COBOL プロジェクト・テンプレートのタイプ

COBOL クラウド・サービスを作成するプロジェクト

Enterprise Developer には、COBOL クラウド・サービスを作成するためのプロジェクトが含まれています。Windows Azure ツールをインストールする必要があります。

データベース・プロジェクト

次のプロジェクトを利用できます。

SQL Server データベース・プロジェクト
SQL CLR ストアド・プロシージャの作成を可能にする COBOL プロジェクト、および SQL CLR ストアド・プロシージャを直接 SQL Server データベースにパブリッシュするために使用可能な .Publish プロジェクトを作成します。
SQL CLR データベース
SQL CLR ストアド・プロシージャの作成を可能にする COBOL プロジェクトを作成します。

ネイティブ・コードにコンパイルする COBOL プロジェクト

Enterprise Developer によって、ネイティブ・コードにコンパイルされるアプリケーションのプロジェクトを作成できます。次に、付属の各種ネイティブ・プロジェクト・テンプレートの例を示します。

コンソール・アプリケーション (ネイティブ COBOL)
コンソール・アプリケーションの作成に必要な項目を追加します。コンソール・アプリケーションは、通常、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスなしで設計され、スタンドアロンの実行可能ファイルにコンパイルされます。コンソール・アプリケーションはコマンド・ラインから実行され、入力および出力情報がコマンド・プロンプトと実行中のアプリケーション間で交換されます。
エンタープライズ・サーバ・アプリケーション
IMTK (Interface Mapping Toolkit) を使用して COBOL ベースのサービス・インターフェイスをサポートする COBOL プロジェクトを作成します。
INT/GNT (ネイティブ COBOL)
INT/GNT コードの空のプロジェクトを作成し、.int および .gnt のファイル・タイプ固有のプロジェクト・プロパティを提供します。
メインフレーム・サブシステム・アプリケーション (ネイティブ COBOL)
空のソリューションとプロジェクトを作成します。BMS、CICS、IMS、JCL などのメインフレーム・アプリケーション固有のプロジェクト・プロパティを提供します。

.NET マネージ・コードにコンパイルする COBOL プロジェクト

Enterprise Developer には、.NET マネージ・コード・アプリケーションを作成するためのいくつかのプロジェクト・テンプレートが含まれています。

多くの場合、プロジェクト内のすべてのプログラムを単一のアセンブリにコンパイルする標準のマネージ・プロジェクト・テンプレート (手続き型マルチ出力プロジェクトを除く) を使用する必要があります。アプリケーション内で複数のプロジェクトを使用する場合、サブプログラムを呼び出す前に必要に応じてターゲット・アセンブリをあらかじめロードしておきます。モジュールをあらかじめロードする方法については、『サブプログラムでのエントリ・ポイントの呼び出し』を参照してください。

次のような標準のマネージ COBOL プロジェクト・テンプレートがあります。

クラス・ライブラリ (マネージ・コード)
他のプロジェクトと共有できる再利用可能なクラスとコンポーネントを作成します。通常は、.dll ファイルにビルドされます。
Windows Forms アプリケーション (マネージ・コード)
空の Windows フォームおよびフォーム背後のスケルトン COBOL コードを作成します。このテンプレートは、System.Windows.Forms などの必要な .NET Framework クラスをプロジェクト・リファレンスに追加します。またデフォルトのプロジェクト・プロパティを作成します。
WPF アプリケーション (マネージ・コード)
WPF (Windows Presentation Foundation) プレゼンテーション機能を使用するユーザ・インターフェイス用に、COBOL クライアント・アプリケーションを作成します。

マネージ・コードにコンパイルする既存のネイティブ・アプリケーションでの場合など、大量のソース・ファイルを扱うときは、特別なタイプの .NET プロジェクトである手続き型マルチ出力プロジェクトを使用することが望ましい場合があります。これにより、プロジェクト内で個別プログラムごとに単一アセンブリを作成します。この方法によって、サブプログラムを呼び出すとき、COBOL ランタイム・システムは、アセンブリ・ファイル名と一致する呼び出し対象プログラムの名前を使用してアセンブリを特定できます。この場合、アセンブリをあらかじめロードしておく必要はありません。

このテンプレートを使用して、一部の既存のアプリケーションを Enterprise Developer およびマネージ・コードに移行できます。これらのアプリケーションは、例えば .INT や .GNT アプリケーションなど上述のネイティブ・コード内のメカニズムに依存します。ここでは、あらかじめロードするモジュールのコードは変更しないことをお薦めします。

手続き型マルチ出力プロジェクト (マネージ・コード)
手続き型プログラムを個別のマネージ・アセンブリまたは実行可能ファイルにコンパイルする際にマルチ出力アセンブリをサポートする空のマネージ・プロジェクトを作成します。コンパイルされるプログラムすべてに、ソリューション・エクスプローラでプロジェクトに対して指定されるリファレンス、およびリファレンス・ノードの下で指定されるリファレンスが含まれています。
注:このテンプレートを使用すると大量のマネージ・アセンブリが発生しアプリケーションのディプロイが複雑になる場合があります。必要に応じてプログラムを少数のアセンブリにまとめることを検討してください。これによりアプリケーションの配布とメンテナンスが容易になります。

このプロジェクト・タイプには次のような制限があります。

  • クラス、WinForm、リソース、サービス・リファレンス、Web リファレンスなどのマネージ・リソースを追加することはサポートされません。これらは別のマネージ・プロジェクト内で作成し、そのプロジェクトを手続き型マルチ出力プロジェクトから参照する必要があります。
  • 手続き型マルチ出力プロジェクトから生成されるプログラムは、他のマネージ・プロジェクトから参照できず、オブジェクト COBOL 構文を使用しても参照できません。ただしマルチ出力プロジェクトは、他のマネージ・プロジェクト・タイプへの参照の追加をサポートします。

Web 用 COBOL アプリケーションを作成するプロジェクト

Web ユーザ・インターフェイスまたは COBOL Web サービスをともなう COBOL アプリケーションを作成するための、いくつかのプロジェクト・テンプレートを利用できます。次に例を示します。

ASP.NET Web アプリケーション
Visual Studio ディプロイ・ツールを使用して Web 上にディプロイする COBOL アプリケーションを作成します。
WCF サービス・アプリケーション (マネージ・コード)
サービス指向の COBOL アプリケーションをビルドするプロジェクトを作成します。WCF (Windows Communication Foundation) サービスはいくつかの機能から構成されており、それらを各種のエンドポイントを介してクライアント・アプリケーションに公開できます。このテンプレートは、Visual Studio Shell では利用できません。
WCF REST サービス・アプリケーション
COBOL WCF REST アプリケーション・サービスを作成します。Visual Studio Shell は WCF アプリケーションをサポートしないので、このプロジェクト・タイプには Visual Studio 2010 以降の Professional、Premium、または Ultimate のいずれかのバージョンが必要です。また .NET Framework 4.0 以降のバージョンも必要です。WCF と REST の詳細については、Microsoft MSDN を参照してください。