ファイル変換ユーティリティ

ここでは、メインフレームと PC 間でのファイルの移動に役立つ Visual COBOL の次のユーティリティについて説明します。

ファイル変換ユーティリティ 用途
DFCONV ダウンロードしたデータファイルを、PC で必要な形式に変換します。
VRECGEN メインフレームファイルを、メインフレームから PC にダウンロードするために必要な形式に変換します。
VRECGEN2 PC からアップロードされたファイルをメインフレームで必要な形式に変換します。

DFCONV バッチファイルの変換

DFCONV ユーティリティは、データファイルコンバータとも呼ばれ、データファイルを変換します。 このユーティリティは、ファイル形式、編成、データ形式の変換、およびデータファイル変換プロファイルを使用した索引ファイルの再編成を実行するためのバッチおよび呼び出しプログラムインターフェイスを提供します。

データファイルコンバータでは、次の処理を実行できます。

注:

  • テキスト以外のデータ項目 (COMPUTATIONAL データと数値データ) を持つレコード上で文字集合を変換するには、レコードレイアウトファイルが作成済みであることが前提になります。レコードレイアウトファイルの作成方法の詳細については、『入門書』の『データファイルの作成と維持』の章にある『レコードレイアウトファイルの作成』の項を参照してください。
  • データファイルコンバータの GUI バージョンも利用できます。詳細については、『データファイルの変換』の章を参照してください。

操作

以後の項では、データファイルコンバータの 2 つの操作について説明します。

コマンド行バッチインターフェイス

コマンド行は、次のとおりです。

run dfconv profile-fname [input-fname] [output-fname]

パラメータの内容は、次のとおりです。

profile-fname 実行する必要のある作業の詳細を含むプロファイルファイルの名前 (『プロファイルファイルでのファイル変換の定義』の項を参照)
input-fname 入力ファイルの名前 (オプション)
output-fname 出力ファイルの名前 (オプション)

入力ファイル名と出力ファイル名はプロファイルファイルから抽出できるため省略できます。 プロファイルファイルのみではなく、コマンド行でもファイル名を指定した場合は、コマンド行で指定した名前が優先されます。

変換中にエラーが発生した場合は、変換後にオペレーティングシステムのエラーレベル (ERRORLEVEL) は 0 以外に設定されます。 バッチファイルから変換を実行している場合は、このエラーレベルを調べ、変換後に実行するアクションを決めることができます。

呼び出しバッチインターフェイス

変換のプロファイルが存在する場合は、変換を行うために、次のインターフェースを使用してデータファイルコンバータを呼び出せます。

call dfconv using dfconv-params
        

この場合の dfconv-params は、次のように定義します。

 01 dfconv-params.
     03 profile-filename    PIC X(65).
     03 input-filename      PIC X(65).
     03 output-filename     PIC X(65).

パラメータの内容は、次のとおりです。

profile-filename データファイル変換の詳細を含むプロファイルファイルの名前 (『プロファイルファイルでのファイル変換の定義』の項を参照)
input-filename 入力ファイルの名前
output-filename 出力ファイルの名前

パラメータフィールドのみではなく、プロファイルファイルでファイル名を指定した場合は、パラメータフィールドで指定した名前が優先されます。

エラーが発生した場合は、データファイルコンバータから戻ったときに、RETURN-CODE にゼロ以外が設定されます。このエラー番号は、profile-filename フィールドに返されます。

データファイルコンバータの使用

以後の項では、データファイルコンバータを使用して、データファイルを変換し、ファイル索引をリビルドする方法について説明します。

ファイル形式とデータ変換

ファイルをある形式から別の形式へ変換すると、データをある形式から別の形式へ再構築できます。 たとえば、ファイル順編成から索引編成へ変換できます。 また、アプリケーションの変更の必要性に応じて、二次索引を追加することもできます。 データファイルコンバータを使用する場合は、作成済みのデータを再作成したり、特別な変換プログラムを作成する必要はありません。

