富士火災海上保険株式会社

富士火災海上保険株式会社

開発スピードとコスト、品質を考えCOBOLスキルの徹底活用を決意
Windows PC向け保険料計算システムの“心臓部”を
全面的にMicro Focus Net Expressへ変換

Highlights

Business

富士火災海上保険株式会社は、関西圏に強い地盤を持つ創業84年の歴史ある損害保険会社。営業社員・代理店による“Face to Face”のコンサルティング営業を基本とし、中小企業・個人向けにきめ細やかな営業活動を展開している。

Challenge

同社システム部門の技術スキルの中心がCOBOLであったため、それまで支店、代理店が利用するPC向け業務支援システムは、外部業者に発注していた。しかし、事業環境の変化が激しく、コスト、開発期間、プログラム品質の点で問題が生じていた。

Solution

Micro Focus Net Expressを使った事例を知り、プロトタイプを作成してみると難なく動く。他社製COBOL製品と比べても、パフォーマンス、リソース消費、操作性が著しく高いため、採用を決める。どうせなら高い効果を望めるものからと、収益の6割を支える自動車保険システムの全種目の保険料計算ロジックとチェックルーチンをメインフレームから移植する。

Results

迅速な開発が可能であることを実感、今後は可能な範囲にて業務支援システムの心臓部をNet Expressで開発、展開していくことを決定。ネットワーク経由でのプログラムの差分更新や、携帯情報端末や携帯電話向けシステム開発の可能性も拓かれた。

富士火災海上保険株式会社は、保険業界での熾烈な競争を勝ち抜くため、オープン系システム開発の内製化を決意。業務に精通したシステム部員の高いCOBOLスキルを活用するソリューションとして、Micro Focus Net Expressを採用。メインフレーム上の保険料計算ロジックやチェックルーチンが、パソコン上の業務支援システムの心臓部として活躍しています。

●The company

 富士火災海上保険株式会社は1918年に設立された「日本簡易火災保険株式会社」がその前身であり、以来84年にわたり中小企業・個人を顧客基盤として良質の商品・サービスを提供されています。富士火災グループは、企業経営の安定と個人生活の安心に貢献する保険商品とその関連サービスによって、ソリューション・ビジネスを展開する企業であり、高度な専門能力を有し、中小企業と個人のお客様にとって“身近で頼れる”No.1企業を目指しています。
 最近では、営業社員・代理店による“Face to Face”のコンサルティング営業を基本として、特に中小企業向けグループ傷害保険「経営安心部長」、ライフステージに合わせて選べる個人向け傷害総合保険「未来スケッチ」等の販売を推進されています。

●The challenge

 金融機関において、基幹となるシステムは何といってもメインフレームであり、中心となる言語はCOBOLです。信頼性、安定性という点で、お金を扱う極めてミッションクリティカルな業務の世界で、現在もCOBOLにかなうものはありません。
 そのため、同社の情報システム部門でも技術者の中心スキルはCOBOLです。しかし、最近は同社の支店や代理店のオフィスにパソコンが普及し、業務支援システムもこの上で使えるものが求められています。従来はそうしたプログラムの開発を外部の業者に依頼していました。
 しかし、これは3つの点で問題がありました。まずは内製するよりもコストが大きくかかります。2点めは完成までに時間がかかるということです。少しプログラムに手を入れたいと思っても、今日の明日というわけにはいきません。それなりの日数を要するために対応がどうしても後手にまわってしまいます。3点めは、外部の業者は保険のプロフェッショナルではないため、プログラム品質を高い水準で保つのが困難でした。開発されたものを二度、三度手直しする作業が生じてしまいます。
 近年は金融業界の規制緩和に伴って、競争が激しくなっています。他社と差別化を図るために保険商品もどんどん改定を行っていかなければなりません。同社では、ほぼ1ヶ月に1回業務支援システムを更新し、全国に約220ヵ所ある同社営業店舗を通じて代理店に対してCD-ROMの形で配布しています。外部業者に依頼していたのでは迅速な対応は不可能でした。 またその一方で、筋肉質の会社体質に変革するため全社を挙げてコスト削減も叫ばれていました。
 こうしたことから、同社では開発の外部発注体制を抜本的に見直すことになりました。富士火災海上保険株式会社 システム部 副部長 熊谷勝夫氏は考えます。“保険業務に精通し、高い技術を持つCOBOL技術者をオープン系システムの世界でも活かす方法があるはずだ”同氏はそうした事例があると聞くと出向いて詳細を尋ねたのですが、そのたび何か制限事項があったり思っていたものとは違っていたりで、がっかりさせられていました。

