株式会社損害保険ジャパン |
|
保険料試算に加えて保険商品のチェック機能もCOBOL資産を部品化 |
Highlights
Business
株式会社損害保険ジャパンの誕生を機に社名変更した株式会社損保ジャパン・システムソリューションは、損害保険の基幹システム開発で培った先端技術をベースに、産業界で幅広く役立つITソリューションを提供している。
Challenge
全社レベルのアプリケーション構築フレームワークを確立。プログラムをフローコントロールロジック、プレゼンテーションロジック、ビジネスロジック、データアクセスロジック、データとレイヤーごとに分類し、システムチャネルごとに新規開発が必要なパート、守るべき資産としてプラットフォームに関わらず再利用するパートを全面的に定義し、COBOL資産再利用のための中核ツールに、Micro Focus Net Expressを選定。
Solution
自動車保険分野の保険料算出機能、保険商品の妥当性チェック機能の部品化を実現。さまざまなプラットフォームへの展開における生産性およびプログラム品質が著しく向上した。それとともにCOBOL技術者の能力活用、開発担当者の業務負荷軽減にも貢献。
Results
膨大なプロジェクトになりがちな新規システム展開の開発期間を大幅に軽減し、ビジネススピードがさらに増している。今後も共通システム基盤部分を優先的にCOBOL 資産の部品化を進めていく予定。
2002年7月、安田火災と日産火災が経営統合を果たして誕生した株式会社損害保険ジャパン。株式会社損保ジャパン・システムソリューションは、その情報システム開発担当グループ企業です。経営統合を機にシステム開発においても全社レベルのアプリケーション構築フレームワークを確立。その中で、ホスト上のCOBOLプログラムの部品化がマイクロフォーカス株式会社のMicro Focus Net Express を使って着々と進められており、すでに保険料試算、保険商品の妥当性チェック機能を構築。あらゆるシステムチャネルでの共有が実現しています。
●The company
安田火災海上保険株式会社と日産火災海上保険株式会社が合併して、株式会社損害保険ジャパンが誕生しました。2002年7月のことです。それに伴って、安田火災システム開発株式会社も、株式会社損保ジャパン・システムソリューションへと生まれ変わりました。同社は損害保険の基幹システム開発で培ったノウハウをベースに、産業界で幅広く役立つITソリューションを提供しています。
名前が変わっても、顧客第一主義、人間尊重の精神、そして社会の変化に即応するスピードがカンパニー・フィロソフィーであることには変わりありません。その象徴ともいえるのが、損保ジャパンの主力商品である「ニーズ細分型自動車保険『ONE』」のe-ビジネス展開です。国内損保大手としては初めてのインターネット上での「ONE」の保険料試算サービスは、今やインターネットポータルサイトや携帯電話、コンビニエンスストアに設置されているキオスク端末などで
幅広く展開されており、情報を求める人には誰でも簡単にオーダーメイドの保険設計がシミュレーションできる便利さを提供しています。
●The challenge
同社は、全社レベルのアプリケーション構築フレームワークを確立しました。それが下図です。プログラムをフローコントロールロジック、プレゼンテーションロジック、ビジネスロジック、データアクセスロジック、データとレイヤーごとに分類し、システムチャネルごとに新規開発が必要なパート、守るべき資産としてプラットフォームに関わらず再利用するパートを全面的に定義したのです。
なかでも重要と位置付けられたのがビジネスロジック部分で、これまでホスト上で活用されてきた検証済みのCOBOLプログラムを、新しいプラットフォームで展開する際に極力採用することが決定されました。そして、ここでその再利用のためのツールとして選定されたのが、インターネット・アプリケーション開発機能を持ったCOBOL統合開発環境Micro Focus Net Expressでした。それと同時に、COBOLプログラムのCOM化そのものも、新技術開発部隊での取り組みからホストの基幹システムを開発・運用する部隊で作業する体制となりました。COBOLプログラムのCOM化は、同社のシステム開発における基本業務に昇格したわけです。
●The solution
![]() |
![]() |
![]() |