多くのファイル転送パッケージではある形式から別の形式へファイルを変換しても、ファイル全体が別のデータ形式に変換されるのみです。 一般的な COBOL データファイルとデータベースレコードは、さまざまなテキストとバイナリデータで構成される複雑なレコード構造になっており、それらも変換する必要があります。 データファイルコンバータの GUI バージョンでは、レコードレイアウトの記述を使用してデータを簡単に変換できます。レコードレイアウトファイルの作成方法の詳細については、『データファイルの操作』の『データ・ファイル・ツールの使用』の章にある『レコード・レイアウトの操作』の項を参照してください。

データファイルコンバータでは、内部浮動小数点形式を、IEEE 形式と S/370 形式間で変換できます。

EBCDIC と ANSI 間の変換

メインフレームのファイルは、PC に転送するときにバイナリ形式にする必要があります。最初に、このファイルが可変長の索引ファイルである場合は、メインフレームプログラム VRECGEN を使用して、メインフレームでそのファイルの初期再フォーマットを実行してください。 再フォーマット後に、データファイルコンバータで、そのファイルをダウンロードして処理できます。

メインフレームから PC 印刷ファイルへの変換

メインフレームのレポート形式ファイルは、メインフレームから PC へダウンロードされたファイル、または、アプリケーションで作成され PC にダウンロードされ PC で実行されるファイルのどちらかです。

メインフレームレポート形式には、データファイルコンバータによって PC で印刷可能な形式に変換されるキャリッジ制御文字が含まれます。 メインフレームレポートファイルを定義する場合は、レコード長にキャリッジ制御文字を含め、レコードは固定長にする必要があります。 PC 印刷ファイルでは、レコード長はデータ長のみになります。

PC 印刷形式ファイルは、1 行あたり 132 文字の印刷が可能な標準の ANSI プリンタで印刷できます。 1 行あたり 80 文字しか印刷できない ANSI プリンタを使用する場合は、ファイルを圧縮モードで印刷する必要があります。

ダウンロードされたメインフレームアプリケーションを使用して PC で作成された入力ファイルをメインフレームレポート形式ファイルとして指定した場合には、エラーメッセージ 139(「入力ファイルは、"本物の" メインフレームレポート形式ではありません。」) が表示されます。 このエラーは、プリンタ出力をメインフレームレポート形式ではなく、PC 形式で作成すると発生する場合があります。 プログラムのコンパイルと実行を制御するために使用する指令をチェックしてください。

データファイルコンバータでは、メインフレームレポートファイルと PC 印刷ファイル間の変換を特別にサポートします。 これらの形式と他の形式間の変換はサポートされません。

索引ファイルの再編成

レコードを追加、削除および変更して索引ファイルを更新すると、索引構造体とデータ構造体は切り離され、処理効率が悪くなります。 さらに、削除されたレコードに残された領域は常に再使用されるわけではないので、ファイルが必要以上に大きくなってしまいます。 多数の変更を行った後は、索引ファイルを再編成することをお奨めします。 入力ファイルと出力ファイルの設定を一致させるために、データと索引を順番にリビルドして、空き領域を再利用し、ファイルのパフォーマンスとデータの完全性を最適化できます。

プロファイルファイルでのファイル変換の定義

ここでは、プロファイルファイルでファイルの変換、またはファイルをある編成から別の編成へ再構築するために必要なエントリについて説明します。 たとえば、次のどれか 1 つを実行しなければならないとします。

DFS Profile File Version  V09.B01.07

Batch-Process: Convert-file
                   ***************************************************
                   *           (Twin)                  (Single)      *
                   * オプション: Convert-File          Rebuild-index *
                   *           Rebuild-index-and-data  None          *
                   ***************************************************
Strt-file:              drive:\path\filename.STR
Edit-Mode:     Quick
                   * オプション: Quick/Full                          *
--------------------------------------------------------------------------------
Input-File     drive:\path\inputfile.dat
   Format:         Micro-Focus
                       * オプション: Micro-Focus       IDXFORMAT(4)  *
                       *             Btrieve           C-ISAM        *
                       *             LEVEL-II          ESDS          *
   Organization:   VRECGEN
                       * オプション: Sequential   Line-Sequential     *
                       *             Indexed   Mainframe-Report-ANSI *
                       *             Relative  Mainframe-Report-mach *
                       *             VRECGEN     PC-Print            *
   Record-Format:  Variable
                       * オプション: Fixed/Variable                  *
   Character-Set:  EBCDIC
                       * オプション: ASCII/EBCDIC                    *
   Floating-Point: 370
                       * オプション: IEEE/370                        *
   Compression:    Off
                       * オプション: On/Off                          *
   Min-Rec-Length: 352
   Max-Rec-Length: 633
--------------------------------------------------------------------------------

