日建レンタコム株式会社

Windows .NET Frameworkをターゲットとするメインフレームマイグレーションプロジェクト。
基幹システムをすべてオープン環境へ移行し、柔軟性、利便性、処理性能も大きく向上。

Highlights

Business

日建レンタコム株式会社は、日建リース工業株式会社のホールディングカンパニー。日建レンタコムグループの主軸である日建リース工業は、総合リース・レンタル業のリーディングカンパニーとして「必要な物を、必要な時に、必要な期間だけ」をコンセプトに、業界のパイオニアとして幅広い事業を展開。

Challenge

日建レンタコムでは、ここ30年は富士通メインフレームで基幹システムを稼働させてきたが、外部システム連携性の乏しさ、スキルセットの分散、システムコストの高止まりや、パフォーマンス低下に課題を感じていた。グループのシステム開発・運用を担う情報システム部はこれらの問題を解決するために、マイグレーションを決断した。

Solution

移行先であるWindowsプラットフォームのCOBOL開発環境・実行環境として選ばれたのがMicro Focus Visual COBOL / Micro Focus COBOL Serverだった。ハードウェアメーカー固有のCOBOLと比べて、オープンシステム環境で事実上の業界標準として高い導入実績があり、また、IDEとしてMicrosoft Visual Studioが利用できることも選定を後押しした。

Results

入念な性能テストが行われ、本番切り替えは当初の予定どおり遂行されて、スムーズに移行は完了した。処理スピードは業務によっては20倍以上向上、ビジネス面でも、電子商取引など外部システム連携を拡大する素地が整った。情報システム部門内でのスキルセット統一も実現し、初期投資は必要だったものの、オープン環境でのコスト大幅削減により投資回収の目処も立っている。

 日建レンタコム株式会社は、日建リース工業株式会社のホールディングカンパニー。日建レンタコムグループの主軸である日建リース工業は、総合リース・レンタル業の第一人者として「必要な物を、必要な時に、必要な期間だけ」をコンセプトに幅広い事業展開を推進しています。
 同社では、30年間にわたって富士通メインフレームで基幹システムを稼働させてきましたが、外部システム連携性の乏しさ、技術者スキルセットの分散解消などを理由にマイグレーションを決断しました。
 Windows .NET Frameworkをマイグレーション先とするプラットフォーム移行プロジェクトで、選ばれたのはMicro FocusのCOBOL製品でした。オープンシステム環境で事実上の業界標準として高い導入実績があり、技術者が習得するのに適していたというのがその理由です。
 周到にプロジェクトが進められた結果、本番切り替えは当初の予定どおりスムーズに完了。これにより、処理スピードは大幅向上。また、システム連携の道が開き、技術者のスキルセット統一実現、コスト削減のめどが立つなど大きな成果を挙げています。

●The company

 日建レンタコム株式会社は、日建リース工業株式会社のホールディングカンパニーとして、人事・総務・経営企画・法務・情報システム部門を担当する会社です。

 日建レンタコムグループの主軸である日建リース工業株式会社は、総合リース・レンタル業のリーディングカンパニー。「必要な物を、必要な時に、必要な期間だけ」をコンセプトとし、業界のパイオニアとして幅広い事業展開を推進しています。同社が保有する賃貸資産アイテム数は2,000を超えており、特に仮設資材分野では国内流通量の3分の1を担うほど品揃えが豊かです。まさに“機材の銀行”の役割を担っています。

●The challenge

 日建レンタコムグループのITシステム開発・運用を全面的に支えているのが、日建レンタコム株式会社 情報システム部です。

 同グループでは、受注管理、顧客管理、資産の入出庫管理などすべての基幹システムを40年にわたってメインフレームで稼働させてきました。ここ30年は富士通メインフレームを採用していましたが、近年メインフレームを持ち続けることが重荷になってきました。日建レンタコム株式会社 情報システム部 部長 満川和也氏はこう語ります。

「昨今、顧客からシステム連携を求められることが多くなりました。電子商取引がその好例ですが、メインフレームではどうしてもその実現が難しくなります。また、当社ではオープンシステム開発も進めていたため、技術者がメインフレーム担当者、オープンシステム担当者と2つのグループに分かれており、早いうちにスキルセットを統一したいと考えていました」

 これらの理由に加えて、システムコストの高止まりや、パフォーマンス低下問題も解決すべき課題として挙がっていました。たとえば、同社では資材の入出庫が集中する月末、全国140ヵ所近いストックヤードおよび営業拠点といった現場からデータがメインフレームに向けて送られてきます。多い日で1日当りのトランザクション件数が200万件に上るといい、計算処理してまた現場に返すというオンライン業務では1分以上かかることもありました。

 同社はその課題を全面解決するため、2013年4月から調査・検討を開始。そして、オープンシステム環境へ基幹システムをマイグレーションすることを決断しました。2013年10月のことです。

●The solution

 それではマイグレーション先のシステム環境を何にするか。同社が選択したのは、Windows .NET Frameworkでした。その理由は、同社のオープンシステム担当者がすでにマイクロソフトテクノロジーに馴染んでおり、エンドユーザーもWindows環境で業務を行っているなど、既存環境との親和性を考えたからでした。検討段階で同社は業務改革も意図していましたが、まずはメインフレームからオープン環境に移行し、その後システム内容の見直しを開始するといった具合に、プロジェクトを大きく2ステップに分けました。

 この第1ステップにおいて、移行先オープンシステムのCOBOL開発環境・実行環境として選ばれたのがMicro Focus Visual COBOL / Micro Focus COBOL Serverです。満川氏は選択の理由を次のように語ります。

