ソフトバンクモバイル株式会社

ソフトバンクモバイル株式会社

Open VMSからLinuxへ移行し既存COBOLアプリケーションをWebサービス化。
料金系ミッションクリティカル・システムの迅速な本稼働に貢献したのは、Micro Focus Server Express。

Highlights

Business

ソフトバンクモバイル株式会社は、ソフトバンクグループの通信3社のうちの1社。その歴史は前身会社も含めると25年にも及ぶ。2000年代に入ってから、新料金プランの発表、iPhone、iPadの発売など、革新的なサービスや新しい価値を創造し続けている。

Challenge

2008年、同社ではOpen VMS OSベースの基幹システム「BACUSS」を、オープンシステム環境で再構築することを決定した。数プロジェクトに分割して順次開発を進めていったが、そのうち入金・滞納・売上管理領域システムは最後に着手されたミッションクリティカル・システムで、一部の機能は早めにサービスインしなければならなかった。

Solution

時間がない中で高いプログラム品質を担保するため、既存資産の再利用を決断。新システムのRedHat Enterprise Linux OS、64ビット実行環境で唯一稼働可能なCOBOLであり、先行するサブプロジェクトでの採用、プログラムのWebサービス化がInterface Mapping Toolkitにより可能であったことから、マイクロフォーカスのCOBOL統合開発環境 Micro Focus Server Expressを選定。

Results

非常に限られた開発期間での大規模開発であったのにも関わらず、当初の期日どおりのサービスインを実現。また、オンライントランザクション処理性能、バッチ処理性能ともにあらかじめ設定されていたSLA(Service Level Agreement)を満たし、加入者が増加の一途をたどっている中でも想定内の性能を維持し続けている。開発生産性の高さが評価され、新たなシステム再構築プロジェクトでも採用されることが決定した。

 ソフトバンクモバイル株式会社は、「情報革命で人々を幸せに」をビジョンに掲げ、飛躍的な成長を続けているソフトバンクグループの通信事業者です。
 2008年、同社ではOpen VMS OSベースの基幹システム「BACUSS」を、オープンシステム環境で再構築することを決定しました。数プロジェクトに分割して順次開発を進めていく中、最後に入金・滞納・売上管理領域システムに着手。ミッションクリティカルなシステムながら、全体スケジュールや一部機能の前倒しリリースの兼ね合いがあって迅速な開発が求められました。
 時間がない中で高いプログラム品質を担保するため、既存COBOL資産の再利用を決断。採用したLinux環境で唯一稼働可能なCOBOLであり、先行するサブプロジェクトでの採用、プログラムのWebサービス化が可能であったことから、Micro FocusのCOBOL製品を選択しました。
 システムは当初の期日どおりにサービスイン。また、オンライントランザクション処理性能、バッチ処理性能ともに設定基準を満たし、加入者が増加の一途をたどっている中でも想定内の性能を維持、同社のシステム競争力強化を実現しています。

●The company

 ソフトバンクモバイル株式会社は、「情報革命で人々を幸せに」というビジョンを掲げるソフトバンクグループの通信3社のうちの1社です。その歴史は前身の鉄道通信株式会社時代から数えると25年にも及び、この間、一筋にモバイル通信の未来を切り開いてきました。特に2000年代に入ってからは、新料金プランの発表、iPhone、iPadの発売など、革新的なサービスや新しい価値を創造し続け、2011年現在、3年連続年間純増数No.1を達成しています。

●The challenge

 2008年、同社ではOpen VMS OSベースの基幹システム「BACUSS」を、オープンシステム環境で再構築することを決定しました。10数年もの稼働実績のある堅牢なシステムでしたが、OSのベンダー・サポート期間が満了、システムアーキテクチャや性能的にも拡張限界を迎えつつあり、さらなる加入者増をめざす同社にとって、新サービスを思うように追加できない状況になっていました。

 そのため、システム設計を一から見直し、情報システム部門内で新サービスを次々投入しながら、今後の展開を見据えてプログラム品質や性能も大幅強化できる体制を確立することになったのです。

 基幹システムは全部で数プロジェクトに分割され、2010年5月のカットオーバーを目標に、順次開発が進められていきました。その中の一つ、入金・滞納・売上管理領域システムは最後に着手されたサブシステムで、一部の機能は他のサブシステムとの連携上、2009年6月にサービスインしなければなりませんでした。

●The solution

 入金・滞納・売上管理領域システムは、加入者のサービス利用を料金支払いの観点から集中的に管理するミッションクリティカルなシステムです。ソフトバンクショップやコールセンターは、常にこのシステム上の顧客情報データベースや債権管理データベースで最新のステータスを照会しながら顧客対応を行います。

