四国旅客鉄道株式会社
JR四国情報システム株式会社

四国旅客鉄道株式会社
JR四国情報システム株式会社

国鉄時代から改修に改修を重ねてきた複雑な人事・給与システム。
Micro Focus Net Express利用によりオープン環境へのリホストを難なく実現。

Highlights

Business

四国における基幹的公共輸送機関 JR四国グループ。その基幹システムを一手に担っているのがJR四国情報システム株式会社で、情報通信分野における企画からシステム構築、運営に至るまで幅広く手がけている。

Challenge

2004年より、汎用機で動かしていた基幹3システムのオープンシステム移行プロジェクトがスタート、まず財務会計システム、続いて旅客(営業・審査)システム、そして最後の仕上げとして人事・給与システムに取り組まれることになった。このシステムはロジックの独自性、また旅客システムでの成功から、リホストが選択されたが、改修を重ねたプログラムはロジックが非常に複雑なものになっていた。

Solution

人事・給与システムの中でも、最も複雑な給与計算プログラムをプロトタイプとして移植し動かしてみたところ、難なく稼働。これでリホストは可能と判断されて採用されるとともに、汎用機プログラムからの移植率ほぼ100%を達成する。

Results

新システムは2009年5月に本番稼働を果たし、順調に動いている。これにより維持コスト削減が実現しただけでなく、プログラム処理性能がバッチ処理で従来比平均10倍を達成。プログラムの管理性も向上し、運用業務の効率化に貢献している。

 四国旅客鉄道株式会社は、常に安全・正確・快適な輸送および心のこもったサービスを提供している四国の基幹的公共輸送機関です。その基幹システムを一手に担うJR四国情報システム株式会社は、2004年、JR四国グループの汎用機上の基幹3システムについて、オープン環境への移行プロジェクトを開始しました。
 人事・給与システムはその最後の仕上げとなるシステムで、国鉄時代から改修を重ねて今日に至っている経緯もあって、それは最も複雑なプログラムとなっていました。これをどう移行するかを検討する中で浮上したのが、マイクロフォーカスのオープンCOBOL製品Micro Focus Net Expressでした。最も複雑な給与計算プログラムがプロトタイプで難なく移植できたことからJR四国情報システムはリホストを決断しました。
 予定どおりのスケジュールで新システムは移行を完了。順調な稼働を維持しつつ、従来比最高1/20という大幅なプログラム処理性能向上、ソースコードの管理性向上も達成しています。

●The company

 営業キロ数855.2km、駅数259駅(臨時駅2駅含む)、1日当たり旅客列車本数1,035本(2009年8月現在)。四国旅客鉄道株式会社(以下、JR四国)は、四国における基幹的公共輸送機関です。企業の持つ人的・物的能力を最大限に発揮、JR四国グループとして四国に根ざし、広く四国の経済・文化の向上に寄与することに努めています。

 JR四国グループの基幹システムを一手に担っているのがJR四国情報システム株式会社で、同社は情報通信分野における企画からシステム構築、運営に至るまで幅広く手がけています。独自の発想力と企画力、技術力で、四国の可能性を広げていく「夢」のあるIT関連事業の地域提案を積極的に進めています。

●The challenge

 2003年、JR四国では、国鉄時代から継承した汎用機で動かしていた基幹3システムのオープンシステム移行を決定しました。理由は大きく2つあります。1つはハードウェアの維持コスト削減、もう1つはソフトウェアの保守性向上です。これらを達成すべく、2004年より基幹システムのオープン環境への移行プロジェクトがスタートしました。

 まず着手されたのは、財務会計システムです。検討の結果、ここではERPパッケージを適用することになり、2004年12月から1年4ヶ月かけてオープン化を実施しました。

 次に手がけられたのは、旅客(営業・審査)システムです。これは、JR四国(駅、ワープ等)の収入管理及び他の旅客会社へ精算を行うシステムです。汎用機のCOBOLで独自に開発されたプログラムであり、また情報システムスタッフがCOBOLに精通していたことから、汎用機上のプログラム資産をそのままオープン環境へリホストすることになり、2005年11月から1年間でプロジェクトを完了させました。

 今回オープン化最後のプロジェクトとして取り組まれたのが、人事・給与システムです。この分野はERPパッケージも数多く存在しますが、当初からJR四国情報システムはリホストを選択します。それというのも、JRグループには国鉄時代から継承されている独自の人事・給与体系が存在し、パッケージの標準機能では対応できないことがわかっていました。また、旅客システムのプロジェクトでリホストが非常に上手くいったことから、今回もこの方式を採用しようということになったのです。

