つ”と寺田氏は語ります。「メインフレームでは、何か少し機能追加しようとすると億単位のコストがかかってしまうため、どうしてもメジャーアップグレードまで待とうということになります。しかし、実際の営業というのは生き物で待ってはくれません。オープン化することで事業環境の変化に機敏に対応するフットワークを手に入れることができると考えました。」
 今回のプロジェクトでUNIX上のCOBOL開発環境として選ばれたのが、Micro Focus Server Expressです。同社のシステムインテグレータを務めた株式会社アクセス システムサービスディビジョン 次長 北村量嗣氏は、その選定理由を次のように語ります。「UNIX上のCOBOLならマイクロフォーカスだというのが、プロジェクトチームの一致した意見でした。実績の豊富さが抜きん出ているというのが一番の理由です。実際、検討のため製品を見たとき、メインフレームで使っていたCOBOLとの違和感がないことを知り、これなら安心して使えると思いました。ハードウェアを含めたシステム構成は試行錯誤をしましたが、こと言語に関してはまったく迷いがなかったですね。」
 北村氏の語るとおり、このプロジェクトは消費者金融業界では日本初の勘定系システムのダウンサイジング案件であったため国内に参考となる事例がなく、キャスコとアクセスはソリューションを模索しながら開発を進めていました。提案を依頼していたITベンダーはメインフレームベンダーでもあったため、今ひとつプロジェクトに積極的ではありません。ここで支援者となって現れたのが、伊藤忠テクノサイエンス株式会社(以下、CTC)のエンタープライズシステムセンターです。ここはメインフレーム上のプログラム資産をサン・マイクロシステムズ(以下、サン)のUNIXサーバに移行するためのコンピテンシーセンターといえる施設。アクセスはここでキャスコの勘定系システムのプロトタイプを構築、サンが提供するトランザクション管理ソフトウェアやJCLをシェルスクリプトに変換するツールの稼動状況を検証しました。キャスコとアクセスはここでCTCの技術サポート力を評価して、正式にサンのサーバをハードウェアに、CTCを開発をバックアップするパートナーに決定したのでした。
 その時点でカットオーバーまであと半年と時間が迫っていたのですが、プログラム資産そのものは再利用が前提です。アクセスのAAA(トリプル・エー)サービスの適用によって効果的なプログラム資産の再利用が可能となったため、新規に導入するリレーショナル・データベースをハンドリングする部分は新規開発が生じたものの、業務ロジック部分に手を入れる必要はありませんでした。その結果、無事にキャスコの勘定系システムは2003年1月4日、年初の営業日からカットオーバーを果たしました。

●The result

 稼動から3ヶ月。一度だけトランザクション管理ソフトウェアのバグで本番機がダウンしましたが、ホットスタンバイによる障害対策が功を奏し、待機マシンが処理を引き継ぎ、業務にまったく支障は出ませんでした。そしてそれ以降、キャスコの新勘定系システムはトラブルなく順調に日々の営業活動を支えています。
 サーバ群の維持コストはメインフレーム時代の1/2になり、しかも、トランザクション性能は2倍以上になりました。命題だったTCO削減を見事達成することができたのです。
 アクセスのバックエンドでパートナーを務めたCTC 営業開発本部 ソリューション技術部 部長 鈴木仁氏は、次のように語っています。「キャスコ様のリホスティング・プロジェクトの成功に、当社のエンタープライズシステムセンターも貢献でき大変うれしく思っています。キャスコ様の事例のおかげで、現在、金融業界は勘定系システムのダウンサイジングに対する注目が集まっています。その意味で今年は“リホスティング元年”。すでに10社程度の引き合いをいただいておりますが、これらのお客様にもセンターをどんどんご活用いただき、情報システム改革のお手伝いができればと考えています。」
 “金融機関の勘定系システムはメインフレームでなければならない”という常識は、徐々に、しかし着実に覆える時代が来ているようです。

寺田浩太郎氏
株式会社キャスコ
営業企画室
室長 寺田浩太郎
北村量嗣氏
株式会社アクセス
システムサービスディビジョン
次長 北村量嗣
鈴木仁氏
伊藤忠テクノサイエンス株式会社
営業開発本部
ソリューション技術部
部長 鈴木仁

Technical Keyword

メインフレームからUNIXへ勘定系システムを移行
既存COBOL資産の有効活用による短期開発

ユーザープロフィール

株式会社キャスコ

本社:大阪市中央区
設立:1962年8月
資本金:10億円
融資残高:570億9,900万円(2002年3月)
従業員数:453名(2002年9月)
事業内容:消費者金融業
URL:http://www.casco.co.jp/

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