チュートリアル - Eclipseでの Java EE連携

急速な技術革新の進むコンピュータサイエンスの中で、50年以上前に誕生したプログラミング言語 COBOLは未だに日々全世界の主要なビジネス業務を駆動しています。その理由は、単に過去に記述された膨大なプログラム資産があるからというだけではありません。事務処理専用言語として誕生した COBOLは金融業務で必須とされる 38桁までの十進固定小数点変数の四則演算を言語レベルでサポートしています。給与、保険料、利率といった金融業務では計算結果の誤差は許されませんのでこのことはプログラミング言語にとって不可欠な要素となります。 このため昨今のサービスベースのシステム構築においては、COBOLは業務の心臓部であるビジネスロジック部分で活用されています。制御系やインタフェース系の部分では Javaや .NETが大活躍している今、COBOLで書かれたビジネスロジックをコンポジットアプリケーション開発の中で活用することが重要な技術テーマになっている所以です。 一方、既存の業務アプリケーションと接続することは Javaコミュニティにとっても重要なテーマであり、このために Java EE仕様は「コネクタアーキテクチャ」というトランザクショナルな接続仕様を策定しています。この仕様はすでに10年の歴史を持ち、メインフレームのトランザクションや業務パッケージ製品など多くのアプリケーション基盤がこの仕様に準拠した Java EE接続性を提供しています。

Micro Focusは、この仕様が策定されるのとほぼ同時にそれに準拠した Java-COBOL接続性を開発し製品化しています。Java EE仕様に準拠した COBOL用のリソースアダプタは、WebSphere, WebLogic, JBossなどの Java EE仕様準拠アプリケーションサーバーにインストールすることができ、その上で稼働する Javaアプリケーションから標準的なプログラミングでCOBOLサービスを呼び出すことができます。COBOLサービスは XA仕様に準拠したトランザクションマネージャである Enterprise Serverの上で稼働しており、データベース更新はトランザクショナルに管理されます。また呼び出した側の Javaのスコープに連動して分散トランザクションを実現しています。

ここで紹介する一連のチュートリアルは、Visual COBOL製品を使用して JBoss Application Server上の Java EEアプリケーションから Visual COBOL でかかれたビジネスロジックをサービスとして呼び出す方法を体験します。

チュートリアルで使用するファイルを こちら からダウンロードしてください。

本チュートリアルは以下のものから構成されます:

  1. Java EE連携の動作確認
    まず導入として既に作成済みの JAVA EEアプリケーションと COBOLサービスのパッケージをそのまま JBoss Application Serverと COBOL側の Enterprise Server にディプロイして、実際にJAVA EEアプリケーションから COBOLサービスが呼び出されることを確認します。
    チュートリアル文書 (PDF)
  2. 最も簡単な COBOLサービスのディプロイ
    次に、前段のチュートリアルで使用した Java EEアプリケーションと COBOLサービスのパッケージを Visual COBOL開発環境を使用して作成する手順を学習します。
    チュートリアル文書 (PDF)
  3. Webサービスとしてのアクセス
    同じCOBOLプログラムをWebサービスとしてディプロイし、クライアントから呼び出す手順を学習します。
    チュートリアル文書 (PDF)