三菱電機株式会社 |
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製造業の勘定系システムといえる販売・物流情報システムのオープン化 |
Highlights
Business
三菱電機株式会社は、常により良いものを目指して変革し続ける姿勢で、家庭電化製品から社会インフラ、電力・エネルギー分野まで幅広いジャンルで、オリジナリティのあるシステム・製品・サービスを提供、社会や人々に便利さや豊かさを届ける総合電機メーカーだ。
Challenge
同社の企業活動を根幹で支える、メインフレームベースの販売・物流情報システム「MOLDIS」。トラブルがあってはならない重要なシステムで、非常に規模も大きかったが、全社一丸となって取り組むコストダウンの流れの中で、オープンプラットフォームに移行するかどうかが議論された。
Solution
同社におけるオープン系システム構築のノウハウが蓄積し、ハードウェアの性能向上も著しいことから、移行を決断。アプリケーションはメインフレーム上のCOBOLプログラムを移植する「リホスト」が選択され、その際のCOBOL統合開発環境として、Micro Focus Server Expressが採用された。
Results
2006年1月に新「MOLDIS」は本番稼動を果たし、オンライン処理、バッチ処理とともに、性能が向上した。また、オープン化を実現したことで、データの加工分析といったビジネスインテリジェンス基盤や拠点間の密接な連携、SCMの推進などが行いやすい体制が整った。
三菱電機株式会社は、家庭電化製品から社会インフラ、電力・エネルギー分野まで幅広いジャンルで、オリジナリティのあるシステム・製品・サービスを提供、社会や人々の暮らしに便利さや豊かさを届けている総合電機メーカーです。
同社は、2004年1月、同社の企業活動の根幹を支える、メインフレームベースの販売・物流情報システム「MOLDIS」のオープン化を決断しました。金融機関でいえば勘定系システムにあたるほど重要なシステムで、プログラム本数も約4900本に上る大規模なものでしたが、約2年の歳月をかけてメインフレーム上のCOBOLプログラムをUNIXサーバに移植する「リホスト」に見事成功。システムの性能向上も実現するとともに、新「MOLDIS」上のデータを活用した情報加工分析基盤の構築、さらなるSCMの推進など、オープン化のメリットが享受可能なシステム開発体制を整備しました。
●The company
高度情報化の進展、市場の国際化など、社会・経済環境は世界的なレベルで急速に変化しています。そうした中、家庭電化製品から社会インフラ、電力・エネルギー分野まで幅広いジャンルで、オリジナリティのあるシステム・製品・サービスを提供しているのが三菱電機株式会社です。コーポレートステートメントは「Changes for the Better」。“常により良いものを目指して変革していく”同社の意志を表したものです。これから先、時々刻々と変化する社会や人々に応えるため、明確なアイデンティティを持ち、高い付加価値を生み出しながら、より一層存在感のあるグローバルな企業グループとなることが同社の目標です。
●The challenge
三菱電機には、同社の営業活動の根幹に位置づけられる販売・物流情報システム「MOLDIS」(Mitsubishi OnLine Distribution Information System)があります。これは、同社の家電製品や、自動車用電装品などの量販品およびFA(Factory Automation)関連製品を対象品目として、その受発注から在庫確認、配送指示などを一元的に行うシステムです。三菱電機の本社・支社、製造拠点、配送センターおよび販売先である量販店の約2000拠点がネットワークで結ばれており、システム下に約5000の端末が存在します。稼動時間は午前7時から午後10時まで。1日平均30万トランザクション、ピーク時には40万トランザクションの処理をこなす基幹中の基幹システムです。「MOLDIS」が最初に稼動し始めたのは1972年。当時は当然のことながら、メインフレームシステムとして開発されました。
しかし、次第にその運用管理コストが負担に感じられるようになってきました。2004年度から三菱電機は本格的な全社コストダウンに取り組み、ホスト計算機からのオープン系移行を推進する「情報システムオープン化推進プロジェクト」を立ち上げ、運用管理費削減をめざしました。ただ「MOLDIS」は、金融機関でいえば勘定系システムにあたる重要なシステムで、プログラム本数が約4900本に上る非常に大規模なシステムに成長していました。これに何かトラブルが生じれば、同社の企業活動そのものに支障をきたしてしまいます。従来より、信頼性維持やその波及規模の観点からダウンサイジングは難しいと判断され、同様にそう決定された約200種のアプリケーションとともに、メインフレーム上で稼動していました。
