株式会社 日本放送出版協会 |
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メインフレーム上の人事・給与計算システムのオープン化 |
Highlights
Business
放送を見たり聴いたりすることで視聴者が学習できるNHKの番組を、テキスト制作という形でサポートしているのが株式会社 日本放送出版協会。大河ドラマやNHKスペシャルなどの番組関連の書籍や雑誌を発行するとともに、近年は翻訳書や一般書などの番組関連以外の自主企画も積極的に手がけている。
Challenge
長らく利用してきたメインフレーム上の基幹業務システムをハードウェアの更新期を機にオープン化することを決断。ほとんどはJavaで一からWebアプリケーション開発することにしたが、人事および給与計算システムだけは業務ロジックの重要性から、プログラムを書き直すことに抵抗があった。
Solution
同社はメインフレーム上のCOBOLプログラムをオープン環境に移植することを決断。COBOL統合開発環境として、以前のプロジェクトで利用実績のあるMicro Focus Net ExpressとMicro Focus Server Expressを採用。実行環境製品にはMicro Focus Enterprise Serverが、COBOL/Java連携機能、そのプログラム実行性能が評価され採用された。
Results
新システムは2006年9月より本稼動。これにより、人事および給与計算の業務処理に関わるシステムコストが大きく軽減されただけでなく、ユーザーの労力削減も実現。事業環境の変化が生じた際にも社内技術者でプログラムをメンテナンスできる環境が整った。
放送を見たり聴いたりすることで視聴者が学習できるNHKの番組をテキスト制作という形でサポートしている株式会社 日本放送出版協会は、長らく利用してきたメインフレーム上の基幹業務システムをオープン化することを決断しました。そのうち、人事および給与計算システムは業務ロジックの重要性から、COBOLプログラムをそのままオープン環境に移植することとし、その際に利用するCOBOL統合開発環境として、Micro Focus Server Expressを採用。実行環境であるMicro Focus Enterprise Serverも、COBOL/Java連携機能やそのプログラム実行性能が高く評価されました。
●The company
日本放送協会、いわゆるNHKには放送を見たり聴いたりすることで視聴者が学習できる番組が数多くあります。「基礎英語」などの語学番組や「きょうの料理」「趣味の園芸」「おしゃれ工房」などの趣味や生活関連の番組などがよく知られたところでしょう。こうした番組での学習をサポートしているのが、株式会社 日本放送出版協会の発行しているテキスト類です。
創業は昭和6年。当時のNHKがラジオ第二放送を開始するに当たり、その放送番組テキストの発行を目的に設立され、その後、大河ドラマやNHKスペシャルなどの番組関連の書籍や雑誌を発行。近年は翻訳書や一般書などの番組関連以外の自主企画も積極的に手がける歴史の長い出版社です。
●The challenge
同社では、長らく基幹業務の処理にあたってメインフレームコンピュータを利用してきました。非常に高性能ではあるのですが、事業環境の変化に合わせてプログラムの変更を加えるのが難しく、維持管理に多額のコストを要します。そこで日本放送出版協会は、メインフレームの契約更新期が訪れたタイミングで、同社の有する情報システムをすべてオープン化してWebアプリケーションシステムとすることを決断しました。
オープン化するシステムのほとんどは、Webアプリケーションへの移行ということで開発言語にJavaを選択し、仕様変更もあることから一から開発することにしていました。しかし、同社は基幹業務システムの中で人事および給与計算システムに関してはJavaで書き直すことに抵抗がありました。その理由について、株式会社 日本放送出版協会 総務部 担当部長 小島光博氏は次のように語ります。
「人事・給与のシステムでは、今回のオープン化でロジックに変更を加えたい箇所は特にありませんでした。給与計算というジャンルは金額を扱う重要なアプリケーションであるため、書き直すことでかえってプログラム品質を低下させることの方が心配でした。また、人事システムについては法対応などでシステム変更が発生することが予想されるため、社内の技術者でメンテナンスを行いたいと考えていました」
さらに、開発言語というものには盛衰がつきものであるという考えもありました。基幹業務システムのすべてを、新しく登場した一つの言語にそろえてしまうことにリスクを感じていたのです。また、基幹システムのオープン化プロジェクトは予算も大掛かりなものになりがちなため、同社にはコストを削減したいという思いもありました。
●The solution
そのような懸念を考慮した結果、同社の出した回答は、メインフレームで動いていた人事および給与計算システムのCOBOLプログラムを再利用し、Webアプリケーション化してオープン環境に移植することでした。事務処理計算にすぐれたCOBOL言語の特性をそのまま生かすことにしたのです。
そしてその際に利用するCOBOL統合開発環境として選んだのが、マイクロフォーカスの提供するMicro Focus Net ExpressとMicro Focus Server Expressです。営業企画部 次長 熊谷剛文氏は、選定理由を次のように語ります。
「数年前、製作部で利用する試算発注システムを開発しました。これは製作するテキストにかかる用紙、製本などといったコストをシミュレーションし、発注処理を行うものです。われわれにとって慣れた言語であるCOBOLを用い、クライアント/サーバ型システムで開発したいというニーズに合致したのが、マイクロフォーカスのWindows版COBOL統合開発環境 Net Expressでした。この製品の使い勝手や機能に満足しており、開発者も慣れていたことから、今回のプロジェクトもMicro Focus製品を採用しました。メインフレームがIBM製で、そのCOBOLプログラムがMicro Focus COBOLと親和性が高かったことも大きな理由の一つです」

