IDE の相違点の概要

Micro Focus IDE で以前にビルドされた COBOL アプリケーションは、Visual Studio でビルドすることができます。これらの IDE の主な相違点は次のとおりです。

ソリューション、プロジェクト、およびソース ファイル フォルダ
ソリューションとは、アプリケーション作成のために連動して機能する 1 つ以上のプロジェクトが入っているコンテナのことです。ソリューションとそのプロジェクトは、ファイル システムではフォルダとして表現されます。ソリューション フォルダにはプロジェクト フォルダが入っており、プロジェクト フォルダには主な COBOL ソース ファイルが入っています。ソリューション エクスプローラに表示されるフォルダ ツリーは、ディスク上のフォルダ ツリーと同じです。

複数のプロジェクトで共有されているファイル(コピー ファイルなど)がソリューションに含まれている場合、共有ファイル用のフォルダをソリューション内に作成することができます。COBOL コピー ファイルは、ソリューションまたはプロジェクト フォルダの外部にあるフォルダに格納できます。コピー ファイルの場所はプロジェクト プロパティに指定します。

コピー ファイルの拡張子とソース ファイルの拡張子
ソース ファイルのデフォルトの拡張子は、cbl、cob、および cpy です。その他のコピー ファイルの拡張子は、COPYEXT コンパイラ指令を設定して定義できます。また、検索時にファイルが見つかるように、テキスト エディタのために代替のファイル拡張子を指定する必要があります。これらを指定するには、[ツール|オプション|テキスト エディタ|COBOL|その他|コピー ファイルの拡張子] を選択します。
ソース コードの文字の値
16 進値を表しているテキスト以外の文字は、16 進文字の文字列定義に変更することをお勧めします。

Net Express および Mainframe Express では、COBOL ソース ファイルは ANSI 文字セットを使用して記述され、00 ~ FF のあらゆる 16 進値を使用する文字を含めることができます。ソース ファイルをディスクに書き込むとき、hex 20 未満の値の文字には、NULL 値の保護が適用されます。つまり、文字の組み合わせはディスクに書き込まれ、NULL(hex 00) の後に元の文字が付けられます。

Visual Studio で作成された実行可能ファイル
Visual Studio では、プロジェクトごとに、int または gnt ではなく exe または dll という実行形式ファイルが 1 つ作成されます。実行形式ファイルの種類、場所、その他のビルド設定を選択するには、プロジェクトのプロパティでこれらを指定します。
ビルドの構成
以前は、プロジェクトをビルドする方法をビルド設定とプロジェクト設定に指定していましたが、Visual Studio では、ビルドの構成(デフォルトのデバッグ構成やリリース構成、自分自身で作成した構成など)で指定します。
アプリケーションの実行とデバッグ
ソリューションに複数のプロジェクトが含まれている場合、アプリケーションの実行可能ファイルが、依存プロジェクトの実行可能ファイル(.dll)とシンボル(.idy)ファイルを見つけられるようにする必要があります。いくつかの方法がありますが、その手順を次に説明します。
  • exe プロジェクトでは、dll を作成するプロジェクトへの参照を追加します。[デバッグ|オプションおよび設定] を使用して、シンボル ファイルがある場所を指定します。
  • プロジェクトで処理結果の実行可能ファイルがソリューションの実行可能ファイルと同じフォルダ(bin フォルダなど)に格納されるように設定します。プロジェクトのプロパティにビルド後のイベントを設定することで、dll のビルド時にこのフォルダにシンボル ファイルがコピーされるように設定します。[プロジェクト|プロパティ|COBOL|ビルド イベント] を選択してください。
[ファイル中の検索] を使用したソースのナビゲーション
Net Express または Mainframe Express で、COBOL アプリケーションをビルドした場合、通常はコンテキスト情報がプログラムのナビゲーションに利用されます。Visual Studio は、これと同じ機能を提供していませんが、[編集|検索と置換|ファイル中の検索] を使用して同じ効果を実現できます。検索結果は、[検索結果] タブに表示されます。検索結果内の項目をダブルクリックすると、ソース ファイルがテキスト エディタ ビューに読み込まれ、識別された場所が表示されます。
[出力] ビューと [エラー一覧] に表示されるビルド結果
アプリケーションをビルドすると、ビルドの結果を [出力] ビューと [エラー一覧] に表示できます。ビルド メッセージをダブルクリックして、ソースを識別することができます。また [エラー一覧] 内の項目をダブルクリックして、ソース ファイルをテキスト エディタに読み込み、関連する場所を表示できます。これらのペインをオンにするには、[ビュー|出力] および [ビュー|エラー一覧] を選択します。