損保ジャパンにおけるCOBOL資産のe-ビジネス展開は、前述のようにインターネット上での保険料試算サービスからスタートしました。そして次に実現したのが、同じく自動車保険をネット上で締結する際の商品の妥当性チェックプログラムのCOM化です。保険商品にはさまざまな条件が存在します。たとえば、“a特約はb特約とは同時に付帯することはできない”“c特約は2002年12月以降のみ付帯することができる”などなど。従来はこうしたチェックプログラムを、新しいプラットフォームに展開するたびに作り直していました。それを、総数にして約7,000に上るというCOBOLソースのチェックプログラムを部品化することにより、商品に合わせて、あるいはプラットフォームに合わせて部品群としてグループ化し、実装できるようにしています。Net Expressの利用によって、ホスト上ですでに検証されたCOBOLシステムが活用できるメリットを、株式会社損保ジャパン・システムソリューション 保険システム事業部 自動車グループ 主任システムズ・エンジニア 北岸享氏は次のように語ります。
「これまでだったら、チェックプログラムの開発・テストに2〜3ヶ月、それを各種代理店システム、コールセンター、すでに10以上に上るe-ビジネス系のシステムなどに展開するたびに2〜3ヶ月の期間がかかっていました。システムの数だけ工数を要していたんです。それが今では部品化してあることによって、どんなプラットフォーム上でも再利用可能。この開発およびテスト期間の短縮には大きなものがあります。ホストでの経験が長いCOBOL技術者でも、Net Expressに習熟すればe-ビジネス系システムの開発も恐れずに着手できるというのも魅力ですね。」株式会社損保ジャパン・システムソリューション 保険システム事業部 自動車グループ グループリーダー 山田一彦氏も、北岸氏の言葉を補足します。
「当グループは1990年代後半から、COBOLプログラムの資産化を積極的に進めてきました。1999年「ONE」、2000年「TEN」、2001年保険規定の大改定、2002年経営統合と、新商品の投入や大きなビジネス変化を矢継ぎ早に経験してきましたが、このCOBOL資産を再利用という仕組みがなかったら、迅速な対応は無理だったことでしょう。」
一方、代理店システム事業部は、保険システム事業部が部品化したCOBOLプログラムを活用する立場にあり、Webベースの新代理店システム「SOMPOJ-NET」にも、この技術が活用されています。具体的な機能としては、保険設計機能、ダイレクト計上機能に、Net Expressで部品化されたCOBOL資産が実装されています。たとえば保険設計機能は、自動車保険見積りサイトから上がってきた見積り依頼データや満期データなどから保険設計を行い、その後妥当性チェックや保険料計算を行って、見積書や契約申し込み書などの書類として出力し、計上まで行うというものです。株式会社損保ジャパン・システムソリューション 代理店システムグループ 主任システムズ・エンジニア 河村亮太氏の担当した業務は、Net Expressであらかじめ部品化されたCOBOLプログラムをライブラリとして登録してCOM化すること。中身がCOBOLであることはまったく意識しないとのことです。
「これまでの代理店システムはクライアント/サーバ・システムで、ホストとの通信も結構生じていたんですが、Webベースの新システムではすべてのやりとりをPCサーバ上で完結できる上に常に最新バージョンのシステムを代理店に提供でき、迅速な対応が可能になりました。我々自身、最新のチェックプログラムが部品として提供されるので、月例のメンテナンスが容易になり助かっています。」
●The result
Net Expressは、既存のメインフレーム上のCOBOL資産を活かし、メインフレームでの保険の計算ロジックや妥当チェックプログラムがそのまま新しいプラットフォームに移行できるため、短期間での新システム開発を可能にしました。膨大なプロジェクトになりがちなシステム開発を2〜3ヶ月という単位で次々と完了させています。今後も、ホスト上のCOBOL資産は共通システム基盤を最優先に部品化を進めていく予定とのことです。

後列左より山田一彦氏、佐藤裕司氏
前列左より北岸享氏、河村亮太氏
Technical Keyword
COBOLをCOMコンポーネントとしてWebサーバに実装
ホスト上ビジネスロジックの部品化・再利用によるTCO削減
ユーザープロフィール
株式会社損害保険ジャパン
本社:東京都新宿区
創業:1888年10月
資本金:700億円
正味収入保険料:11,934億円*
従業員数:15,470人(2002年7月1日現在)
事業内容:損害保険業
URL:http://www.sompo-japan.co.jp/
*2002年3月末、2社(旧安田火災、旧日産火災)合算値
ユーザープロフィール
株式会社損保ジャパン・システムソリューション
本社:東京都立川市
設立:1984年4月
資本金:3,000万円
売上高:67億円600万円(2002年3月期)
従業員数:342人(2002年7月現在)
事業内容:システムインテグレーションサービス、コンピュータおよび関連機器の販売・導入
URL:http://www.sompo-japan-sys.co.jp/





