構成

ここでは、Fileshare クライアントと Fileshare サーバを構成する方法について説明します。

クライアントの構成

ここでは、Fileshare クライアントで使用できるすべてのオプションについて説明します。 これらのオプションは、Fileshare クライアント構成ファイルの中で必要な回数分、順番に関係なく指定できますが、1 行あたり 1 つのオプションしか指定できません。


注:


クライアントの構成オプション
オプションの説明
/cm CCI-protocol
Fileshare クライアントのデフォルトの通信プロトコルを指定します。 CCI-protocol の有効値については、次の表に記述します。
/cm CCI-protocol /s server-name
Fileshare サーバ server-name に要求を送信する場合に使用する通信プロトコルを指定します。 CCI-protocol の有効値については、次の表に記述します。
/ct CCI-timeout server-name
通信のタイムアウト時間を 1/10 秒単位で指定します。 デフォルト値は 1200(120 秒) です。 詳細については、『通信』の章にある『CCI タイムアウト』の項を参照してください。
/f filename /s server-name
データファイル filename が、Fileshare サーバ server-name 上のリモートファイルであることを示します。 デフォルト以外の Fileshare サーバに割り当てる各データファイルについて、このオプションを繰り返し指定します。 filename および server-name の有効値については、次の表に記述します。
/f filename
filename で指定したデータファイルが Fileshare クライアントが常駐する PC 上のローカルデータファイルであることを示します。 filename の有効値については、次の表に記述します。
/s server-name
server-name で指定するサーバをデフォルトの Fileshare サーバとして指定します。

具体的な Fileshare サーバを指定しないでデータファイルへアクセスする場合、またはローカルデータファイルとして定義されていないデータファイルへアクセスする場合は、アクセス要求はデフォルトの Fileshare サーバに送信されます。 目的のデータファイルを検索する場合には、Fileshare クライアントは、Fileshare クライアントの構成ファイルでデフォルトの Fileshare サーバを定義した順序どおりに、各 Fileshare サーバを確認します。

どの Fileshare サーバにも該当するデータファイルが見つからない場合には、このデータファイル要求は、Fileshare クライアントの構成ファイルで最初に登録されているデフォルトの Fileshare サーバに送信されます。

Fileshare クライアントの構成ファイルで指定するオプションの有効値は次のとおりです。

オプション
有効値
CCI-protocol Windows
ccitcp
cciipx
ccinetb
cciappc

UNIX
ccitcp
ccinampu
server-name 16 文字までの文字列。具体的な最大長は使用する CCI プロトコルによって異なります。 Fileshare クライアントの構成ファイルには、最大 16 個の一意な Fileshare サーバ名を指定できます。
filename オペレーティングシステムでサポートされている有効なファイル名。 ファイル名には空白文字を使用できません。 filename の末尾にワイルドカード文字を使用すると、ファイルのグループを指定できます。 たとえば、/f \accounts\* と記述すると、\accounts\ という文字列で始まるすべてのファイルを指定できます。

クライアント構成ファイルの例

この例では、通常の Fileshare クライアントの構成ファイルを示します。

/s server1
/s server2
/cm cciipx
/f \orders\* /s server3
/cm ccitcp /s server3
/f \accounts\payroll.dat
/f \transport\delivery\*

この例の各行について説明します。

1 行目

/s server1

この行では、server1 をデフォルトの Fileshare サーバの 1 つに指定します。

この Fileshare サーバでは、ファイルの格納場所として特定の Fileshare サーバ (4 行目を参照) やローカルマシン (6 行目と 7 行目を参照) を指定していないファイルを検索します。 複数のデフォルトの Fileshare サーバを指定した場合は (2 行目を参照)、構成ファイルに定義されている順番に従って Fileshare サーバを検索します。 この例では、server1 を検索してから、server2 を検索します。

2 行目

/s server2

この行では、server2 もデフォルトの Fileshare サーバに指定します。 ファイルの格納場所として特定の Fileshare サーバ (4 行目を参照) やローカルマシン (6 行目と 7 行目を参照) を指定していないファイルにアクセスする場合には、この Fileshare サーバは Fileshare サーバ server1 の後に検索します。

3 行目

/cm cciipx

この行では、CCIIPX をデフォルトの通信プロトコルに指定します。 特定の CCI プロトコル (1 行目と 2 行目を参照) を指定していない Fileshare サーバに Fileshare クライアントが要求を送信する場合は、CCIIPX が使用されます。

4 行目

/f \orders\* /s server3

この行では、FHRedir が、文字列 \orders\ で始まる名前のファイルに対するアクセスをすべて Fileshare サーバ server3 へ送信するように指定します。

5 行目

/cm ccitcp /s server3

この行では、Fileshare サーバ server3 と通信する場合に使用する通信プロトコルとして ccitcp を指定します。 この場合には、ccitcp は、Fileshare クライアントの構成ファイルで指定されているデフォルトの CCI プロトコルより優先されます (3 行目を参照)。

6 行目

/f \accounts\payroll.dat

この行では、ファイル \accounts\payroll.dat を Fileshare クライアントマシンにあるローカルファイルとして指定します。 Fileshare クライアントは、呼び出し可能ファイルハンドラのローカルコピーを使用してこのファイルにアクセスします。

