住友信託銀行株式会社

住友信託銀行株式会社:会社ロゴ

メインフレーム上の年金数理システムの複雑な計算プログラムをオープン化し、
高品質、高性能、高い柔軟性を持ったシステムを構築
計算精度の高い互換性と実行性能によりMicro Focus Net Expressを採用

Highlights

Business

住友信託銀行は、資産形成から不動産・相続まで、お客さまの豊かな暮らしを応援している。企業年金サービスについては、お客様のニーズを満たす様々な制度設計について、経験豊富な年金数理業務スタッフと最新の数理計算システムによって、お客様の年金制度の安定的な財政運営をサポートしている。

Challenge

お客様へのサービス向上を目指し、2003年に構築されたメインフレーム上の「確定給付企業年金システム」のCOBOLプログラムをマイグレーション、これを共通プラットフォームとして制度固有機能を付加する方式で、年金数理システムの再構築を行うことを決定した。

Solution

2006年2月に要件定義に着手、移行ターゲット環境は分散サーバのWindows Server 2003を想定して、COBOL製品選定作業を開始。ほとんどのプログラムでコンパイルエラーとなる製品、実行性能で3倍の差が出る製品など多くの違いが報告される中、10万件のデータを使った計算精度の評価を含めて住友信託銀行の要求に応えることのできる製品が、Micro Focus Net Expressであった。

Results

当初の計画通り、2006年2月から2008年1月までの2年で再構築を完了し、カットオーバー後は安定稼働。シミュレーション精度を上げながら、従来よりも処理性能を向上、高品質、高性能、高い柔軟性を持った業界最新鋭のシステムにより、お客様の要望に応じて、制度移行シミュレーションをグラフで表示するなどお客様が社内で説明しやすい報告ができるようになった。

資産形成から不動産・相続まで、お客さまの豊かな暮らしを応援している住友信託銀行。企業年金サービスについては、お客様のニーズを満たす様々な制度設計について、経験豊富な年金数理業務スタッフと最新の数理計算システムによって、お客様の年金制度の安定的な財政運営をサポートしています。
同社では、お客様へのサービス向上を目指し、メインフレーム上の高い計算精度のプログラムを有効活用したシステムの再構築を決定しました。マイグレーションに際し、計算精度の高い互換性と実行性能によりMicro Focus Net Expressを採用。そして当初の計画通り、2006年2月から2008年1月までの2年で再構築を完了しました。カットオーバー後も安定稼動しており、シミュレーション精度を上げながら、従来よりも処理性能は向上。この高品質、高性能、高い柔軟性を持った業界最新鋭のシステムにより、これまで以上に充実したサービスをお客様へ提供することが可能となりました。

●The company

 住友信託銀行は、資産形成から不動産・相続まで、お客さまの豊かな暮らしを応援しています。資産形成では、新型定期預金「グッドセレクト」などの貯蓄商品をはじめ、投資信託や個人年金保険、融資では、住宅ローンや目的別無担保ローン(教育、介護、リフォームなど)、賃貸住宅建築用のアパートローンなどが利用できます。ほかにも、遺言信託や不動産仲介など、経験豊富な財務コンサルタントによる、信託銀行ならではの充実したコンサルティングを受けることができます。

 また、企業年金サービスについては、お客様のニーズを満たす様々な制度設計について、経験豊富な年金数理業務スタッフと最新の数理計算システムによって、お客様の年金制度の安定的な財政運営をサポートします。

●The challenge

 住友信託銀行の年金数理システムは、1998年に構築された「厚生年金基金」、「適格退職年金」の制度別機能に加え、2003年に個人単位の計算が可能な「確定給付企業年金(以下DB)」機能を追加し、各担当者が画面でパラメーターを入力すれば結果が出力される使い易いシステムとして10年に亘って利用されてきました。

 住友信託銀行が受託する約700社の「適格退職年金」の制度移行が現在本格化していること、厚生年金基金の代行返上の進展に伴い、業務の主軸はDB制度に移ってきたことから、制度別システムから一体化の必要性を感じ始めました。

 このような状況の中、お客様へのサービス向上を目指し、2003年に構築されたメインフレーム上の「確定給付企業年金システム」のCOBOLプログラムをマイグレーション、これを共通プラットフォームとして制度固有機能を付加する方式で、年金数理システムの再構築を行うことを決定しました。