 ただ少し気がかりだったのは、プログラムが複雑であることでした。規模的には、旅客システムがプログラム本数1,500本、JCL700本に対して、こちらはプログラム本数850本、JCL400本と半分程度。しかし、最初にプログラムが組まれたのが国鉄時代で、制度改正に伴って改修に改修を重ね、ロジックが非常に込みいったものになっていました。その中でも最も複雑だったのが給与計算プログラムで、多くのサブルーチン、周辺システムが存在し、それらを参照しながら処理を進めていきます。このプログラムがリホストできるかどうかで、人事・給与システム全体がリホストできるかどうかを判断できるといっても過言ではありませんでした。

●The solution

 ここで採用されたのが、Micro Focus Net Expressです。マイクロフォーカスのソリューションプロバイダである東京システムハウス株式会社のMMS for Micro Focus提供を受けて、Micro Focus Net Expressによるプロトタイプ移行を決定しました。

 そして、実際、この最も複雑な給与計算プログラムをMicro Focus Net Expressで移植して動かしてみると、難なく現行プログラムと同じ結果が出たのです。JR四国情報システム株式会社 情報システム部 担当部長 山本有二氏は、当時の状況を以下のように語ります。「給与計算プログラムはハードウェアリソース制限の大きい時代に開発したものなので、ソースプログラムのデータ名や手続き名も省略して書かれているなど分かりにくい内容になっていましたが、今回もぜひリホストでと考えていたので、十分に分析して精査したプログラムをプロトタイプ移行してMicro Focus Net Expressで動かしてみました。"どうだろう"という気持ちでしたが、あっさり動いたので、これが大丈夫ならリホストは可能と確信が持てました」

 移行プロジェクトの開始は、2008年6月。旅客システムの際と同様に、プロジェクトチームはこのタイミングで移行するプログラムをしっかり見極めました。実質4名という少数精鋭主義のプロジェクト。現行システムの運用も行いながらという状況で、それは大変な作業ボリュームでしたが、"整理しないままプログラムを移行するのはリソースの無駄で、保守性が向上しない"と判断してのことでした。

 プロジェクトにおいてMicro Focus Net Expressをメインで活用したのは、JR四国情報システム株式会社 情報システム部 担当課長 田中一人氏です。「今回、マルチレイアウトファイルの移植が少し厄介でしたが、汎用機COBOLプログラムからの移植率はほぼ100%に近い状態でした。JCLは東京システムハウス株式会社が提供するツールによりオープンシステムで動くJCLスクリプトに移行するなど見え方はあまり変わらなかったので、最初から違和感なく利用することができました」

移行方針

●The result

 NEC Express5800で動くWindows Server 2003ベースの人事・給与システムは、2009年5月に予定どおり本稼働を果たしました。現在すでに4ヶ月分の月末処理と賞与支給を終え、きわめて順調に稼働しており、2009年8月末には汎用機を完全撤去し、維持コストの削減が実現しました。

 JR四国情報システム株式会社 情報システム部 営業・運転担当課長 浅野昌志氏は、これ以外にも今回のオープンシステム移行で得られた成果は2つあると考えています。「1つはプログラム処理性能の大幅な向上です。なかでもバッチ処理の結果が著しく、たとえばジョブ数45のプログラムは、汎用機COBOLでは72.60秒かかっていたのにMicro Focus COBOLで5.63秒に、ジョブ数30のプログラムは、汎用機COBOLが67.95秒であるのに対し、Micro Focus COBOLは3.89秒に。その差1/10〜1/20という処理時間の短縮を実現しています。そのため、処理にリランが必要になったときも気兼ねなく行えるようになりました」

「もう1つは、プログラムの管理性が向上したことです」"オープン環境になったことでファイルの内容が直接見られるようになった""数百本のプログラムの中から特定の箇所を検索によりピンポイントで探し出せる。汎用機だったら大変な手間"と、田中氏、山本氏は語り、運用業務の効率化に役立っていると口を揃えます。

 現在、人事・給与システムは電子申請など現場入力を実現するためのフロントエンドシステム開発が進んでおり、2010年4月には本稼働の予定です。この仕組みのバッチ処理部分にも、Micro Focus Net Expressが採用されました。歴史あるプログラム資産の活用に、新規開発に。オープンシステム領域でデファクトスタンダードのCOBOL製品がここでも活躍しています。

本プロジェクトメンバーの方々
本プロジェクトメンバーの方々

Technical Keyword

メインフレームからWindows環境へのリホスト
プログラム処理性能が従来比平均10倍と大幅に向上

ユーザープロフィール

四国旅客鉄道株式会社

本社:香川県高松市
創立:1987年4月
資本金:35億円
従業員数:2,756名(2009年8月現在)
事業内容:旅客鉄道事業、旅行業、その他関連事業
URL:http://www.jr-shikoku.co.jp/

ユーザープロフィール

JR四国情報システム株式会社

本社:香川県高松市
設立:2004年4月
資本金:1,000万円
従業員数:23名(2009年8月現在)
事業内容:JR四国基幹システム運用・保守、JR四国グループ会社のシステム開発、Web制作など
URL:http://www.jrsis.com/

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