 ゆえに、非常に高度なプログラム品質およびトランザクション処理性能、バッチ処理性能が求められました。また、再構築によるシステム機能再配置によって他のサブシステムからここへ移管されてくる機能があり、それを受け入れるとともに、複雑な要件を持った新サービスをタイムリーに付加できる柔軟性も必要でした。

 そこで入金・滞納・売上管理領域システムでは、Open VMS上のVAX COBOL資産をオープンシステム環境へ移植して再利用しながら、新規・追加機能もCOBOLプログラムで開発することにしました。ソフトバンクモバイル株式会社 情報システム本部 料金システム統括部 料金システム部 入金システム開発課 吉川英人氏は、こう決定した背景を次のように語ります。

吉川英人氏
料金システム統括部
料金システム部 請求システム課
吉川英人

「このサブシステムは基幹システム再構築プロジェクトの中でも後発案件で、しかもカットオーバー期日は厳守しなければなりませんでした。時間がない中で高いプログラム品質を担保するために、できるかぎり既存資産を再利用しようと考えました。また、今回基幹システムをSOA(Service Oriented Architecture)で構築しており、プログラムをWebサービスとして開発し、SOAP通信することにしていたので、特定の言語にこだわる必要はありませんでした」

 新システムのOSはRedHat Enterprise Linuxで、COBOLプログラムを移行、新規開発する統合開発環境としてMicro Focus Server Expressが採用されています。選定したのは、今回システムインテグレータとしてこのサブシステム開発を担当した、鉄道情報システム株式会社です。同社によると、当時、RedHat Enterprise Linux OS 64ビット実行環境で稼働可能なオープンシステム環境でのCOBOLは、マイクロフォーカス製品しか存在しませんでした。また、先行するサブプロジェクトでも採用されており、そこで準備された既存のハードウェア資産をそのまま活用することができました。

 さらに、この開発プロジェクトでは、前述のようにプログラムのWebサービス化が要件となっていましたが、マイクロフォーカスの提供するInterface Mapping Toolkitというツールにより、実現可能でした。

 加えて開発現場では、自由形式で記述されていたVAX COBOLプログラムがそのまま流用でき、Micro Focus Server ExpressのGUIを最大限活用してプログラミングやデバッグを行えたため、非常に高い開発効率を得ることが可能でした。

 しかも、3ヵ月間のテストプロセスで行われた新旧システムのプログラム・クロスチェックについては、早い段階で一致率100%を達成し、改修作業が発生しない状態でした。そのためテストスタッフは早々にテストを終了し、その時間をシステムの性能チューニングに充てることができました。

新旧システムの比較
新旧システムの比較

●The result

 プログラム本数 約2,000本、COPY句 約4,100本、シェル 約2,300本。新環境へ移行後の入金・滞納・売上管理領域システム規模です。新規・追加で開発された機能も多かったため、VAX COBOL資産が完全に再利用された割合は約30%です。しかし、先行リリースされた一部機能を含め、新システムは一日も遅れることなく本稼働を果たしました。

村中章洋氏
料金システム統括部
料金システム部 請求システム課
課長 村中章洋

 今回、ピーク時には50名を超えるCOBOLエンジニアが開発のため動員されましたが、初めてMicro Focus Server Expressに接するエンジニアも短い教育研修でこのツールに習熟したといいます。結果的に、旧システムに比べると非常に限られた時間の中での大規模開発であったのにも関わらず、納期どおりのサービスインを実現しています。

 ソフトバンクモバイル株式会社 情報システム本部 料金システム統括部 料金システム部 課金システム課 課長 村中章洋氏は、このプロジェクトを振り返って次のように語ります。

「納期厳守は絶対だったので、それを達成できたことに満足しています。また、オンライントランザクション処理性能、バッチ処理性能ともにあらかじめ設定されていたSLA(Service Level Agreement)を満たし、加入者が増加の一途をたどっている中でも想定内の性能を維持し続けています。システムアーキテクチャを抜本的に見直したことによって、新サービスを月単位で続々投入できる体制も整いました」

 このプロジェクトでマイクロフォーカスのCOBOL製品の開発生産性の高さがソフトバンクグループ内で評価され、新たなシステム再構築プロジェクトでも採用されることが決定。情報通信の未来を革新し続ける同グループのシステム競争力強化の陰で、マイクロフォーカス製品が活躍しています。

新システムの概要
新システムの概要

Technical Keyword

ミッションクリティカル・システムのLinux環境へのマイグレーション
COBOLアプリケーションのWebサービス化

ユーザープロフィール

ソフトバンクモバイル株式会社

本社:東京都港区
設立:1986年12月
資本金:1,772億5,100万円 (2011年3月現在)
従業員数:約6,600人 (2011年3月現在)
事業内容: •移動体通信事業およびこれに付随する業務等
•移動体通信にかかわる電気通信用品およびシステムの保守、販売
•電気通信に関するソフトウエアの製作および販売
URL: http://www.softbankmobile.co.jp/
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