 この決定理由を住友信託銀行株式会社 年金信託部 主任調査役 鐙家雅史氏は次のように語ります。「年金数理計算には高度なノウハウが必要であり、この業務に精通したエンジニアは限定されています。また新規システム構築では計算精度の品質リスクが高いものとなります。今回の再構築では既存の優良資産である計算エンジンを活用することで、実証された計算精度、安定した実行性能等での品質リスクの低減が見込まれました。これがマイグレーション採用の大きなポイントとなりました。また現行担当者による開発・保守の容易さも生産性の観点から有効でした。」

年金数理システム構築の狙い
年金数理システム構築の狙い

●The solution

 2006年2月に要件定義に着手、移行ターゲット環境は分散サーバのWindows Server 2003を想定して、COBOL製品選定作業を開始しました。COBOLは世界の標準規格で決まった言語であり、メインフレーム上の現行COBOLプログラムはどのCOBOL製品を使っても大差なく再利用できるというイメージでしたが、評価の結果は大きく異なりました。

 ほとんどのプログラムでコンパイルエラーとなる製品、実行性能で3倍の差が出る製品など多くの違いが報告されました。10万件のデータを使った計算精度の評価を含めて住友信託銀行の要求に応えることのできる製品は、Micro Focus Net Expressだけでした。

 評価の結果について、住友信託銀行株式会社 年金信託部 調査役 村上雄一郎氏は次のように語ります。

「数理業務では、要件として10万人を対象とした50年に亘るシミュレーションを行う必要があり、これはメインフレームでも、1998年のリリース当初は数時間以上かかる負荷の高い処理でした。処理性能向上に非常に苦労した経験から、オープン化においては、メインフレームでの処理性能維持が必須要件となります。また、複雑かつ膨大な数理計算の過程において大量の端数処理があるため、計算結果に相違が生じやすいのですが、過去との連続性において計算結果が一致する(許容される誤差は1/10000程度)ことが重要な要件でもありました。」

 プログラムの移行、追加開発、テストデバッグ作業を担当した住信情報サービス株式会社 開発第二部 マネージャー 石井一武氏と上級SE 石川謙一氏は、Micro Focus Net Expressについて次のように語ります。

「初めてオープン環境で開発を行うメインフレーム技術者であっても開発手順書に従い1、2週間で開発ができるようになりました。従来メインフレーム開発ではテスト時にDISPLAY命令を埋め込んで確認していた作業がデバッガ上でデータ項目をクリックするだけで確認ができるようになり、作業効率も大きく向上しました。また、開発ツールとして安定し100万ステップを超える開発作業において大きな障害もなく、計画通りの予算、スケジュールで開発でき、結果として高品質なシステム構築ができました。」

計算エンジンへのCOBOL利用のメリット
計算エンジンへのCOBOL利用のメリット

●The result

 新年金数理システムでは、国の年金(代行部分)と企業年金を分けて計算し、さらに企業年金については、複数制度を効率良く処理できるようにしました。処理の軸を確定給付企業年金に置き、厚生年金や適格年金からの移行にも迅速に対応できます。特に代行部分は今後の法改正に柔軟に対応できるように構築する業界初の仕組みです。

 システム開発は当初の計画通り、2006年2月から2008年1月までの2年で完了し、カットオーバー後、安定稼働しています。処理性能については当初簡単には目標を達成できないと予想していましたが、最終的には従来よりも全般にわたり向上できました。

 結果として、実績のある計算エンジンを最新のオープン環境に実装することにより、高品質、高性能、高い柔軟性を持った業界最新鋭のシステムが構築できたと言えます。サービスの面では、従来の制度別専任体制からお客様の要望に応じて担当者が新しい年金数理システムを使い、制度移行シミュレーションをグラフで表示するなどお客様が社内で説明しやすい報告ができるようになり充実しました。

 今後は、今回手にした高品質、高性能な計算エンジンをフル64ビットOS、.NETなどの新しい環境や他の業務システムにおいても活用し、国際会計基準に基づく個人ごとのシミュレーションなどお客様へのサービス向上につながるシステム開発を進めて行きます。

Technical Keyword

メインフレームからWindowsへのマイグレーション
複雑な年金数理計算の高い互換性を実現

ユーザープロフィール

住友信託銀行株式会社

本社:大阪市中央区
設立:1925年7月
資本金:2,875億円(2007年9月末)
総資金量:44兆6,808億円(2007年9月末)
総資産:21兆3,540億円(2007年9月末)
貸出金:11兆4,552億円 (元本補てん契約のある信託勘定含む) (2007年9月末)
従業員数:5,702名(2007年9月末)
事業内容:銀行業
URL: http://www.sumitomotrust.co.jp/

-----