みずほ情報総研株式会社(旧 株式会社富士総合研究所)

パソコンや携帯電話から公共料金などを支払える「マルチペイメントネットワーク」
新しい社会インフラだからこそ、事務計算に優れたCOBOLと高いスキルを持つ技術者を

※本ユーザ事例は、2002年11月に取材したものです。
本文中の社名、部署名、ご担当者名等は作成時のままとなっています。

Highlights

Business

株式会社富士総合研究所は、専門性の高い知識と経験を身につけたプロフェッショナル集団。「リサーチ」「コンサルティング」「システムインテグレーション」などを主な事業ジャンルに、バリュー・クリエイターとして官庁・民間企業等の顧客に最適なソリューションを提供している。

Challenge

パソコン、携帯電話など、さまざまな支払いチャネルと金融機関、そして地方公共団体・民間収納企業を一つに結ぶ「マルチペイメントネットワークシステム」の構想が2000年よりスタートしており、富士総合研究所はこのシステムの構築に深く関わっている。同社はすでに金融機関からの通信を一括して受信する地方公共団体・民間収納企業のための共同利用センターを完成させるに至った。

Solution

社会のインフラを担う重要なシステムであることから、同社のCOBOL技術者の高い開発スキルおよび事務計算の世界で多年の実績のあるCOBOLを活用することを考え、バッチ系業務に関してはCOBOLを取り入れることに決定。数多い開発環境の中で、オープン系COBOLの世界で一番に名前があがる実績とIBMプラットフォームとの親和性を理由に、Micro Focus Server Express、Net Expressを選択。

Results

マイクロフォーカスのテクニカルサポート部隊の手厚い支援、Net Expressの各種開発機能を力に、ピーク時で50人近いプロジェクトは滞りなく開発を完了。これによってシステム基盤の有用性が認められ、同様のネットワークシステムでも、Server Express、Net Expressを利用したシステム開発が決定している。

 金融機関窓口だけでなく、パソコンや携帯電話から公共料金や各種の支払いができるネットワークを構築しようと、2000年からマルチペイメントネットワーク構想が進められています。株式会社富士総合研究所はこの取り組みに早期から携わっており、早くも地方公共団体・民間収納企業向け共同利用センターのシステムを完成させました。
 社会インフラとなる重要なシステムであることから、事務計算に優れたCOBOLの活用を決め、高いスキルを持つCOBOL技術者によるMicro Focus Server Express、Net Expressを使ったオープン系プラットフォームでのクロス開発に乗り出しました。すでにシステムは最終テストの段階に入っており、2003年のカットオーバーの日を今や遅しと待ち構えています。

●The company

「質の高い情報提供と質の高い情報インフラの構築を通して、社会の進歩発展に貢献する」——1988年の創立以来、株式会社富士総合研究所は、確たる理念の下に専門性の高い知識と経験を身につけたプロフェッショナル集団として活躍してきました。「リサーチ」「コンサルティング」「システムインテグレーション」「アウトソーシング」「サイエンス」という5つの力を有機的に結合させながら、バリュー・クリエイターとして企業、官公庁、各種団体に最適なソリューションを提供しています。同社の掲げる創造性・先進性指向、専門性指向、グローバル指向、総合力指向という4つの指向は、そのまま富士総合研究所の特質としてIT業界に広く認知されています。

●The challenge

 これまで私たちは、電気料金や水道料金といった公共料金や電話代などの毎月の支払いを金融機関で直接行うのが常でした。しかし、今はコンビニエンスストアや街のキオスク端末、パソコン、携帯電話など、支払いの窓口になれる可能性のあるチャネルが大きく広がっています。これらの窓口と金融機関、そして地方公共団体・民間収納企業を一つに結べば、社会的に非常に利便性の高いネットワークが完成することはまちがいありません。こうした考えから「マルチペイメントネットワークシステム」の構想が生まれ、2000年に発足した日本マルチペイメントネットワーク推進協議会が実現に向けて活動をスタートさせています。システムは下図のように、金融機関と地方公共団体・民間収納企業の間にマルチペイメントネットワークをハブとして設置するというもの。日本政府はすでにe-Japan構想の一環にマルチペイメントネットワークを位置付けており、2004年1月からの本格利用も決定しました。
 このシステムの構築に当初から深く関わっているのが富士総合研究所で、同社は早くも金融機関からの通信を一括して受信する地方公共団体・民間収納企業のための共同利用センターを完成させるに至っています。そこで行われるのは、公共料金などの支払いが電話、パソコンなどの各種チャネルを利用してでき、消し込み情報が収納機関にタイムリーに通知される収納サービスと、収納機関と金融機関の間の口座振替データの授受を高速なデータ伝送で行う口振データ伝送サービスです。

