ランタイム・システムのアプリケーションへの動的バインド

別のアプリケーションが既にインストールされているサイトに新しいアプリケーションを配布する場合、新しいアプリケーションと既存のアプリケーションが使用するランタイム・システムのバージョンが異なると、両者が競合する可能性があります。例えば、新しいアプリケーションがバージョン 4 のランタイム・システムを使用し、既存のアプリケーションがバージョン 3 を使用しているとします。このような場合、通常はバージョン 4 のランタイム・システムを配布し、それぞれのアプリケーションが必要なバージョンのランタイム・システムを使用できるように、(つまり、バージョン 4 のアプリケーションはバージョン 4 のランタイム・システムを使用し、バージョン 3 のアプリケーションはバージョン 3 のランタイム・システムを使用するように) ユーザのシステムにパスを設定する必要があります。

このような問題を解決するために、ランタイム・システムをプログラムに動的にバインドすることができます。ランタイム・システムの動的バインドを使用することで、次のようなファイルを作成できます。


ランタイム・システムの動的バインドは、cblrtsg.lib というグルー・ライブラリを使用することで可能になります。アプリケーションを動的バインドすることを選択した場合、システム実行可能ファイルはランタイム・システムに直接リンクされるのではなく、グルー・ライブラリにリンクされます。実行可能ファイルが .dll ファイルの場合、このファイルはランタイム・システムをロードしたプロセスで実行できます。実行可能ファイルが .exe ファイルの場合は、必要なバージョンのランタイム・システムかシステムのデフォルトのランタイム・システムのどちらかに動的にバインドされます。システム実行可能ファイルの配布先システムに既にランタイム・システムがインストールされている場合、配布する必要があるのは実行可能ファイルだけです。インストール済みのランタイム・システムと配布するシステム実行可能ファイルとの連携方法は、プログラムをグルー・ライブラリにリンクする方法によって異なります。

動的バインドされる実行可能ファイルを作成するには、Cbllink ユーティリティを使用します。

関連情報
cbllink