Enterprise Developer 2.2 Update 1の新機能

このリリースでは、次の各項目が強化されています。

Btrieve のサポート

Pervasive Software Inc. の Btrieve ファイル処理システムへのサポートが Enterprise Developer に追加されました。

このサポートは、Windows 環境でのネイティブ COBOL に限定されます。

COBOL ソース情報

Quick Browse オプションをエディタのコンテキスト・メニューのコマンドとして利用できます。

比較および同期モニタ

注:この機能は、Windows 環境のみで利用できます。

Enterprise Developer 2.2 Update 1 リリースでは、比較および同期モニタはバージョン 2 に更新されました。

バージョン 2 では、特に区分データ・セットの初期チェックアウトの際または多数のメンバを同期するときのパフォーマンスが大幅に強化されています。ユーザ・インターフェイスも更新されており、旧バージョンの機能の中には変更または廃止されたものがあります。

コンパイラ指令

このリリースでは、次のコンパイラ指令が追加されました。
ILPARAMS
最後に受け取るパラメータとしての配列を含んでいるメソッドを呼び出す方法を決定します。
INIT-BY-TYPE
作業記憶域セクションのデータ項目をそれらのタイプに応じてデフォルト値に初期化します。
  • 英文字、英数文字、英数文字編集済み、数字編集済みの各項目はスペースに初期化されます。
  • 数値項目はゼロに初期化されます。
  • ポインタ項目は null に初期化されます。
  • 索引項目は値 1 に初期化されます。

データベース・アクセス

次の新機能が、データベース・アクセスのサポートの一部として追加されました。

DB2 LUW 用の HCO
  • DB2 LUW バージョン 10.5 のサポートを追加しました。
  • RETURN-CODE 処理を強化しました。
  • HCO DDL プロセッサで 18 文字を超える長さの列名を使用できるようになりました。
  • HCO Import Data ツールでサイズが 32K 未満の CLOB データを処理できるようになりました。
  • HCO Import Data ツールで DSNTIAUL インポート・ファイルを区切り指定フォーマットに変換し、実際のインポートを DB2 LUW IMPORT および LOAD ユーティリティで実行できるようになりました。この処理は、新しい SAVEDEL と CHARDEL のパラメータを使用して行います。
SQL Server 用 HCO (HCOSS)
  • メインフレーム SET CURRENT SQLID 文のサポート。
  • メインフレーム LEFT および RIGHT スカラ関数のサポート。
  • Data Migration ツールでメインフレーム ALIAS および SYNONYM オブジェクトがサポートされます。
OpenESQL
  • GET DIAGNOSTICS 文のサポートが強化されました。
  • LOB での CLOB、BLOB、DBCLOB 各データ・タイプのサポートが強化されました。
  • IDE での OPTION 指令のサポートが強化されました。
  • 保存ポイントの作成および保存ポイントへのロールバックがサポートされました。
XA スイッチ・モジュール
制限事項: この機能は、エンタープライズ・サーバ機能が有効な場合のみに適用されます。
  • Microsoft の XA スイッチに基づく SQL Server の新しい 2 フェーズ・コミット・モジュール。これにより、xa_recover がサポートされます。
  • DB2 LUW バージョン 10.5 のサポート。
  • Oracle バージョン 12.1 のサポート。

Eclipse IDE

Windows サービスをデバッグできるようになりました。そのサービスを実行しているコンピュータのコンソールにログオンする必要があり、これにより、ジャストインタイム・デバッグと CBL_DEBUGBREAK 呼び出しを使用するか、またはライブラリ・ルーチン、および CBL_DEBUGBREAK または CBL_DEBUG_START の呼び出しをアプリケーションに追加した「COBOL Wait for Application Attachment」デバッグ・セッションを使用して、デバッグを実行できます。

IDE でのエンタープライズ・サーバ統合

  • Server Explorer のサーバ用コンテキスト・メニューを使用して、コンソール・ビューでエンタープライズ・サーバのログ情報の表示を有効にできるようになりました。