株式会社ファーストマネージ
坂田隆幸氏
日本放送出版協会より委託を受けて同社の情報システムをアウトソーシングで運用管理している株式会社ファーストマネージ システム開発部 上級主任エンジニア 坂田隆幸氏は、マイクロフォーカスのCOBOL製品について、「主にNet Expressを利用しているのですが、こうした統合開発環境製品の利用は初めてであったのにも関わらず、3日ほどですぐに慣れて使いこなせるようになりました。私自身はGUIデバッガであるアニメータが気に入っています。どこを直すべきかわかりやすくデバッグ作業の効率が上がるところがいいですね」と語ります。
今回の人事および給与計算システムのオープン化にあたっては、移行先の環境にAIXおよびHACMP(High Availability Cluster Multi Processing)を採用、WebアプリケーションサーバにはWebSphere Application Server、データベースはDB2が選ばれました。

株式会社ジェイ・クリエイション
伊從大輔氏
移行プロジェクトは、メインフレームのリホスティングを得意とするソラン株式会社と、メインフレーム上のソフトウェア資産移植に強みを持つ株式会社ジェイ・クリエイションが協業して担当しました。両社はレガシーシステム資産をオープンプラットフォームに移行する「TakeOff」ソリューションを共同で展開しています。ジェイ・クリエイションの伊從大輔氏はこのプロジェクトを振り返ってこのように語ります。
「今回、画面まわりについてはCUIのエミュレータイメージのものをWebブラウザで動かすためにJavaで開発しました。したがってCOBOLとJavaの連携が必要だったのですが、アプリケーションの実行環境であるMicro Focus Enterprise Serverは、両者間の通信がシームレスに行えるよう設計されていて、開発上かなり助かりました。マイクロフォーカスがIBMとCOBOL/Java連携の技術セミナーを主催していて、弊社の技術者はそれを受講した後に今回の開発に臨んだのですが、このことも開発を終始スムーズに進ませるのに役立ちました。Enterprise ServerのCOBOLプログラム実行性能も良く、今回求められたシステムパフォーマンスを無事に達成することができました」

ソラン株式会社
相澤浩氏
ソラン株式会社 相澤浩氏によると、今回の人事および給与計算システムのプログラムは約100本、画面数200ぐらいのボリュームだったそうです。“業務ロジックはそのまま再利用することができたため、開発期間は正味3ヶ月ぐらいですみました”と、ソラン東北株式会社 吉田英俊氏は補足しました。
●The result
COBOLプログラムを生かしてオープン化された新システムは、2006年9月、無事に本稼動を果たしました。これにより、従来同様の人事および給与計算に関わる業務処理のシステムコストが大幅に削減されました。
また、これまで一部手作業が生じていた事務処理が今回のプロジェクトで自動化され、ユーザーの労力軽減を実現、本来の業務に専念できる環境が整いました。しかも、システム自体は社内技術者が熟知しているプログラムであるため、事業環境が変化したときも、外部に依存することなく迅速にメンテナンスが行えます。
業務ロジックの継承と時代への変化対応、一見相反する2つのニーズを、日本放送出版協会はオープンCOBOLという選択で見事両立させることに成功しました。
Technical Keyword
既存COBOLプログラムの移植と再利用
COBOL/Java連携
ユーザープロフィール
株式会社 日本放送出版協会
本社:東京都渋谷区
設立:1931年4月
資本金:6,480万円
売上高:228億8000万円(2006年3月期)
従業員数:288名(2006年3月末)
http://www.nhk-book.co.jp/


