株式会社東日本計算センター

株式会社東日本計算センター

既存COBOL資産の有効利用とJava連携をNet Expressで実現
短期間でのシステム開発と性能向上、24時間サービスを可能に

Highlights

Business

1965年に設立された株式会社 東日本計算センターは、38年の歴史を持つ地域密着型のソリューションプロバイダー。「アウトソーシング」「システムインテグレーション」「ネットワーキング」「システムエンジニアリング」の4つの事業分野を中核に、地方自治体や各種組合、金融機関、民間企業などに、さまざまなソリューションを提供する。

Challenge

新しい「上・下水道料金関連システム」で、既存の機能を100%踏襲しながら、Webからの利用を可能にするための仕組みを実現する。具体的には、オンライン処理と一部のバッチ処理をUNIX上に移植。オンライン処理の移植には柔軟性の高いJava言語を、バッチ環境の移植には既存の資産を有効活用できるCOBOL言語を選択した。

Solution

メインフレームの既存COBOLプログラムをUNIXに移植するために、Micro Focus Net ExpressおよびServer Expressを採用。幾つかのプロジェクトで既に実績があった両製品は、今回も効率のよいクロス開発機能により高い生産性を確保。

Results

新しい上・下水道料金関連システムを8カ月という短期間で実現できた理由は、Javaの柔軟性とCOBOLの高い生産性だった。同システムでは、UNIXとPCを利用することで、ハード/ソフトコストを大幅に削減。さらに処理パフォーマンスが向上しただけでなく、照会系システムの24時間サービスなど、さまざまな効果を実現している。

株式会社 東日本計算センターが自治体向け顧客サービスの一環として開発した「上・下水道料金関連システム」は、メインフレーム上で動作する既存システムの機能を100%踏襲しながらUNIX環境に移植されました。同社では、オンライン処理の移植にJavaを、バッチ処理の移植にMicro Focus Net ExpressおよびServer Expressを採用。短期間での開発はもとより、ハードウェア/ソフトウェアに関するコスト削減や24時間利用可能な照会サービスの実現、処理パフォーマンスの向上など、さまざまな効果をあげることに成功しました。

●The company

 1965年に設立された株式会社東日本計算センターは、38年の歴史を持つ地域密着型のソリューションプロバイダーの老舗といえます。計算センターという社名の通り、顧客の要望にあったシステムを、自社内で運用するユニシス製のメインフレーム上に構築し、必要な処理を行い、実行結果を顧客に提供するという「受託計算業務」を出発点に、マイコン、制御系、金融系などの受託開発を含めビジネスを展開してきました。
 設立当初は、システムの受託開発よりも受託計算というサービスを提供することが主な業務でしたが、時代とともに受託計算業務は減少していました。しかし、インターネットの普及により、さまざまなサービスプロバイダーなどが登場し、システムの導入、そして運用/管理コストの削減を期待できるアウトソーシングビジネスが再び注目されるようになってきました。
 現在では、同社のビジネス全体の約4分の1が受託計算業務を含む広義の「アウトソーシング」によるビジネスですが、「システムインテグレーション」「ネットワーキング」「システムエンジニアリング」という事業分野にもビジネス領域を拡大し、地方自治体や各種組合、金融機関、民間企業などの顧客向けに、全国各地でさまざまなソリューションを提供しています。

●The challenge

 2002年10月15日に稼動した新しい「上・下水道料金関連システム」は、同社が設立当初から福島県内の自治体向け顧客サービスの一環としてスタートしたもので、当初はすべての業務をメインフレーム上のバッチ処理で行なっていました。しかし1992年よりオンライン処理を導入し、さらに1997年には、それまでメインフレームのみで行なっていた業務の一部にクライアント/サーバ型を導入するなど、5年ごとに大規模な拡張を行なってきました。
 今回の新しいシステムでは、既存システムの機能を100%踏襲しながら、Webからの利用を可能にするための仕組みが拡張されています。Web対応を実現するために同社では、オンライン処理と一部のバッチ処理をUNIX上に移植することを決定。オンライン処理の移植には、Web環境への対応のしやすさからJava言語による開発を採用し、バッチ環境の移植には、既存のソフトウェア資産や人的資産を有効に活用することを目的にCOBOL言語による開発を選択しています。
「新システムの開発で、最も重要なポイントの1つとなったのがバッチ処理の移植でした。本来であれば、メインフレーム上で稼動する500本のCOBOLプログラムのすべてをUN IX上に移植したかったのですが、期間的、人的、コストなどの問題から、まずは必要最小限の50本を移植することに決めました」と業務一部 部長である鈴木伸一氏は話します。
 今回、UNIXに移植されたのは、日々の定例業務処理の部分で、月次の大量データ処理や大量の帳票出力などの処理はメインフレームに残しています。UNIXとメインフレームのそれぞれが得意な分野を生かしたシステム構成にすることで、開発をより迅速かつ効率的に実現することを可能にしています。鈴木氏は、「大量一括処理が得意なメインフレームと、オープンでコスト効率の高いUNIXの特長を生かした“いいとこどり”のシステム開発を目指しました」と話しています。