Output-File    drive:\path\outputfile.dat
   Format:         Micro-Focus
   Organization:   Indexed
                       * オプション: Sequential  Line-Sequential     *
                       *             Indexed   Mainframe-Report-ANSI *
                       *             Relative    PC-Print            *
                       *             VRECGEN2                        *
   Record-Format:  Variable
   Character-Set:  EBCDIC
   Floating-Point: 370
   Compression:    Off
   Min-Rec-Length: 352
   Max-Rec-Length: 633
                       * キー設定                                    *
                       *       d= 重複を許可                         *
                       *       s= スパース文字集合                   *
                       *       圧縮                                  *
                       *           cd= 重複                          *
                       *           cl= 先頭余白                      *
                       *           ct= 後部余白                      *
   Prime-key :   1:1, 2:6

   Alt-Key  1:   8:1
                 d,cl
   Alt-Key  2:   9:1
                 d,cd,ct
   Alt-Key  3:   10:5

このファイル内の最初のレコードは、プロファイルファイルの形式を示しています。 DFCONV で使用されるプロファイルは、以前の Workbench で使用されているものと同じ形式です。

変換操作の指定

実行する操作は、Batch-Process オプションのパラメータとして選択します。

Batch-Process 定義されたファイルで実行される操作。

Convert-file Rebuild-index Rebuild-index-and-data

Input-File はすべての操作に対して定義され、Output-File は Convert-file および Rebuild-index-and-data で定義されます。 Rebuild-index 操作では入力データファイルのファイル索引を再作成するため、Output-File の記述は不要です。

Strt-file 入力ファイルのレコードレイアウト記述を含むファイル。

No-structure location\filename.str

データファイルを EBCDIC と ANSI 間で変換するときに、レコードにテキスト以外のデータ項目が含まれる場合は、変換が必要なデータ項目と変換しない項目 (バイナリ値など) とを定義するためにレコードレイアウトの記述が必要です。 レコードレイアウトは、レコードレイアウトエディタで作成し、.str ファイル拡張子の付いたファイルに保存します。レコードレイアウトファイルの作成方法の詳細については、『データファイルの操作』の『Data Files Tools ユーティリティ』の章にある『レコード・レイアウトの操作』の項を参照してください。

Edit-Mode このプロファイルをデータファイルエディタで読み取る場合の編集モード。

Quick Full

このパラメータは DFCONV では使用されません。

入力ファイルパラメータの指定

最初に、入力ファイルを選択します。

Input-File 定義された操作に対する入力ファイル名。

次に、パラメータを使用して入力ファイルの説明を記述します。

パラメータ 説明 
Format 入力ファイルのファイル形式。
  • Micro Focus
  • ESDS
  • Btrieve
  • IDXFORMAT(4)
  • C-ISAM
  • LEVEL-II

デフォルトの形式は Micro Focus です。これは通常ホストからダウンロードされ PC で再作成されるファイルに使用されます。 選択したファイルがメインフレームの VSAM エントリ順データセットのエミュレーションである場合は、ESDS を選択して、PC に VSAM ESDS のエミュレーションを提供します。

Organization 入力ファイルのファイル編成。
  • 行順
  • 順編成
  • 索引順編成
  • 相対編成
  • VRECGEN
  • ANSI メインフレームレポート (ANSI キャッリッジ制御文字を含むメインフレームレポート)
  • マシンメインフレームレポート (マシンコード制御文字を含むメインフレームレポート)
  • PC 印刷