マルチペイメントネットワークの構成
マルチペイメントネットワークの構成1
マルチペイメントネットワークの構成2

●The solution

 共同利用センターの構築に当たって、同社は信頼性および運用コストからUNIXベースのクライアント/サーバ型システムを志向しました。複数のUNIXハードウェアベンダーから提案を受けた結果、地方公共団体・民間収納企業向けのミドルウェアソリューションに優れていた日本アイ・ビー・エムを採用します。データベースにはDB2 UDBが選ばれました。
 ポイントは開発言語の選択でした。これまでメインフレームでのシステム開発が主流だった同社は、COBOL技術者にすぐれた人材がたくさん存在しました。共同利用センターはマルチペイメントネットワークの一翼として社会のインフラを担うシステムであり、ピーク時には一日500万〜600万件、金額にして数百億円にのぼる処理が走る大規模なシステムでもあります。開発には大きな責任が伴います。富士総合研究所 企業システム第4部 リーダー マルチペイメントネットワーク推進担当 畝広司氏は、彼らの高い開発スキルおよび事務計算の世界で多年の実績のあるCOBOLを活用しない手はないと考えました。その結果、オンライン系こそ業務のリアルタイム性を考えてC言語としましたが、全体の約7割を占めるバッチ系業務に関してはCOBOLを取り入れることに決定しました。また、UDBへのODBC接続ミドルウェアとしてDataDirect SequeLinkを選択しました。
 オープン系のCOBOL開発環境が数多い中でMicro Focus Net Express、Micro Focus Server Expressを採用した理由を、畝氏は次のように語ります。「オープン系COBOLの世界で一番に名前があがる実績とIBMプラットフォームとの親和性が最大の理由です。他の製品が存在するのは知っていましたが、比較検討する必要もないと判断しました。」
 共同利用センターのシステム基盤設計の中でNet Express、Server Expressの評価を担当したのは、同社企業システム第4部 主事システムエンジニア 中村雄一郎氏と同じく企業システム第4部 岡野行洋氏の両氏。「これまでずっとメインフレームでの開発に携わってきたので最初は不安でしたが、メインフレームのCOBOLプログラムをNet Expressで走らせるなどといった製品評価の中で、マイクロフォーカスのテクニカルサポート部隊が強力に支援してくれました。質問を投げても返ってくるまでの時間が他社に比べて圧倒的に短い。営業とテクニカルサポートが密接に連携していることも感じました。」(岡野氏) 「こちらが困っていると、問題が何であれ解決にむけて努力してくれる。マイクロフォーカスの顧客ありきの姿勢には助けられています。」(中村氏)
 実際にNet Express、Server Expressを利用しての開発を担当したのは、同社企業システム第4部 マルチペイメントネットワーク推進担当 主事システムエンジニア 髙橋永悟氏、同じく企業システム第4部 徳野恵美氏らです。ピーク時には50人近い大変なプロジェクトでしたが、Net Express活用のもとに金額を集計するバッチプログラムなど重要な部分の開発も順調に進みました。「日頃使い慣れたCOBOLが、Net Expressでパソコン上で使え、Server ExpressでUNIXサーバで動かせる。クロス開発という体制のおかげで変わりなくCOBOLが使えるのはとても便利だと思いました。」
 徳野氏はこのようにコメントしています。

システム開発環境
システム開発環境

●The result

 現在、共同利用センターシステムは、2003年はじめのカットオーバーに向け、実際に予想される大量データを搭載しての最終テスト段階を迎えています。COBOLで開発されたバッチプログラムは、時間の制限される中で難なく処理をこなしており、畝氏ら開発チームはシステムの完成度に対して自信を深めています。地方公共団体・民間収納企業は徐々にこのシステムへの接続を果たしていくと見られており、全体として2003年の夏ごろにはマルチペイメントネットワークが本格稼動していくものと予想されています。第二次開発として、より機能を充実していくことも予定されています。
 そして、富士総合研究所ではこの共同利用センターで選定されたシステム基盤が汎用的に展開可能と判断されました。すでにある流通業と収納機関を結ぶ通信システムの開発がスタートしており、そこでもServer Express、Net Expressが採用されることになりました。COBOLのよさとCOBOL技術者の高いスキルを活用する有用性が認められたのです。今後も水平展開を期待できるとのことです。
 私たちの生活を支えるシステムの構築に、今日もMicro Focus COBOL製品が貢献しています。

髙橋氏、中村氏、岡野氏、徳野氏、畝氏
後列左から髙橋氏、中村氏、岡野
前列左から徳野氏、

Technical Keyword

UNIXクロス開発
DB2へのODBC接続

ユーザープロフィール

株式会社富士総合研究所

本社:東京都千代田区
設立:1988年10月
資本金:16億2,750万円
売上高:591億9600万円(2001年度)
従業員数:約2,400名(関連会社含む)
事業内容:環境、社会保障から経済・産業・国土にいたる幅広いリサーチ、先端科学技術分野における計算科学ソフトウェアの研究開発、企業・金融・公共分野におけるシステムソリューションを展開

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