環境変数

このリリースでは、次の環境変数が追加されました。
strictvsam
strictvsam により、VSAM ファイルを処理するときにメインフレームの厳密なエミュレーションが可能です。
ON に設定しメインフレームのエミュレーションで実行すると、既存の VSAM ファイルにデータがあるか以前データがそのファイルに書き込まれた場合、またはファイルがディスク上のファイルとは異なるフォーマットの場合、OUTPUT に対して VSAM ファイルを開くとそのファイルのファイル・ステータス 37 が返されます。OFF に設定すると、ファイル・ステータス 0 が返され、既存の VSAM ファイルを OUTPUT に対して開くとき新しいファイルが作成されます。この変数は、デフォルトで OFF に設定されます。

COBOL プログラムの行番号付け

このリリースでは、オプションとして、エディタで開いているソース・ファイルの行番号を自動で挿入または削除できます。次の機能があります。

  • COBOL 番号付け - コードのシーケンス番号エリアで行番号が挿入され (列 1 から 6)、最初の行が 000100 で始まり 100 ずつ増えます。

    ファイルが固定長または可変長ソース・フォーマットの場合に限り、COBOL 番号付けを使用することが推奨されます。

  • 標準の番号付け - エリア B のすぐ右側に行番号が挿入され (列 73 から 80)、最初の行が 00001000 で始まり 1000 ずつ増えます。

    ファイルが固定長フォーマットの場合に限り、標準番号付けを使用することをお奨めします。

  • Renumber コマンドと Unnumber コマンドは、エディタのコンテキスト・メニューから利用できます。

IMTK

Interface Mapping Toolkit を使用して、リモート COBOL プロジェクト用の Web サービスや Java インターフェイスを作成できるようになりました。

メインフレーム・エミュレーション

これまでは、MGMTCLAS は、DD 文で MGMTCLAS パラメータを使用する JCL にデータセットを割り当てたとき MGMTCLAS をカタログ・レコードに保存することでサポートされていました。このリリースからは、バッチ・ジョブを使用して MGMT クラスを定義し、EXPIRE AFTER 時間 (日数単位) を指定できます。

メインフレーム・サブシステム

新しいエディタ
Enterprise Developer には、REXX、TSO CLIST、Easytrieve の各プログラム用に特別なエディタが用意されました。これらのエディタには、色設定とコンテンツ支援が含まれています。構文チェックは利用できません。
Casspool のパフォーマンス強化
エンタープライズ・サーバのスプール・キューを参照する際のパフォーマンス強化の一環として、Enterprise Developer 2.2 Update 1 の前に作成したエンタープライズ・サーバの casspool ファイルを更新する必要があります。更新しないと、エンタープライズ・サーバにジョブをサブミットできません。
各エンタープライズ・サーバの casspool を更新するには、コマンド・プロンプトから、%COBDIR%\bin%COBDIR%\bin64 (Windows) または $COBDIR\bin (UNIX) にある fixcasspool.bat (Windows) または fixcasspool.sh (UNIX) を、次の構文を使用して実行します。
fixcasspool.bat casspool.dat backup.dat

または

fixcasspool.sh casspool.dat backup.dat
詳細は次のとおりです。
casspool.dat
エンタープライズ・サーバのシステム・カタログと同じディレクトリにあるスプール・ファイル。このファイルは更新されます。
backup.dat
古い casspool.dat ファイルのバックアップによって作成されるファイル。backup.dat が既に存在する場合、更新は実行されません。

casspool を更新せずにエンタープライズ・サーバを起動しようとすると、次のメッセージがコンソールに表示されます。

JES000011E Batch Spool File Error; Status [39]

JES000130E Note JES000011 Error - New casspool indexes may need generating.See error description in product docs

マネージ COBOL

Enterprise Developer では、JVM COBOL コードで Java Managed Bean (MBean) がサポートされます。これにより RunUnit を管理および監視し、リークや長期実行の RunUnit といった特定の問題を識別できます。

  • MBean は、特定の RunUnit レベルのみで有効にするか、または作成するすべての RunUnit で有効にできます。
  • MBean は、Oracle の Java Mission Control または JConsole などのプログラムから表示、使用できます。
  • MBean には、LogicalRunUnitCount 属性および LiveRunUnitCount 属性が含まれており、これらによりライブの RunUnit の数を視覚的に把握できます。これら 2 つの属性の値が異なる場合は、何らかの問題を示唆している可能性があります。