7 行目

/f \transport\delivery\*

この行では、文字列 \transport\delivery\ で始まるファイル名をもつすべてのファイルをローカルファイルとして指定します。

サーバの構成

ここでは、使用可能なすべての Fileshare サーバの構成オプションについて説明します。 サーバ名を指定する /s オプションは、必ず記述する必要があります。 その他のオプションは、すべて、必要に応じて指定するか、または、後述のように指定されたデフォルト値を使用します。


注:


サーバの構成オプション
オプションの説明

/s server-name
Fileshare サーバがネットワークで登録している名前を指定します。 これは 16 文字までの文字列です。最大長は、使用する CCI プロトコルによって異なります。 指定する名前は一意でなければなりません。 同じサーバ名をもつ Fileshare サーバがすでにネットワークに登録されている場合には、エラーが返されます。

/d database-reference-file
Fileshare サーバが使用するデータベース参照ファイルの名前を指定します。 データベース参照ファイルは、使用する Fileshare の追加機能を決定します。 『データベースの完全性』の章にある『データベース参照ファイルのメンテナンス』の項を参照してください。
/t timeout-period
レコードロックをタイムアウトにする制限時間を設定します。Fileshare クライアントがレコードロックを取得してから経過した時間がこの値を超えると、Fileshare サーバはすべてのレコードロックを解放し、完了していないトランザクションをロールバックします。 タイムアウト時間は秒単位で指定します。 デフォルト値は、60 秒です。 値 0 を指定すると、タイムアウトが無効になり、レコードロックの解放はアプリケーションプログラムで制御されます。 有効値は、0~99999 です。タイムアウトが発生するのは、この Fileshare クライアントがロックを取得している現在のレコードに対して、別の Fileshare クライアントがアクセス要求した場合のみです。 『データベースの完全性』の章にある『自動レコードロックのタイムアウト』の項を参照してください。
/m record-size
Fileshare サーバが処理する最大レコードサイズを指定します。 デフォルト値よりも小さな値を指定すると、実行時に Fileshare サーバが必要とするメモリの量が少なくてすみます。 レコードサイズは KB 単位で指定します。 有効値は、16~64 です。16 未満の値を指定すると、Fileshare サーバは 16 KB のバッファサイズを使用します。 64 よりも大きな値を指定すると、Fileshare サーバは 64 KB のバッファサイズを使用します。

/cm cci-protocol
Fileshare サーバが使用できる CCI プロトコルを指定します。 この Fileshare サーバに要求を送信するために使用する各通信プロトコルごとに、このオプションを繰り返し指定します。 cci-protocol の有効値は次のとおりです。

Windows
ccinetb
ccitcp
cciipx

UNIX
ccitcp
ccinampu

/pf password-file
Fileshare サーバが使用するパスワードファイルの名前を指定します。 詳細は、『セキュリティ』の章を参照してください。
/tr f
起動時に、Fileshare サーバのトレースオプションを有効にします。 トレースメッセージは、画面に表示されると同時に、Fileshare サーバの現在のディレクトリの fsscreen.lst というファイルに書き込まれます。 このオプションは Fileshare サーバの性能に重大な影響を与えるため、問題を調査する場合以外は、使用しません。 詳細は、『高度な操作』の章にある『Fileshare のモニタ』の項を参照してください。
/wd working-directory
起動時に Fileshare サーバが使用する作業ディレクトリを指定します。 このオプションは、Fileshare サーバを Windows NT の NT サービスとして実行する場合のみに関係します。 詳細は、『高度な操作』の章にある『Windows サーバとしての Fileshare の実行』を参照してください。

UNIX
-b working-directory

Fileshare サーバをバックグラウンドプロセスとして実行することを指定します。 詳細は、『UNIX で使用する Fileshare』の章を参照してください。

サーバ構成ファイルの例

この例では、通常の Fileshare サーバの構成ファイルを示します。

/s mainsrv
/cm cciipx
/d dbase1.ref
/t 120
/pf \pass\passwd.fil

この例の各行について説明します。

1 行目

/s mainsrv

この行では、ネットワークに登録するこの Fileshare サーバの名前として mainsrv を指定します。 Fileshare クライアントは、Fileshare サーバに要求を送信するときは、この名前を指定する必要があります。

2 行目

/cm cciipx

この行では、Fileshare クライアントがこの Fileshare サーバに対する要求送信に使用できる通信プロトコルの 1 つとして cciipx を指定します。

3 行目

/d dbase1.ref 

この行では、Fileshare サーバが使用するデータベース参照ファイルとして dbase1.ref という名前のファイルを指定します。

4 行目

/t 120

この行では、自動レコードロックのタイムアウト時間を 120 秒に指定します。

5 行目

/pf \pass\passwd.fil

この行では、Fileshare パスワードセキュリティ機能を使用可能にし、パスワードファイル (有効なユーザ ID とパスワードを含む) として \pass\passwd.fil を指定します。

関連情報
はじめに
標準的な操作
データベースの完全性
セキュリティ
高度な操作
UNIX で使用する Fileshare
通信
エラー処理
Fileshare サーバのメッセージ