エムエルアイ・システムズ株式会社
三井生命保険株式会社(旧三井生命保険相互会社)

*本文中は、取材当時の旧社名表記となっております。

エムエルアイ・システムズ株式会社
三井生命保険株式会社

メインフレームで培った技術スキル、
ソフトウェア資産、開発手順を積極活用して、
証券総合システムの短期開発を実現

Highlights

Business

三井生命保険相互会社と日本アイ・ビー・エム株式会社が共同出資して設立されたエムエルアイ・システムズ株式会社は、三井生命グループのIT競争力を高めるという大きなミッションを担っている。

Challenge

資産運用のための証券売買システムのバックエンドシステムをアウトソーシングすることになり、本社側のフロントエンド/ミドルシステムとの間でデータ送受信、データ加工のしくみを新たに開発する必要が生じた。サービスイン予定日まで期間は実質6ヶ月だった。

Solution

システム開発者の技術スキル、メインフレーム上にあるソフトウェア資産を有効に活用できることからオープン系COBOLを採用。Micro Focus Server Express/Net Expressを選択した。その理由は、Webアプリケーションやクライアント/サーバ型アプリケーションなど、今後構築が考えられるさまざまなシステム形態で動くこと、同社のUNIXサーバOS(AIX)で動き、そのほか多様なプラットフォームで稼動可能であること、そして、同社がこれまで利用してきたIBM COBOLと親和性が高いこと、という大きく3つの理由による。

Results

証券総合システムと名づけられたシステムは、2002年1月15日、予定どおりサービスインすることができた。またサービスイン以来、ずっと安定稼動を続けており、開発チームを安堵させている。COBOLを活用した分散系アプリケーション開発のフレームワークとして確立されたことにより、今後は既存のクライアント/サーバ型アプリケーションの再開発などに積極的に活用されていく予定。

三井生命グループのIT競争力向上をミッションに誕生したエムエルアイ・システムズ株式会社。証券総合システムのバックエンドシステムのアウトソーシングを機に、本社側フロントエンド/ミドルシステムとのデータ連動アプリケーションをMicro Focus Server Express/Net Expressにより短期間で開発。

●The company

 大幅な規制緩和が、金融業界に新たな競争原理をもたらしています。エムエルアイ・システムズ株式会社は、三井生命保険相互会社と日本アイ・ビー・エム株式会社がIT技術を活用した経営基盤を確立するべく共同出資して設立された会社。IBMの先進的ITスキルと三井生命の高度な金融・保険ノウハウを融合し、三井生命グループ全体のIT競争力を永続的に高めていくというビジョンを持って、2000年9月に誕生しました。

●The challenge

 保険会社には、顧客から預かった保険料を運用して保険金として還元するという業務があり、三井生命においても有価証券などの売買を行っています。2001年6月同社は、この業務の入出金管理などを行っているバックエンドシステム(メインフレーム)の運用管理をアウトソーシングすることになりました。住友生命保険相互会社との共同出資で、総合証券事務サービス株式会社を設立、ここに全面的な運用管理を依頼することになったのです。
 しかし、有価証券の売買業務自体は三井生命本社内で行いますから、そのためのフロントトレードシステムや、株価分析などを行うミドルシステムと呼ばれる情報系システムは依然そこにあります。そこで、メインフレームとフロントエンド/ミドルシステムとの間でデータ送受信およびデータ加工を行うしくみが新たに必要になりました。このシステム開発を担当したのが、エムエルアイ・システムズというわけです。
 これらのシステム上で流れるデータの一例を挙げてみましょう。フロントエンドシステム上で証券の売買が成立すると、それは約定データとしてバックエンドシステムに送信されます。バックエンドシステム上ではそれを受けて、証券の異動、残高更新、属性や時価データの変更を行います。これらの更新された異動、残高、属性、時価データが今度はミドルシステムにバッチ処理で送られて、各種のデータ分析のために利用されるのです。従来はすべての処理を一台のメインフレーム上で行っていたのですが、物理的に離れるために、同様の処理プログラムをフロントエンド/ミドルシステムが動くUNIXサーバ上に持たなければなりません。詳細仕様の決定したのが2001年7月。証券総合システムと名づけられたこのシステムは、住友生命との提携事業第一弾として期待が大きく、サービスインは2002年1月15日と決定していました。データ連携を行うサブシステムを開発するチームに与えられた開発期間は、実質6ヶ月しかありませんでした。