Record-Format 入力ファイルのレコード形式。
  • 固定
  • 可変

注:可変長メインフレームレポートファイルはサポートされません。

Character-Set 入力ファイルで使用される文字符号化方式。
  • ASCII
  • EBCDIC

注:Visual COBOL で使用される文字符号化方式は、EBCDIC と ANSI です。ASCII は、以前 Workbench で使用されていますが、このユーティリティでは ANSI を表します。

Floating-Point 入力ファイルで使用される浮動小数点形式のタイプ。
  • IEEE
  • 370
Compression データ圧縮を入力ファイルで使用するかどうかを示します。
  • オン
  • オフ

注:データ圧縮でファイルが作成された場合には On に設定する必要があります。

Min-Rec-Length 入力ファイルの最小レコード長。

ファイルが固定長である場合は、最大レコード長と同じ値に設定する必要があります。

Max-Rec-Length 入力ファイルの最大レコード長。

作成されているファイルが索引ファイルである場合は、次のレコードを使用してキーを定義します。

Prime-key 主キーの開始位置 (カラム) と長さ。

位置:長さ (1:12 など)。位置フィールドと長さフィールドの区切りにコロンを使用します。

プロファイルファイルの 2 つ目のレコードでは、作成されている索引ファイルに必要なキーフラグが設定されます。フラグはコンマで区切ります (d,cd など)。

d 重複レコードキーを許可
s スパース文字 - サポートされない
cd 重複レコードキーの圧縮
cl レコードキーの先頭余白の圧縮
ct レコードキーの後続空白の圧縮
出力ファイルの指定

最初に、出力ファイルを選択します。

Output-File 定義された操作に対する出力ファイル名。

次に、パラメータを使用して出力ファイルの説明を記述します。

パラメータ 説明 
Format 出力ファイルのファイル形式。
  • Micro Focus
  • ESDS
  • Btrieve
  • IDXFORMAT(4)
  • C-ISAM
  • LEVEL-II.

デフォルトの形式は Micro Focus です。これは通常 PC 上で作成されたファイルに使用されます。 ファイルがメインフレームの VSAM エントリ順データセットのエミュレーションである場合は、ESDS を選択して、PC に VSAM ESDS のエミュレーションを提供します。 VSAM KSDS と RRDS の場合は、Micro Focus 形式を選択します。

Organization 出力ファイルのファイル編成。
  • 行順
  • 順編成
  • 索引順編成
  • 相対編成
  • VRECGEN2
  • ANSI メインフレームレポート(ANSI キャリッジ制御文字を含むメインフレームレポート)
  • PC 印刷
Record-Format 出力ファイルのレコード形式。
  • Fixed Variable

注:可変長メインフレームレポートファイルはサポートされません。

Character-Set 出力ファイルで使用される文字符号化方式。
  • ASCII EBCDIC

注:Visual COBOL で使用される文字符号化方式は、EBCDIC と ANSI です。ASCII は、以前 Workbench で使用されていますが、このユーティリティでは ANSI を表します。

Floating-Point 出力ファイルで使用される浮動小数点形式のタイプ。
  • IEEE
  • 370
Compression データ圧縮を出力ファイルで使用するかどうかを示します。
  • オン
  • オフ
Min-Rec-Length 出力ファイルの最小レコード長。

ファイルが固定長である場合は、最大レコード長と同じ値に設定する必要があります。

Max-Rec-Length 出力ファイルの最大レコード長。

作成されているファイルが索引ファイルである場合は、次のレコードを使用してキーを定義します。

Prime-key 主キーの開始位置 (カラム) と長さ。 開始位置 (オフセット) は 1 から開始します。データファイルコンバータの GUI バージョンの「キー情報」ダイアログボックスでは、キーオフセットは 0 から開始します。

位置:長さ (1:12 など)。位置フィールドと長さフィールドの区切りにコロンを使用します。

プロファイルファイルの 2 つ目のレコードでは、作成されている索引ファイルに必要なキーフラグが設定されます。フラグはコンマで区切ります (d,cd など)。

d 重複レコードキーを許可
s スパース文字 - サポートされない
cd 重複レコードキーの圧縮
cl レコードキーの先頭余白の圧縮
ct レコードキーの後続空白の圧縮