「メインフレーマーがオープン環境用に用意しているCOBOLを使うという選択肢もありました。しかし、Micro Focusの製品は、オープン環境のCOBOLとしてデファクトスタンダードで、世界的に豊富な導入実績がありました。また、事前検証で満足のいく結果が得られたことも大きかった。それから、これはちょっと意外だったのですが、マイクロフォーカスは“外資系企業”という感じがせず、こちらの問い合わせや質問に熱心に答え、自主的に調査してくれるのを見て“この会社なら”と思ったのです」

 Micro Focus Visual COBOLが、IDEとしてMicrosoft Visual Studioを利用できることも選定を後押ししたようです。情報システム部 開発二課 課長 山田圭氏はこう語ります。「私は社内でオープンシステム側を担当していて、いつもVisual Studioを使っています。メインフレーム担当者にオープンでの開発・保守方法を伝えるのに、この環境を介して話ができるというのは大きなポイントでした」

移行資産
移行資産

 このプロジェクトの遂行に当たっては、パートナーが2社参加しています。プロジェクトの牽引役としては、メインフレーム時代から付き合いのあるシステムインテグレーターが、Windows 環境へのアプリケーションの移行作業は株式会社ジェイ・クリエイションが担いました。同社の技術力により、富士通メインフレームのYPS言語で生成されたCOBOLソースプログラムが Microsoft .NET Framework上のフレームワークで稼働するCOBOLソースに自動変換されました。メインフレーム固有の画面・帳票記述はフレームワークが提供するクラスメソッドの呼び出しに変換されているため、メインフレーム資産をそのまま活かせたことがプロジェクト成功に大きく貢献しました。

 今回のマイグレーションを機に、既存プログラムすべてを精査する。そう決断したため、2014年7月から5ヶ月間かけて行われた現新比較テストはなかなか大変だったようです。「この期間がプロジェクトの一つのヤマでした。プログラム実行には影響なかった潜在バグが出現して、それをつぶすのに追われましたね。現新比較テストにおいて最後の砦は目視。“ここを乗り越えないと年を越せない”という部長の言葉を聞きながら、“目コンペア”マシンになるほど集中しました」情報システム部 開発一課 課長 西森竜次氏はそう述懐します。

新旧システムの概要 新旧システムの概要

●The result

 基幹システムに新しい可能性を開くため、部門を挙げて挑んだマイグレーションプロジェクトでしたが、チームにはもう一つ懸念がありました。性能です。メインフレームでも課題となっていた計算処理、それを果たしてオープンシステムで高速処理できるのか。プロジェクト正式キックオフ以降、情報システム部 管理課 課長 岡田克則氏が中心となって、開発機、本番機合わせて4回の性能テスト工程を持ち、周到にチューニングを施したといいます。

「構造がシンプルなメインフレームのオンラインアプリケーションに比べて、オープンシステムのWebアプリケーションはアーキテクチャが複雑で、パケット通信など遅滞が生じる要素も多いので、そこは入念にチェックしました。ハードウェアスペックを吟味するとともにパフォーマンス可視化ツールも導入、性能情報を取得して徹底的に不安要素を取り除きました」(岡田氏)

 そのかいあって、2015年5月、当初の予定どおり本番切り替えはゴールデンウィークに行われ、スムーズに完了しました。その後も「PRISM」と名付けられた新基幹システムは順調に稼働、5月末の締めも難なく乗り切っています。しかも、処理スピードは大幅に向上しました。

 情報システム部 部次長 石黒雅樹氏はこう語ります。「懸案の2,000万件データ処理は、なんと20分から1~2分に短縮しました。エンドユーザーから“快適でした。これからが楽しみですね”という声が寄せられるほどです。バッチ処理も“当日中に完了”と当初目標を立てたときは実現できると思っていなかったのですが、今は21時に始めて24時までに余裕で終わります。半分以下になりました」

新システムの構成 新システムの構成

 マイグレーションプロジェクトを完遂した結果、同社にはその他にも大きな変化が表れています。満川氏は語ります。「ビジネスという点では、介護事業を中心に電子商取引を議論できる体制が整いました。また、情報システム部門内も、スキルセット統一により組織構成を刷新できました。旧メインフレーム技術者とオープンシステム担当者がペアを組み、業務とスキルをお互いに教え合うよい関係が生まれています。そして何より、今回、初期投資の開発費を必要とはしましたが、大幅なシステムコスト削減により投資を回収できる目処も立っています」

 日建レンタコムグループは大きな成果を実感しながらも、ここで立ち止まることなく、業務改革を目的とした第2ステップへ向けて、すでにその歩みを進めています。

本プロジェクトの中心メンバーの方々 本プロジェクトの中心メンバーの方々

Technical Keyword

富士通メインフレームからWindows環境へ移行
Microsoft .NET Framework 上でのCOBOLアプリケーション稼働

ユーザープロフィール

日建レンタコム株式会社

本社:東京都千代田区
設立:1978年8月
資本金:1,000万円
事業内容: 日建リース工業株式会社のホールディングカンパニーとして、
人事・総務・経営企画・法務・情報システム部門を担当

日建リース工業株式会社

本社:東京都千代田区
設立:1967年11月
資本金:9,500万円
保有資産:約1,900億円
売上高:608億円(2014年9月)
従業員数:1,170名(2015年6月現在)
事業内容: 1. 建設用鋼製軽量仮設資材及び関連商品の賃貸並びに販売
2. ユニットハウス、オフィス機器、イベント用品及び関連商品の賃貸並びに販売
3. 建設機材の輸出及び輸入
4. 運搬用の器材及び資材の賃貸並びに販売
5. 収納器材及び保管用器材の賃貸並びに販売
6. 介護福祉用具の賃貸並びに販売
URL:http://www.nrg.co.jp/

ユーザー事例(PDF版)

PDF 日建レンタコム株式会社 (705KB)

-----