「MOLDIS」は2004年1月に転機を迎えます。2005年度中にメインフレームの保守期限が切れることになっていたからです。後継機のメインフレームに水平移行するか。それともオープンプラットフォームへの移行を行うか。情報システム部門は、全社の関係部門と連携しながら議論に議論を重ねました。
●The solution
結論からいえば、「MOLDIS」はオープンプラットフォームへ移行されることになりました。そう決断された理由は大きく3つあると、三菱電機株式会社 本社システム部 営業システム二グループマネージャー 吉田二郎氏は語ります。
「まず、1990年代の初め頃から情報系システムを中心にオープン系システム構築に着手し、その長所や短所についてのノウハウが蓄積されてきたことです。関わるベンダーをあまり広げすぎない、安定的に動くシステムを作るにはここに注意する、といったことが経験的に分かってきました。2点目は、オープンプラットフォームのハードウェアの信頼性が向上し、メインフレームと同等の性能が期待できるようになったことです。3点目は、運用管理コストをさらに削減したいという意向です。情報システム部門で掲げた『情報システムオープン化推進プロジェクト』を完遂する意味からも、MOLDISの移行は必須といえました」
「MOLDIS」のCOBOLで書かれた業務ロジックは新しい環境でもそのまま活かせると判断されたため、いわゆる「リホスト」と呼ばれる移行形態が採用されます。このCOBOLプログラムをIBM製UNIXサーバ「p5 570」に移植するにあたって選ばれたのが、COBOL統合開発環境 Micro Focus Server Expressでした。
選定理由について、三菱電機株式会社 本社システム部 部長 柿本孝幸氏は次のように語ります。「当時、当社にはオープン化を予定しているシステムが他にもあったため、製品選定は全体最適を考えて検討しました。さまざまなCOBOL製品を見ましたが、その中ではMicro FocusのCOBOL製品が最も方言が少なく、言語として素直で標準的であったことを評価しました。また、日本国内での採用実績が高かったことも大きな要因です。さらに、当社がこれまで使ってきたIBMメインフレーム上のCOBOLと親和性が高いことも理由の一つでした」
実際のCOBOLプログラムの移行は、1972年の「MOLDIS」の最初の稼動時から営々と蓄積されてきた豊富なテストデータを使って、再利用性の高さを探る形で進められました。結果的に、業務ロジック部分はほぼそのまま手を加えず移行することができ、データベースとのインターフェイスをつかさどる「DBIR」など、環境の変化を吸収する必要のある基盤部分をCOBOL、および一部C言語で新規開発することになりました。
●The result

三菱電機株式会社
本社システム部
営業システム二グループ
専任 岡本望氏
約2年間にわたった「MOLDIS」のオープン化プロジェクトは、2006年1月4日、無事カットオーバーを果たし、以降、新「MOLDIS」は順調に稼動を続けています。
新システムへの移行によって、処理性能は大幅に向上しました。三菱電機株式会社 本社システム部 営業システム二グループ 専任 岡本望氏は次のように語ります。「オンライン処理に関しては、端末操作部分はあまり体感速度は変わらないのですが、数十%程度早くなっています。バッチ処理も、メインフレーム時代はリソースが不足気味になっていたが、それも今では全くなくなり、ストレスなく処理が進んでいます」
柿本氏は、新「MOLDIS」がオープン化を果たしたことで、今後はオープン系プラットフォームでのメリットを存分に活かしたシステム構築を進めていきたい、と語ります。
「オープン化したことで基幹システムのデータベースを任意のタイミングで参照したり、リアルタイムに近い形でデータを取得して加工分析するなどといったことが容易に行える体制が整いました。拠点間の密接な連携やさらなるSCM(Supply Chain Management)強化推進への道が開けたと考えています。今回のオープン化プロジェクトを振り返ると、メインフレームやサーバを提供するIBMとCOBOL専業ベンダーのマイクロフォーカスの連携による、よりユーザ指向の提案が、早い段階でなされていたら、一段と効率的な取り組みが可能だったと思います。今後はお互い更に情報や技術を共有するような仕組みを確立させて、われわれユーザー企業を支援していただきたいですね」
Technical Keyword
メインフレームからUNIX環境へのリホスト
既存COBOLプログラムの移植と再利用
ユーザープロフィール
三菱電機株式会社
本社:東京都千代田区
創立:1921年1月
資本金:1,758億2,000万円(2006年3月末)
売上高:3兆6,041億8,500万円(2005年度連結)
従業員数:99,444名(三菱電機グループ)
http://www.mitsubishielectric.co.jp/