副キーは、主キーの後に定義し、最初の副キーには「Alt-Key 1:」というキーワードを使用し、2 つ目の副キーには「Alt-Key 2:」というキーワードを使用します。 主キーでは、副キーを定義しているプロファイルファイル内で 2 つのレコードの形式が定義されます。

副レコードキーは最大 63 個まで定義できます。それぞれのキーについて、レコード内の位置と長さ、および重複値が許可されるかどうかを指定します。 各キーは分割可能で、重複キーを定義できます。

分割キーは、キー定義レコード内で複数の位置と長さの定義を、コンマと空白で区切って指定します (1:12, 20:5 など)。

変換に関する一般情報

入力ファイルと出力ファイルを定義する場合は、次の点に注意する必要があります。

ファイルのリビルド

データファイルからリビルドへのインターフェイスは、破損した索引のリビルドをサポートします。

DFS Profile File Version  V08.U04.01

Batch-Process: Rebuild-index
                   ***************************************************
                   *           (Twin)                  (Single)      *
                   * オプション: Convert-File          Rebuild-index *
                   *           Rebuild-index-and-data  None          *
                   ***************************************************
Strt-file:     No-structure
Edit-Mode:     Quick
                   * オプション: Quick/Full                          *
--------------------------------------------------------------------------------
Input-File     e:\test\testidx.dat
   Format:         Micro-Focus
                       * オプション: Micro-Focus       IDXFORMAT(4)  *
                       *             Btrieve           C-ISAM        *
                       *             LEVEL-II          ESDS          *
   Organization:   Indexed
                       * オプション: Sequential  Line-Sequential     *
                       *             Indexed   Mainframe-Report-ANSI *
                       *             Relative  Mainframe-Report-mach *
                       *             VRECGEN     PC-Print            *
   Record-Format:  Variable
                       * オプション: Fixed/Variable                  *
   Character-Set:  ASCII
                       * オプション: ASCII/EBCDIC                    *
   Floating-Point: IEEE
                       * オプション: IEEE/370                        *
   Compression:    Off
                       * オプション:  On/Off                         *
   Min-Rec-Length: 352
   Max-Rec-Length: 633
                       * キー設定                                    *
                       *       d= 重複を許可                         *
                       *       s= スパース文字集合                   *
                       *       圧縮                                  *
                       *           cd= 重複                          *
                       *           cl= 先頭余白                      *
                       *           ct= 後部余白                      *
   Prime-key :   1:1, 2:6

   Alt-Key  1:   8:1
                 d
   Alt-Key  2:   9:1
                 d

リビルド機能は、索引順ファイルをリビルドする場合にのみ使用できます。 他のファイル形式をリビルドするには、入力ファイルと出力ファイルに同一の設定を使用するファイル変換機能を使用します。

注:上記で説明したプロファイルファイルを使用している場合は、Prime-key フィールドで定義したオフセットは 1 から開始します。ただし、データファイルコンバータの GUI バージョンを使用する場合は、キーのオフセットは「キー情報」ダイアログボックスで 0 から開始します。データファイルコンバータの詳細については、『データファイルの変換』の章を参照してください。

破損した索引ファイルの回復

破損した索引のある索引ファイルは、このオプションを使用して回復できます。 索引が破損するのは、プログラムによって索引ファイルを開いて変更したが、ファイルを閉じていない状態で電源が切断された場合などです。 索引が破損したことを示すフラグがファイル内で検出されると、そのファイルに次にアクセスするときにレポートされます。 データの完全性が回復されるまでは、そのファイルではそれ以上の操作は実行できません。

リビルドでは、回復に必要な索引のみをリビルドします。 索引がすでに存在する場合は、リビルドはそのファイル内の情報を使用して索引を回復しようとします。

一般的なリビルド情報

リビルドを使用する場合は、次の点に注意する必要があります。

データファイルコンバータのエラーメッセージ

エラーメッセージについては、Net Express オンラインヘルプに記載されています。([ヘルプ] メニューの [ヘルプトピック] をクリックします。[目次] タブで、[リファレンス]、[エラーメッセージ]、[データファイルコンバータのメッセージ] をダブルクリックします。)

