自動データベース バックアップおよびロールフォワード回復

基本的なロギングを有効にすると、バックアップするように Fileshare を設定し、Fileshare が起動するたびに必要に応じてロールフォワード回復を実行できます。
注: 高度なロギングを有効にした場合、データベースの自動バックアップおよび回復はサポートされません。

Fileshare の基本的な回復ロギングをロールフォワード回復に使用する場合は、次の方法を推奨します。

  1. Fileshare サーバーを定期的にシャット ダウンします。
  2. すべてのデータベース ファイルのバックアップを作成します。
  3. Fileshare サーバーを再起動し、新しい回復ログ ファイルを使用します。

詳細は、基本ロギング の項を参照してください。

Fileshare ではそれらのアクションを自動で実行できますが、データベース リファレンス ファイルのバックアップ ディレクトリ名を/backup オプションを使用して指定した場合となります。次にコマンド例を示します。

fs /d dbase.ref /backup	c:\backdir

例えば、上記のコマンドでは、c:\backdir をバックアップ ディレクトリとして指定するデータベース参照ファイル、 dbase.ref に項目を追加します。バックアップ ディレクトリに対しては、完全パスを指定することができます。 完全パスを指定しない場合は、Fileshare サーバーの現在のディレクトリに対する相対パスとして判断されます。

このようにしてバックアップ ディレクトリを設定すると、Fileshare サーバーは、起動時に、データベース参照ファイルで指定したすべてのデータ ファイルを c:\backdir にコピーします。また、Fileshare サーバーは、データベース ファイルをバックアップしたために不要となったデータを格納する回復ログ ファイルを検索して削除します。

Fileshare サーバーの動作中は、ログ処理を設定したファイルに対するすべての更新が、通常どおりログ ファイルに記録されます。次に Fileshare サーバーを再起動したとき、再びデータベース ファイルをバックアップし、ログ ファイルを削除します。ただし、Fileshare サーバーの以前のセッションが正常にシャットダウンされておらず、有効な終了レコードがログ ファイルに書き込まれていないこと (例えば、システムの故障などが原因の場合) を検出すると、Fileshare は、自動的に Rollforward Recovery Utility を起動します。この機能により、データベース ファイルの以前のバックアップを自動的に復元し、ログ ファイルの記録にしたがって、すべての更新をリカバリします。リカバリが正常に完了した場合は、Fileshare サーバーが通常どおりに起動します。

バックアップ ディレクトリがデータベース参照ファイルで指定されていると、Fileshare サーバーを起動する前に、手動で Rollforward Recovery Utility を実行することができます。Rollforward Recovery Utility は、回復処理を開始する前に、以前のバックアップを自動復元します。

注: データベースの自動バックアップ機能の目的は、最新の Fileshare ログ ファイルに、前回データベースのバックアップが行われてから追加された更新だけを含め、データベース管理者が理想的な手順でロールフォワード回復を行えるようにすることです。データベース ファイルを手動で追加または置換した場合は、Fileshare がこれを検出できず、間違ったバージョンのファイルをバックアップまたは復元する可能性があります。 そのため、データの一貫性を維持できなくなります。データベース ファイルは手動で置換しないようにしてください。 Fileshare では、データベース全体をバックアップするためにサーバーを終了する操作のみを行うようにしてください。

データベースの自動バックアップを設定するために、バックアップ ディレクトリを指定した場合、"/o l" オプションを使用して、データベース参照ファイルで宣言されたデータ ファイルに対するログ処理を解除することはできません。データベース参照ファイルで指定されている各ファイルのログ処理をアクティブにすると、Fileshare は、バックアップ ディレクトリからバックアップ バージョンをコピーしたときに、確実にすべての更新をリカバリできます。自動バックアップを必要としないファイルがある場合には、データベース参照ファイルからそれらのファイルを削除してください。

例えば、一晩でシステム全体のバックアップを行うなどのように、Fileshare ファイルをバックアップする必要がある場合は、Fileshare マネージャーの API 関数を使用して Fileshare をシャットダウンし、すべてのデータベース ファイルをバックアップしてから、新しいログ ファイルを作成して再起動します。この処理が完了したら、Fileshare バックアップ ディレクトリの固定ハードコピーを作成することをお奨めします。詳細については、Fileshare マネージャーの章にある 高度な操作を参照してください。

fs /d dbase.ref /l logfile
fs /d dbase.ref /backup c:\backdir
fs /d dbase.ref /f c:\accounts\customer.dat 
fs /d dbase.ref /f c:\finance\history.dat

このコマンドの内容は、次のとおりです。

Fileshare サーバーは、起動時に、これらのデータ ファイルをディレクトリ c:\backdir に自動的にバックアップします。Fileshare サーバーの動作中にログ ファイルがバックアップされた場合も、バックアップ ファイルは c:\backdir ディレクトリに格納されます。Rollforward Recovery Utility を起動すると、c:\backdir のバックアップ ファイルは元のディレクトリで復元され、ログ ファイルに記録された更新が再適用されます。