帝人株式会社 |
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メインフレーム上に残った共通業務システムをオープン化 |
Highlights
Business
1918年、日本初のレーヨンメーカーとして発足した帝人株式会社。その後、合成繊維メーカーへと転換を図り、現在では、ポリエステル繊維、高機能繊維、フィルム、樹脂、医薬医療、流通・製品、IT事業などに業容を拡大。今や世界を舞台にビジネスを展開するグローバル企業帝人グループへと発展している。
Challenge
1998年ごろから、事業グループが独自にオープン環境で基幹業務システムを構築する動きが進み、全社共通プラットフォームとして利用してきたメインフレーム上のソフトウェア資産が減少。このままでは残る事業グループでの維持管理コスト負担が重くなることから脱ホストを決断する。
Solution
対象となった共通業務システムは、バッチ処理プログラムが大半で、信頼性も高いことから、そのままリホスティングすることを決断。マイクロフォーカスのソリューションプロバイダである東京システムハウスをマイグレーションパートナーに選び、東京システムハウスの移行サービス(メインフレーム・マイグレーション・サービス)とMicro Focus Server Expressを利用して新システムを構築。
Results
新システムは2008年7月に本番移行を果たした。穏やかすぎるぐらい順調かつ安定的に稼働し、しかもバッチ処理プログラムの処理速度は、旧環境と比べ大幅に向上。
1918年、日本初のレーヨンメーカーとして発足した帝人株式会社。現在では、ポリエステル繊維、高機能繊維、フィルム、樹脂、医薬医療、流通・製品、IT事業などに業容を拡大。今や世界を舞台にビジネスを展開するグローバル企業帝人グループへと発展しています
帝人では、1998年ごろから、事業グループが独自にオープン環境で基幹業務システムを構築する動きが進み、残った共通業務システムもオープン化することになりました。システムの大半はバッチ処理プログラムで信頼性も高いことから、リホスティングを決断。帝人グループのIT事業を担うインフォコム株式会社は、マイグレーションパートナーとして東京システムハウス株式会社を選び、東京システムハウスの移行サービス(メインフレーム・マイグレーション・サービス)とMicro Focus Server Expressで新システム構築を行いました。
2008年7月に本番移行を果たした新システムは、穏やかすぎるぐらい順調に安定稼働。バッチ処理速度も数十倍から最大で200倍と大幅に向上しています。
●The company
「だけじゃない、テイジン。」フランス人少女がにこやかに語るコマーシャル・メッセージが強く心に残ります。帝人グループは、1918年、日本初のレーヨンメーカーとして発足しました。その後、合成繊維メーカーへと転換を図り、現在では、ポリエステル繊維、高機能繊維、フィルム、樹脂、医薬医療、流通・製品、IT事業などに業容を拡大。今や世界を舞台にビジネスを展開するグローバル企業へと発展しています。2008年で創立90周年。ブランドステートメント“Human Chemistry, Human Solutions”のもと、同グループは「人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、社会と顧客が期待している解決策を提供することで本当の価値を実現することに挑戦し続けること」を約束しつつ、人間への深い理解と、豊かな創造力で、クオリティ・オブ・ライフの向上に努めています。
●The challenge
同グループの中核企業である帝人株式会社では、数十年来基幹業務システムの全社共通プラットフォームとしてメインフレームを利用してきました。しかし、事業部ごとに業務の特性も異なってきたことから、1998年ごろから徐々に、事業グループが独自にオープン環境で基幹業務システムを構築する動きが進んでいました。まずは繊維事業グループ、続いて医薬医療事業グループ、さらにフィルム事業グループの独立も決定しました。
2006年、3年後に控えるメインフレームの契約更新を視野に入れて、同社はメインフレーム上のいくつかの事業グループの基幹システムと全事業グループの共通業務システムの方向性について検討を開始しました。このままメインフレームを存続させるか。それとも今あるソフトウェア資産もオープン化するか。議論の主たるテーマはコストでした。同社では、各事業グループがメインフレームの維持管理コストを分担していました。メインフレームを存続させるとなると、それを利用する残りの事業グループの負担額が一気に上昇してしまいます。どの事業グループも“それでは荷が重すぎる”と判断したことから、脱ホストが決定されました。
●The solution
各基幹業務システムについては、繊維や医薬医療事業グループなどと同様に、それぞれの事業グループが独自構築することになりました。帝人株式会社としてオープン化に取り組んだのは、全事業グループで共通利用する共通業務システムです。それらは大きく3種ありました。
まず、債券債務を管理する経理システム。そして、多種多様な請求書出力システム。さらに、事業グループの基幹業務システムとのデータ接続で生じるデータ交換システムです。