VRECGEN

VRECGEN は、メインフレームユーティリティです。 VRECGEN を使用して、可変長のメインフレームファイルのコピーを作成します。 作成されたコピーでは、メインフレームから PC へダウンロードするためにデータレコードにレコード長情報を埋め込みます。Micro Focus は、VRECGEN ユーティリティのソースコード (vrecgen.cbl) を提供しています。ただし、使用前にソースコードを変更し、提供されているバージョンの vrecgen.cbl で指定されていないオプションを指定する必要があります。

VRECGEN で作成されるファイルには、各可変長データレコードの前に 2 バイトのレコード長フィールドがあります。 レコード長フィールドには、2 バイトのレコード長フィールドに可変長データレコードの長さを加えた値が含まれます。 多くのファイル転送ソフトウェア (IBM SEND/RECEIVE など) では論理レコードを処理し、各レコードの長さを含む「レコード記述ワード」を削除するため、このフィールドが必要になります。 この情報がない場合は、レコードを区切って、PC 上でデータセットをリビルドすることはできません。

VRECGEN で作成されたファイルは、特別なダウンロード形式で表されます。 このファイルをバイナリ形式で転送するには、標準の転送ユーティリティを使用する必要があります。 このファイルは、データファイルコンバータで処理できます。

注:VRECGEN のソースコード (vrecgen.cbl) は、Micro Focus がモデルとして用意しているもので、最終的なユーティリティというわけではなく、変更しないですべてのサイトのニーズを満たすものではありません。アプリケーションやサイトの要件を満たす特定の値を含めるためには vrecgen.cbl を編集する必要があります。一般的に、vrecgen.cbl を編集するのは、最大レコード長を 32,000 バイトよりも大きくするためです。

VRECGEN のインストール

可変長テストファイルをダウンロードする場合は、まずメインフレーム環境に VRECGEN プログラムをアップロードし、コンパイルする必要があります。 このプログラムは、メインフレームの可変長形式のファイルを変換するためのサンプル COBOL プログラムとして提供されます。

注:各サイトは提供されたソースコードを見直し、可変長ファイルの最大長と最小長を決定する必要があります。 これらの値に MVS 「レコード記述ワード」用の 4 を加えた値を、サンプル FD のレコード記述の OCCURS DEPENDING ON 句で使用する必要があります。

VRECGEN のインストール方法

  1. VRECGEN のソースコードファイルをインストール手順の一環として PC にコピーします。ファイル名は vrecgen.cbl とし、%ProgramFiles(x86)%\Micro Focus\Enterprise Developer\src ディレクトリにコピーします。
  2. Visual COBOL をインストールした後に、ファイル vrecgen.cbl をメインフレームにアップロードし、ANSI から EBCDIC への変換を指定します。 ファイルが 80 バイトのカードイメージ形式の固定長ファイルであることを確認します。
  3. COBOL コンパイラを使用して、メインフレーム上で VRECGEN をコンパイルします。 このプログラムのコンパイル時には、次のオプションを指定します。 一部はコンパイラオプション、一部は実行時オプション、一部はリンク編集オプションです。 使用中の環境およびコンパイラに適用できるもののみを使用します。
    • NOSSRANGE または NOSUBRNGCK (サブスクリプト範囲チェックなし)
    • DATA(24)
    • NOOPT
    • AMODE=24,RMODE=24

注:VS COBOL II のリリース 3 以降を使用しているときに、ファイルステータス 39 が発生した場合は、CMPR2 コンパイルオプションを使用して VRECGEN を再コンパイルします。

VRECGEN の実行

メインフレームで VRECGEN を実行する前に、適切な JCL 情報を指定する必要があります。 正しい STEPLIB、入力データセット、および出力データセットをポイントする、次の JCL スケルトンを入力します。

