SIGN(符号)句

機能

SIGN(符号)句は、演算符号の特性を明示的に記述する必要がある場合に、その演算符号の位置と表現形式を指定する。

一般形式

構文規則

  1. SIGN句を指定する対象となるのは、PICTURE文字列に "S" が含まれる数字データ記述項またはそのような数字データ記述項が少なくとも1つ含まれる集団項目だけである。

  2. SIGN句を適用する対象の数字データ項目の用途は、明示的または暗黙的に、DISPLAYとする。

  3. 数字データ記述項にSIGN句を記述する場合は、1つだけとする。

    この規則は削除された。

  4. ファイル記述項の中でCODE-SET(符号系)句を指定するときは、そのファイル記述項の下位に属する符号付きの数字項目に対して、SIGN IS SEPARATE(独立符号)句を記述する。

    この規則は強制しない。CODE-SET(符号系)句節を参照。

一般規則

  1. SIGN句は、それを指定した数字データ項目またはそれを指定した集団項目の下位に属する数字データ項目の、演算符号の位置と表現形式を指定する。SIGN句は、PICTURE文字列に"S" が含まれる数字データ記述項に対してだけ、適用できる。PICTURE文字列中の "S" は符号が付くことを表わすだけであり、符号の表現形式や位置を表わすわけではない。

  2. PICTURE文字列に "S" が含まれるがSIGN句は指定されていない数字データ項目は、演算符号をもつが、"S" によって符号の表現形式や位置が指定されているわけではない。このような符号付き数字データ項目には、一般規則の3から5は当てはまらない。SIGN句を指定しない場合の演算符号の表現は、COBOL言語の概念の章の文字の表現と基数の選定節を参照。

  3. SEPARATE CHARACTER句を指定しないと、符号の位置と表現形式は下記のようになる。

    1. 演算符号は、LEADINGまたはTRAILINGに応じて、基本データ項目の左端または右端の桁位置に付く。具体的な符号の付き方は、COBOL言語の概念の章の文字の表現と基数の選定節を参照。

    2. PICTURE文字列中の記号文字"S" は、標準データ形式で表わした項目の大きさには含まれない。

  4. SEPARATE CHARACTER句を指定すると、符号の位置と表現形式は下記のようになる。

    1. 演算符号は、LEADINGまたはTRAILINGに応じて、基本データ項目の左端または右端の桁位置に付く。これは桁位置には入らない。

    2. PICTURE文字列中の記号文字 "S" は、標準データ形式で表わした項目の大きさに含まれる。

    3. 正号および負号は、それぞれ、標準データ形式文字の"+" と "-" である。

  5. PICTURE文字列に記号文字"S" が含まれる数字データ記述項はすべて、符号付数字データ記述項となる。SIGN句付の項目に対して計算や比較のために変換が必要なときには、その変換は自動的に行われる。

  6. SIGN句付の集団項目の下位に属する項目(基本数字項目でも集団項目でも)にSIGN句を指定すると、下位の項目に指定したSIGN句が優先する。

  7. 外部浮動小数点数項目に関しては、SIGN句は注記としてだけ用いられる。 内部浮動小数点数項目に対しては、SIGN句は無効であり、使用すると診断メッセージが出される。