マネージ COBOL 構文

このリリースでは、マネージ COBOL 構文について次が強化されました。

メソッド署名でのパラメータ指定
手続き部のヘッダを使用する代わりに、メソッド署名でパラメータの引き渡しと項目の戻しを指定できるようになりました。これが適用されるのは、メソッド、インデクサ、反復子、コンストラクタ、デリゲートです。
CONSTANT キーワード
フィールドに CONSTANT キーワードを使用し、フィールドを変更から保護します。
文字列フィールドの操作
STRING、UNSTRING、INSPECT の各文を文字列タイプのフィールドで使用できるようになりました。

PL/I

IDE での PL/I サポートについて、次の項目が強化されました。

  • PL/I ファイルでの指令の決定用の IDE 設定 - IDE を構成することで、PL/I ファイルのスキャンを実行しコンパイラ指令を決定および設定できるようになりました。Eclipse で、[Window > Preferences > Micro Focus > PL/I > Directives Determination] の順にクリックします。
  • プロジェクトまたはファイル・プロパティの個別のページで SQL 指令を設定できるようになりました。
  • PL/I により作成および維持されるファイルを変換または編集するために、Data File Tool での PL/I データ構造の使用がサポートされます。-adt コンパイラ・オプションを使用して PL/I データ構造を事前にコンパイルする必要があります。この機能は、早期採用者製品 (Early Adopter Product; EAP) リリース・ステータスのみに提供されます。
  • Enterprise Developer に、CICS、JCL、または IMS のいずれかをサポートする PL/I 対応エンタープライズ・サーバを作成するためのテンプレートが加わりました。IDE の Server Explorer からサーバを作成するとき、これらのテンプレートを選択できます。

プリプロセッサ

追加プリプロセッサを Enterprise Developer に統合する方法を示すサードパーティ・ベンダおよび管理者向けガイドを、製品ヘルプの [General Reference > Integrated Preprocessor Interface] 節から利用できます。

プロジェクトおよび項目のテンプレート

既存のプロジェクトおよびファイルをカスタム・テンプレートとして使用して新しいプロジェクトやファイルを作成する方法をサポートします。テンプレートとして使用するファイルや設定を含んでいるプロジェクトを作成して構成します。

リモート接続

Enterprise Developer に、新しい接続タイプ、[Micro Focus DevHub using SSH] が加わりました。これは Secure Shell デーモン・プロセスを使用して、リモート・ホスト上のサーバを起動します。

このタイプの接続は、接続先の UNIX マシンが DevHub デーモンでサポートされない LDAP 認証を使用する場合に使用できます。

この接続を使う場合、DevHub デーモン・プロセスをルート権限で実行する必要はありません。また、リモート・サーバ上でのビルドまたはデバッグに必要な環境変数を今までより柔軟に設定できます。

ランタイム起動構成ファイル

注:この機能は、Windows 環境のみでサポートされます。

ランタイム起動構成ファイルを使用して、アプリケーションをランタイム・システムとは別の場所にディプロイするとき (動的にバインドされたアプリケーションの場合)、またはライセンス・デーモンがまだ実行していないとき、そのアプリケーションを確実に起動できるようにします。

terminfo ファイル

次の terminfo ファイルが追加されました。

  • ansi80x25 - これは古い ansi ファイルに基づいています。このリリースには、より新しいバージョンの ansi が含まれており、他の各種 UNIX プラットフォームの ansi terminfo ファイルと同様にファンクション・キーがサポートされません。現在 ansi を使用しておりファンクション・キーのサポートが必要な場合は、TERM 環境変数を ansi80x25 に設定してください。以前の動作を継続できます。
  • xterm-color および kterm-color - これらをすべての UNIX プラットフォームで利用できます。以前は Linux のみでした。
  • aixterm-old (AIX システムのみ) - これは、同じ名前の AIX OS terminfo ファイルと同様の機能を持ちます。このファイルにはライン・ドローイング機能がないため、既存の aixterm ファイルとは異なります。ライン・ドローイングは、適切なディスプレイで表示される場合に (X サーバ)、aixterm でのみ可能な機能です。
  • vt220-w - これは、vt220 ファイルのワイド (132-列) バージョンで、vt100-w ファイルに基づいています。詳しくは、この節の末尾にある参照先マニュアルの『Wide Terminal Mode』を参照してください。

既存の terminfo ファイルにさまざまな追加と修正が行われています。それらの詳細はマニュアルの『Terminfo Database and Terminal Devices』を参照してください。

また複数の terminfo ファイルが削除されており、その一覧については『Backward Compatibility』節を参照してください。