●The solution

 プロジェクトを進めるにあたって、エムエルアイ・システムズは考えました。“われわれにはメインフレームで培った技術スキルがあるのだから、それを最大限に活用したい”“メインフレーム上には再利用可能な既存資産も豊富にある”“そして何より、ここで開発するアプリケーションは、これから次々と構築することになる分散系アプリケーションの、開発手続きを含め雛型になるようなものにしたい”このような要件の下に決定されたのがオープン系COBOLの採用でした。
「半年という短い期間で、違う言語を一から習得しながら開発するというのは非常に難しいものがありました。COBOLであれば、メインフレームでの開発と同様に開発手続きもそのまま流用できますし、開発の時間を読むことも可能です。」エムエルアイ・システムズ株式会社 資産運用システムグループ 副主任ITエンジニア 須永貴弘氏はこう語ります。
 マイクロフォーカス株式会社のMicro Focus Server Express/Net Expressを選択した理由について、エムエルアイ・システムズ株式会社 基盤開発グループ 副主任ITエンジニア 織田祐輔氏は次のように語ります。「主要なオ−プン系COBOL製品を5種類ほど比較検討したのですが、Micro Focus製品に決定したのは大きく3つの理由があります。まず、Webアプリケーションやクライアント/サーバ型アプリケーションなど、今後構築が考えられるさまざまなシステム形態で動くこと。次に、当社のUNIXサーバOS、IBM AIXで動き、そのほか多様なプラットフォームで稼動可能であること。そして、当社がこれまで利用してきたIBM COBOLと親和性が高いこと。また、当社はMicro FocusのCOBOLコンパイラを搭載したIBM製CASEツールを長らく利用しており、その意味ですでになじみがあったということも大きかったと思います。」
 実際に使用して発見されたメリットもあります。その一つがクロス開発機能で、Micro Focus Net ExpressによりWindowsのGUI環境でプログラムを作成し、テストで得た結果がそのままUNIXサーバ上のMicro Focus Server Expressでも保証されるため、開発生産性は高かったと、織田氏は証言します。
 また、デバッグツールとしてアニメータが用意されており、デバッグポイントを迅速に見つけることができました。「これまでのメインフレームでの開発に比べるとデバッグは格段に早いという印象がありましたね。」と須永氏はコメントしています。

三井生命証券総合システム
三井生命証券総合システム

●The result

 証券総合システムは、予定どおり2002年1月15日にサービスを開始しました。
「半年という短い期間で、一つの機能ももらすことなくシステムを完成したことについては、三井生命には、高く評価されたと思います。」と、エムエルアイ・システムズ株式会社 テクニカルグループ 副主任ITエンジニア 江藤武氏。実際、システムはサービスイン以来安定稼動を続けています。メインフレームに比べて分散システムは性能的に劣るのではないかという不安が少しばかり三氏の中にあったといいますが、それは杞憂でした。“システムを利用する証券売買担当者も、運用形態が大きく変わったことを意識していないかもしれない”と江藤氏は語ります。
 これでCOBOLをベースとした分散システム開発のフレームワーク、共通基盤が完成しました。アプリケーション開発者の間にも、Server ExpressとNet Expressの使い方さえ覚えれば、今までの開発手法、今までの人員でシステム開発を進めていける、という大きな確信が生まれています。
 江藤氏はこのように発言をしめくくりました。
「メインフレーム上にあるビジネスロジックをサーバやPC上で使いたいという話も持ち上がっていますし、クライアント/サーバ型アプリケーションとして持っている既存のソフトウェア資産は数多くあります。企画の具体化や再開発のタイミングで、今後このフレームワークを使おうという場面はまちがいなく出てくるでしょう。」
 スピード開発の切り札として選ばれたMicro Focus Server ExpressとNet Express。三井生命ひいては三井生命グループのオープン系システムの随所で積極活用されていくことになりそうです。

須永貴弘氏
エムエルアイ・システムズ株式会社
資産運用システムグループ
副主任 ITエンジニア 須永貴弘
織田祐輔氏
エムエルアイ・システムズ株式会社
基盤開発グループ
副主任 ITエンジニア 織田祐輔
江藤武氏
エムエルアイ・システムズ株式会社
テクニカルグループ
副主任 ITエンジニア 江藤武

Technical Keyword

UNIXクロス開発
OpenESQLによるDB2アクセス

ユーザープロフィール

エムエルアイ・システムズ株式会社

本社:千葉県柏市
設立:2000年9月
資本金:1億円
売上高:約36億円程度(2001年度見込み)
従業員数:474名(2002年3月現在)
事業内容:情報システムの企画、設計、開発、保守および運用のコンサルティングならびにこれらの受託等

ユーザープロフィール

三井生命保険株式会社

本社:東京都千代田区
設立:1914年4月
URL:http://www.mitsui-seimei.co.jp/

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