上・下水道料金関連システム概略図
旧システム

新システム

●The solution

 既存のCOBOLプログラムをUNIX環境に移植するためのツールとして、マイクロフォーカスが提供するCOBOL統合開発環境であるMicro Focus Net ExpressおよびMicro Focus Server Expressが採用されました。両製品が採用されたのは、Windows環境でUNIXクロス開発が可能なNet Expressで既存のCOBOLプログラムをPC上で手直しし、UNIX環境にパブリッシュした後、Server Expressで再コンパイルすることで容易にUNIX環境へ移植することができるからです。また、もう1つの理由として、これまでのCOBOL開発での実績が挙げられます。同社は7〜8年前より、PC上でより簡単にCOBOLプログラムを開発し、テストできる方法を模索し、Net Expressと名称が変更される前のMicro Focus COBOL製品を導入。既に幾つかのプロジェクトを成功に導いた実績を持っています。
 同社がPC上でCOBOL開発を行ないたいと考えたのは、メインフレームでの開発が効率的でなかったからです。例えば、休日に1本のプログラムをテストするためには、まずシステムを立ち上げ、コンパイルし、テストしてバックアップを取り、システムをダウンしなければなりません。またメインフレームを使うには、電源や空調の管理も必要です。このようなやり方は、非常に非効率的です。しかし同じことがPC上でできれば、いちいちメインフレームを立ち上げることなく、自宅でもプログラムの開発、テストが可能になります。
 マイクロフォーカス製品を利用する利点について、同社の業務一部 業務一課 課長代理 菅野至純氏は、「開発からテストまでが1つの画面上で非常に効率的に実行できることです。また、Net ExpressとServer Expressにより、Windows環境にもUNIX環境にも対応できます。さらに、JavaやCORBA、COMなどとのプログラム連携も容易です」と話します。
 また、同じくネットワーク事業グループ Microsoft認定プロフェッショナルである伊藤盛人氏は「データベースの違いも原因の1つだと思いますが、Net ExpressとNet Serverを利用して、既存のCOBOLプログラムをUNIXに移植することで、メインフレーム上での動作に比べ、パフォーマンスに2倍以上の差がでたことには驚きました」と話しています。
 両氏ともに「現状では、Net ExpressおよびServer Expressのごく基本的な利用しかしていません。しかし今後、より高度な機能を利用することで、COBOLとJavaの連携はもとより、さらに効果的なシステム開発が行なえるのではないかと期待しています」と口をそろえます。

開発におけるCOBOLとJavaの活用
開発におけるCOBOLとJavaの活用

●The result

 新しい上・下水道料金関連システムは、2002年2月中旬から開発をスタートし、2002年10月中旬にカットオーバーしています。わずか8カ月という短期間でメインフレームのシステムをオープン系に移植できた理由は、Javaの柔軟性とCOBOLの高い生産性でした。また、UNIXとPCを利用することで、ハードウェア的にもソフトウェア的にも大幅にコスト削減を実現しています。
 さらにメインフレームとUNIXに処理を分散したことで、メインフレームへの負荷が軽減しパフォーマンスが向上しただけでなく、以前はメインフレーム上で行なわれていた夜間処理のために停止しなければならなかった照会系のシステムを、UNIX上で24時間サービスすることが可能になりました。
 鈴木氏は、「今後は、メインフレーム上に残っているCOBOLプログラムをさらにUNIX上に移植していく計画です。最終的には、大量のデータ処理と大量の印刷のみをメインフレーム上で行い、その他のプログラムのすべてをUNIX上に移植したいと考えています。また、Webアクセス機能の強化や携帯端末を利用したエンドユーザー向けのサービスなども搭載する予定です」と話しています。
 同社では今後、システムをパッケージ化することも視野に入れています。そのための開発環境として、Net ExpressおよびServer Expressの位置付けがますます重要なものとなっています。

菅野至純氏、鈴木伸一氏、伊藤盛人氏
左から菅野至純氏、鈴木伸一氏、伊藤盛人

Technical Keyword

生産性の高いCOBOL開発と柔軟なJava開発の特長を活かしたシステム構築
Net Expressによる効率的なUNIXクロス開発

ユーザープロフィール

株式会社東日本計算センター

本社:福島県いわき市
創業:1965年11月
資本金:8,000万円(2002年11月末現在)
売上高:45億円(平成13年度)
従業員数:350名(2002年11月末現在)
事業内容:SI、アウトソーシング、ネットワーキング、システムエンジニアリングの4分野で事業展開
URL:http://www.eac-inc.co.jp/

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