熊谷勝夫氏
富士火災海上保険株式会社
システム部
副部長 熊谷勝夫
林 達也氏
富士火災海上保険株式会社
システム部
営業支援システムグループ
課長 林 達也
藤井 健氏
富士興業株式会社
システムサービス部
第二グループ
藤井 健

●The solution

 ところがある日、富士火災海上保険株式会社 システム部 営業支援システムグループ 課長 林達也氏は、インターネットの検索エンジンでMicro Focus Net Expressを活用して自動車保険の試算サービスを展開している事例を発見します。
 さっそくマイクロフォーカス製品を販売している日本ユニシス株式会社に連絡を取るとともに、製品の試用版を取り寄せてプロトタイププログラムを作成します。それは難なく動きました。
 また、林氏は他社のオープン系COBOL製品もあわせて調査しました。
「同じプログラムを作って比較しましたが、レスポンスの高さも違えば、リソース消費のしかたも全然違う。何よりNet Expressは使い勝手が非常に良かった。」と、林氏は比較検討の際の印象を語ります。
 実際にNet Expressでプロトタイプシステムを作成した、富士興業株式会社 システムサービス部 第二グループ 藤井健氏は、Net Expressについてこう証言します。
「ユーザーインターフェイスがすぐれていて、ソースを書いていく上でも色で判別されているために視覚的にわかりやすいですし、コンパイルやビルドの手順も理解が容易でした。メンテナンスという点でも、デバッガがエラー点を示してくれるので短い時間で修正できて助かりました。」
 日本ユニシス株式会社 関西営業本部 金融営業部 第一グループ チーフSR 坂本哲也氏も、「Micro Focus Net Expressは、業界でデファクトスタンダードのCOBOL製品。ActiveX対応やJava連携など新技術をいち早く取り入れるのに熱心で、何より動作が軽い。私どもも安心してお勧めできました。」と、語ります。
 こうした利点から、同社はこの製品がPC上で動かす業務支援システムの開発基盤に最適であると判断しました。そしてどうせ取り組むなら効果の大きいものからと、同社の収益の6割を支える自動車保険の全種目の保険料試算システムの計算ロジックとチェックルーチンに関して、メインフレームのCOBOLプログラムをNet Expressを使って再利用したのです。今回、COBOLスキルを最大限に生かすために、保険料計算システムを3層(画面、チェック、計算)に分ける作業を行っています。これにより、チェック、計算部分をCOBOLを使って100%活用しています。また、今後のホストプログラムとPCプログラムの維持管理のために、PC用のプログラム管理システムを同時に構築し、ホスト−PC間の管理を強固なものにしました。

保険料試算画面
保険料試算画面1
保険料試算画面2
自動車保険見積りサービスWebサイト
自動車保険見積りサービスWebサイト

●The result

 システムは、開発決定から5ヶ月後である2002年3月下旬に無事カットオーバーしました。
 今回、Net ExpressでCOBOLプログラムのモジュール化にも成功したため、差分プログラムをネットワーク経由で支店、代理店に送信するといったことも可能になりました。CD-ROMの配布も続いていますが、“ネットワークでつながった拠点に関しては、メンテナンスが格段に楽になる”と林氏は語ります。
 熊谷氏は、GUI画面の下で動く保険料計算ロジックとチェックルーチンを“システムの心臓部”と呼びます。
「これをMicro Focus Net Expressで開発する手法が確立できたので、今後は他の保険分野にも展開していきます。年度内には少なくとも火災保険、できれば傷害保険も完成させたい。COBOLのスキルを最大限に活かした内製化により、オープン系システムの開発コストは半分以下に削減できるのではないかと期待しています。」(熊谷氏)
 自動車保険システムに関しては、Webアプリケーションも完成しました。移植に際して何の手を加える必要もなかったため、林氏はプログラムを再利用するメリットを痛感したそうです。ニーズがあれば、情報携帯端末や携帯電話向けシステムも迅速に開発できる体制が整ったと、同社営業支援システムグループは喜んでいます。システム部門内ではNet Express開発者を多数育成する構想もあり、まさにMicro Focus Net Expressは、同社の開発標準ツールの一つという位置付けで導入が進んでいます。

富士火災業務支援システム概念図
富士火災業務支援システム概念図

Technical Keyword

ホスト上のビジネスロジックを流用
COBOLをCOMコンポーネントとしてPCやWebサーバに実装

ユーザープロフィール

富士火災海上保険株式会社

本社:大阪市中央区
設立:1918年4月
資本金:413億3,400万円(2002年4月現在)
正味収入保険料:3,207億8,500万円(2000年度)
従業員数:7,833名(2002年3月末)
事業内容:損害保険業
URL:http://www.fujikasai.co.jp/

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