//MYJOB   JOB (ACCOUNTING INFORMATION)
//STP1    EXEC PGM=VRECGEN
//STEPLIB DD DSN=STEPLIB,DISP=SHR
//SYSOUT  DD SYSOUT=*
//INPDD   DD DSN=INPUT.OS.DATA.SET.DISP=SHR
//OUTDD   DD DSN=OUTPUT.OS.DATA.SET,
//        DISP=(NEW,CATLG,DELETE),
//        DCB=(RECFM=VB,LRECL=LLL,BLKSIZE=BBB),
//        SPACE=(TRK,(X,Y),,RLSE),
//        UNIT=SYSDA

注:

  • 出力ファイルの LLL (LRECL) 値と BBB (BLKSIZE) 値を設定するときは、使用中の VRECGEN 内の OUTDD の FD で指定されている値を参照してください。 プログラムでのデフォルトの LRECL と BLKSIZE は 32700 ですが、JCL、VRECGEN の FD、入力ファイルのファイルラベルが矛盾しないように変更する必要があります。
  • 結果の出力ファイルは、標準的な転送機能を使用して PC に転送可能な、特別なダウンロード形式になります。 ダウンロードするときは、バイナリ転送を指定し、キャリッジ制御文字である CR (キャリッジリターン) と LF (改行文字) を使用しないでください。

VRECGEN2

VRECGEN2 は、Micro Focus 可変長レコード形式のファイルを、メインフレーム形式に変換するメインフレームユーティリティです。 このユーティリティを使用すると、これらのファイルをメインフレームにアップロードしてメインフレームで使用できます。

VRECGEN2 のインストール

Micro Focus 可変長レコード形式をメインフレーム形式に変換する場合は、まずメインフレーム環境に VRECGEN2 プログラムをアップロードし、コンパイルする必要があります。

  1. VRCGEN2 のソースコードファイルは、インストール手順の一環として PC にコピーされます。ファイル名は vrecgen2.cbl とし、 Net Express¥base¥source ディレクトリにコピーします。
  2. 次に、CRLF と ANSI をパラメータとして使用して、VRECGEN と同様の方法で、vrecgen2.cbl ファイルをメインフレームにアップロードします。

VRECGEN2 の実行

次の手順は、100~400 バイトの長さのレコードを持つ可変長データファイルをアップロードする方法を示します。

  1. データファイルコンバータを使用して、可変長 PC ファイルを VRECGEN2 入力形式に変換します。 最小レコード長と最大レコード長に、それぞれ 100 と 400 を指定します。 レコード長を含む 2 バイトをデータファイルコンバータが付加するため、実際の最小レコード長と最大レコード長は、それぞれ 102 と 402 です。 ファイルが ANSI 形式の場合は、同時に EBCDIC 形式に変換する必要もあります。
  2. メインフレームで、PC からのファイルを受信するデータファイルを割り当てます。 次のパラメータを使用します。
    • FORMAT = VB
    • RECLEN = 406
    • BLKLEN = 410
  3. ファイルをアップロードします。 CRLF 挿入は設定しないでください。 手順 1 で EBCDIC に変換した場合は、ANSI を指定しないでください。
  4. メインフレームの vrecgen2.cbl のソースを変更し、出力ファイルの FD が、必要なメインフレームデータファイルの形式と一致するようにします。
  5. vrecgen2.cbl をコンパイルし、リンクします。
  6. VRECGEN2 を実行します。 JCL は、次の変更点を除き、VRECGEN と同じです。
    • プログラム名を、VRECGEN2 とする必要がある。
    • 出力ファイル定義が、VRECGEN2 内の出力 FD と一致している必要がある。
    • 次のように指定する必要がある。
      • RECFM=FB
      • LRECL=404
      • BLKSIZE=408

出力結果は、有効な可変長ファイルとなります。 次に、100 バイトのレコード長を使用した場合の、VRECGEN2 形式のファイルの例を示します。

バイト 内容
1-4 レコード記述ワード
5-6 レコード長
7-106 レコードデータ。 最大レコードサイズよりも短い場合は、レコードにヌルバイトが入力されます。

:VRECGEN のファイル形式はメインフレームから PC へのダウンロード、VRECGEN2 のファイル形式は MicroFocus 形式ファイルのメインフレームへのアップロードにそれぞれ使用され、両者に互換性はありません。

関連情報
Data Files Tools Utility
Rebuild
Configurable Codesets