PLI DB2 LUW ストアド・プロシージャのデバッグ

PL/I DB2 LUW ストアド・プロシージャは、デバッグできます。ただしデバッグは慎重に行う必要があります。処理への影響とセキュリティ上の問題から、DB2 LUW プロダクション・サーバの使用はお勧めできません。ストアド・プロシージャをデバッグするには、VM イメージを使用する方法と、DB2 Express-C などのソフトウェアのシングル・ユーザ・バージョンを開発用ワークステーションで使用する方法があります。

ストアド・プロシージャをデバッグする前に、次を行います。

• DB2 LUW ソフトウェアをインストールするとき、ローカル・システム・アカウントをすべての DB2 プロセスを開始する ID として使用してソフトウェアをインストールしないでください。DB2ADMIN のデフォルト設定を使用してください。ローカル・システム・アカウントを使用すると、CODEWATCH デバッガは db2fmp プロセスを正しく接続しません。
• ストアド・プロシージャ定義の外部名には必ず大文字を使用し、次のように定義します。

  CREATE PROCEDURE GETPRML
  (IN PROCNM CHAR(18) 
  ,IN SCHEMA CHAR(8)  
  ,INOUT OUTCODE INTEGER 
  ,INOUT PARMLST CHAR(26) 
  )
  LANGUAGE COBOL
  DETERMINISTIC
  READS SQL DATA
  NO DBINFO
  FENCED
  NOT THREADSAFE
  EXTERNAL NAME "GETPRML!GETPRML"  
  PARAMETER STYLE GENERAL  
  PROGRAM TYPE SUB
  RESULT SETS 0;

• PL/I プログラムの PROC 文では、EXTERNAL パラメータを使用しないでください。使用する場合は、このコードを次のようにコメント・アウトします。

  PROC(PROCNM, SCHEMA, OUTCODE, PARMLST); /* EXTERNAL('getprml'); */

• ストアド・プロシーアをデバッグのためにビルドしてリンクします。コマンドは次のようになります。

  mfplx -sql db2 -optsql db=sample -deb -coffdebug -defext getprml.pli -c –ppsql

  LINK=-DEBUG

  cbllink /d /V /K getprml.obj db2api.lib mfplimd.lib systemsql.obj setupdeffiles.objet

• DLL、STB、PDB の各ファイルを \sqllib\function ディレクトリにコピーします。
• ストアド・プロシージャを実行してロードします。例えば、ストアド・プロシージャを呼び出す DB2 コマンドを使用します。
• Enterprise Developer コマンド・プロンプト (32-ビット) を ADMINISTRATOR として開きます。
• CODEWATCH_SRCPATH および CODEWATCH_STBPATH の環境変数を、\sqllib\function ディレクトリに設定します。次に例を示します。

  set CODEWATCH_SRCPATH=C:\Program Files\IBM\SQLLIB\FUNCTION

  set CODEWATCH_STBPATH=C:\Program Files\IBM\SQLLIB\FUNCTION

• ストアド・プロシージャをロードした DB2 LUW プロセスの PID を探します。db2fmp.exe を検索します。

  db2fmp.exe は 32-ビット・バージョンなので、64-ビット・バージョンの DB2 LUW をインストールしている場合は探しやすくなります。

  このとき使用できるツールには PSLIST があります。このツールは、 www.sysinternals.com で PsTools のダウンロードから入手できます。次のコマンドを実行します。

  PSLIST DB2FMP

  64-ビットの DB2 LUW を使用している場合、実行結果は次のようになります。

  Name         Pid Pri Thd  Hnd   Priv       CPU Time    Elapsed Time
  db2fmp64    2240   8   9  211  16660    0:00:00.655     0:00:50.512
  db2fmp64    2240   8   9  211  16660    0:00:00.655     0:00:50.512
  db2fmp64    2056   8   4  143  10888    0:00:00.046     0:00:15.241
  db2fmp      2528   8   3  117  12172    0:00:00.140     0:00:15.163

  db2fmp に複数の PID が表示される場合はそれらを 1 つずつ実行して、どれがデバッグ対象のストアド・プロシージャかを判定します。また CTF トレースを使用しても、どの PID が使用されているかを判定できます。

• Enterprise Developer 32-ビット・コマンド・プロンプトに CWGUI -pid nnnn を入力します。ここで、nnnn は PID 番号です。例えば上記の最後に表示されている PID を使用すると、コマンドは次のようになります。

  CWGUI –pid 2528

  [CodeWatch] ウィンドウが表示されます。

• [CodeWatch] プロンプトに shlib xxxxxx.dll を入力します。ここで、xxxxx はデバッグ対象のストアド・プロシージャです。次に例を示します。

  shlib getprml.dll

• ENV xxxxxx を入力してソース・シンボルをロードします。ここで、xxxxxx はデバッグ対象のストアド・プロシージャです。例えば、env getprml のようになります。[CodeWatch] ウィンドウは、次の図のように表示されます。

  

• デバッグを停止する行にブレーク・ポイントを設定します。この設定を行うには BR ### を入力し、ここで ### は行番号です。例えば BR 24 を入力すると、行 24 にブレーク・ポイントを設定します。
  行に含まれる複数の「>」文字はブレーク・ポイントの場所を示しています。次に例を示します。

  ...
  00023:
  00024:>>>    PARMLST = TIMESTAMP
  00025:OUTCODE = SQLCODE;    /* return SQLCODE to caller    */
  00026:RETURN
  ...

• [CodeWatch] ウィンドウで、[Continue] をクリックして再びストアド・プロシージャが呼び出されるまで待ちます。
• 別のプロセスで再びストアド・プロシージャを呼び出します。
• [CodeWatch] デバッグ・ウィンドウに戻ります。正しいプロセスに接続している場合は、設定した行のブレーク・ポイントでデバッガが停止します。

  これでデバッグのタスクを実行し、コード内の変数とステップ実行を検証できます。デバッグから戻った後、ストアド・プロシージャ呼び出しの結果を呼び出しプロセスで利用できます。