ここでは、Web サービスと、Visual COBOL を使用して COBOL アプリケーションを Web サービスとして公開するさまざまな方法を説明します。
「Web サービス」とは、ソフトウェアコンポーネントを Web 経由で呼び出すための一連の標準と仕組みの総称です。呼び出されるコンポーネント自体は Web サービスと呼ばれます。Web サービスとそれを使用するアプリケーション (クライアントアプリケーション) の間では、すべての情報が XML ファイルとして、HTTP などの標準プロトコルで搬送されるため、Web サービスの呼出しと通信がきわめて容易になります。クライアントアプリケーション側では、コンポーネントのディプロイ形態や使用されている言語といった詳細を、いっさい関知する必要がありません。
コンポーネントを Web サービスとして公開すると、原理的には Web にアクセスできる世界中のあらゆる個人が、そのコンポーネントを呼び出せるようになります。たとえば、信託会社はクレジットカードの有効性を検証する Web サービスを、さまざま販売業者に広く提供しています。実際には Web サービスは社内イントラネットで使用されることが多く、内部向けのアプリケーションの一部として、またはそのようなアプリケーション間の差異を橋渡しする手段として、活用されています。
Web サービスは、クライアントとサービスにリンクするために必要な XML ファイルの形式を定義する次の 3 つの標準を核として形成されています。
Web サービスを呼び出すクライアントの開発者には、この形式で記述された情報を含むファイルが提供されます。このファイルは、サービスが予期するインターフェイスおよびデータを格納する形式を記述します。つまり、事実上の Web サービスの規約であり、両者が守る必要があります。
SOAP は Web サービスクライアントとサービスとの通信を可能にする実際のデータ形式を記述します。一般的な Web サービスのやりとりでは、SOAP 要求の後に SOAP 応答が続きます。これらのデータパケットは、HTTP プロトコルを使用してネットワーク上に送信されます。
Web に公開されるサービスのリストは、この形式で記述されます。 UDDI リポジトリは、Web サービスの電話帳 (つまり、イエローページ) と考えることができます。
WSDL、SOAP、HTTP、および UDDI の最新仕様は、Web サイト (World Wide Web consortium) を参照してください。
Server Express では、次に挙げる複数の手段によって、COBOL プログラムを Web サービスとして公開できます。
この方法は、『Interface Mapping Toolkit による COBOL Web サービスの作成』の章で説明しています。また、『インターフェイスマッピングのチュートリアル』マニュアルも参照してください。
この方法については、弊社マニュアルでは特に説明していません。COBOL と Java の連携は、『Java と COBOL の連携』の章を参照してください。
『アプリケーションの拡張』の章に、これらの方法の長所と比較を示しています。
Interface Mapping Toolkit が作成する Web サービスは、WS-I Basic Profile 1.0 準拠です。WS-I (web services interoperability organization) は、プラットフォーム間、オペレーティングシステム間、およびプログラミング言語間での Web サービスの相互運用性を促進する目的で設立された業界団体です。WS-I Basic Profile は、ベンダとエンドユーザがさまざまなプラットフォーム間で Web サービスの相互運用を最大限にするために従うべき一連の条件と規定を記述したものです。
ツールを使用して作成した WS-I Basic Profile 準拠の Web サービスは、インターネット / イントラネット間のシームレスな統合を保証するサードバーティの Web サービスツールセットとの相互運用性が高くなっています。詳細は、Basic Profile の最新情報を含む、Web サイト (Web Services Interoperability Organization) を参照してください。
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