今回のプロジェクトは、帝人グループのIT事業を一手に担うインフォコム株式会社が指揮を執りました。同社は共通業務システムのオープン化にあたって、2つ選択肢を挙げたといいます。Javaですべて開発し直すか、プログラムをそのままオープン環境へ移植するか。対象となった機能はほとんどバッチ処理プログラムから構成されており、エンドユーザーの目に触れるものではありません。また何十年もの利用で完成度を高めてきた信頼あるソフトウェア資産でもありました。Javaで再構築すれば開発工数もコストもかかります。今回は、投資を抑えながら現状機能をオープン化することが可能な「リホスティング」の手法を取ることに決定しました。

インフォコム株式会社
エンタープライズ事業本部
TGシステム部
基幹システムグループ
課長 大西一平氏
帝人およびインフォコムは複数のリホスティング提案を検討した結果、マイクロフォーカスのソリューションプロバイダである東京システムハウス株式会社のプランを採用します。その理由を、インフォコム株式会社 エンタープライズ事業本部 TGシステム部 基幹システムグループ 課長 大西一平氏は以下のように語ります。「まずは、多くの企業でリホスティングを行ってきた実績を評価しました。また、最もコストを抑えた提案をしてくれたSIerでもあります。何より、メインフレーム・マイグレーション・サービス(以下、MMS)という確立された構築サービス体系を有し、AJTOOLという移行支援ツールなども豊富に揃っていました。移行対象資産にはアセンブラやMarkⅣという簡易言語で作ったプログラムもあったのですが、これならシンプルかつスムーズにプロジェクトを進められるという期待が持てました」
インフォコムはCOBOL開発環境としてMicro Focus Server Expressを採用、メインフレーム上の共通業務システムをオープン化するプロジェクトに本格着手しました。2007年12月のことです。
●The result
新システムは2008年7月に本番移行を果たしました。大西氏によると“穏やかすぎるぐらい”順調かつ安定的に稼働しているとのことで、しかもバッチ処理プログラムの処理速度は、旧環境と単純に比較できないまでも数十倍から最大で200倍と大幅に向上しました。インフォコム株式会社 エンタープライズ事業本部の本プロジェクトメンバーの方々に開発およびプロセスを振り返っていただきました。
基幹システムグループ システム開発担当 得能大輔氏は、こう語ります。「今回、一部のプログラムでEBCDICコードの符号付き外部10進データを取り扱う必要があったのですが、Micro Focus Server Expressのメインフレーム互換機能を利用することで、これをすんなり実現させることができました」
基幹システムグループ システム開発担当 竹間裕二氏は、サーバ環境構築を担当。「当社には『OpenBost』という複雑なアウトプットデータの仕分け作業を自動処理可能な帳票仕分けシステムがあり、新システムでもこれを利用しました。実行環境であるMicro Focus Server for COBOLとの相性がよくてありがたかったですね」
基幹システムグループ 主任 森脇義則氏は、DBアクセスなど外部インターフェイスを担当しました。「エンドユーザーが確認するインタフェースをJavaで機能拡張したのですが、JavaとCOBOLをうまく連携させるノウハウを確立することができました」
テスト工程を担当したのは、基幹システムグループ システム開発担当 中川睦子氏です。「メインフレームCOBOLからMicro Focus COBOLへの移行はほとんど問題なく、テスト工程では結果が同じであることを確認するような感じでした」
今回のプロジェクトで最も移行対象資産に精通していた基幹システムグループ 主任 石丸孝子氏も、こう語ります。「実は、MarkⅣプログラムをCOBOLに置き換えるのは無理ではないかと思っていました。それが東京システムハウスのおかげで実現できたことに感動しています」
今後は、各事業グループが開発した新しい基幹業務システムとこの新しい共有ユーティリティ機能システムの連携を実現させるプロジェクトもスタート。事業環境の変化に柔軟に対応し、有機的に連携できる全社情報システムがもうまもなく完成します。

Technical Keyword
メインフレームからLinux環境へのマイグレーション
簡易言語(MarkⅣ)で記述されたアプリケーションのコンバージョン
ユーザープロフィール
帝人株式会社
本社:大阪市中央区(大阪本社)
東京都千代田区(東京本社)
創立:1918年6月
資本金:708億1,500万円
売上高:1兆366億円(2008年3月期)
従業員数:19,125名(2008年3月末)
事業内容:ポリエステル繊維、高機能繊維、フィルム、樹脂、医薬医療、流通・製品、IT事業など
URL:http://www.teijin.co.jp/
ユーザープロフィール
インフォコム株式会社
本社:東京都渋谷区
設立:1983年2月
資本金:15億9,000万円
売上高:314億7,000万円(2008年3月期)
従業員数:643名(2008年3月末)
事業内容:情報システムの企画・開発・コンサルテーション等各種ITソリューションの提供など
URL:http://www.infocom.co.jp/


