COBOL アプリケーションのビルド

アプリケーションをビルドするには、プログラムをコンパイルしてから、ランタイム システムにリンクする必要があります。IDE では、ビルド構成を使用してその方法を定義します。

Micro Focus コンパイラは、次のフェーズを処理します。

ネイティブ COBOL アプリケーションのビルド

ネイティブ COBOL アプリケーションをビルドする際に、コンパイラはまずプログラムの構文エラーをチェックします。次にネイティブのマシン コードを生成します。最後に、リンカーがネイティブのマシン コードを実行可能ファイル (.exe または .dll) にリンクします。

  1. チェック フェーズ - コンパイラはプログラムの構文をチェックし、テストおよびデバッグ用のファイルを生成します。チェック フェーズでは、デバッガーと併用するためのディクショナリ ファイルが作成されます。さらに、INT/GNT プロジェクトをビルドする場合、またはプロジェクト出力タイプを INT/GNT に設定している場合、コンパイラは .int ファイルを生成できます。
  2. 生成フェーズ - 生成フェーズでは、コンパイラは、チェック フェーズで生成される中間コードからネイティブのマシン コードを作成し、業界標準の .obj ファイルを生成します。INT/GNT プロジェクトをビルドする場合、またはプロジェクト出力タイプを INT/GNT に設定している場合、コンパイラは Micro Focus.gnt ファイルを生成できます。

    .int および .gnt ファイルのコードは、ランタイム システムで直接実行できます。オブジェクト コード ファイルは実行できません。オブジェクト コード ファイルは、適切なランタイム システムとリンクして実行可能ファイルを作成する必要があります。

  3. リンク フェーズ - リンク フェーズでは、コードはランタイム システムにリンクされ、実行可能ファイル (.exe.dll) を作成します。 アプリケーションのリンク方法は、IDE でプロジェクトのプロパティを開き、[COBOL Link] ページで指定します。
注: アプリケーションが INT/GNT 出力を生成するように設定されている場合、デフォルトでは、デバッグ構成では .int コードにコンパイルされ、リリース構成では .gnt コードにコンパイルされます。

マネージ COBOL アプリケーションのビルド

.NET COBOL アプリケーションをビルドする場合、Micro Focus コンパイラはコードを Microsoft Intermediate Language (IL) ソース ファイルにコンパイルします。このソース ファイルは、アセンブリ ファイル (.exe または .dll) に格納されます。

IDE でのビルドとコマンド ラインからのビルド

Enterprise Developer プロジェクトは MSBuild 形式です。Visual Studio でビルドすることも、コマンド ラインでビルドすることもできます。32 ビット版または 64 ビット版の MSBuild を使用できます。

Windows 用の Enterprise Developer ビルド ツール

Windows 用の Enterprise Developer ビルド ツールは、Enterprise Developer の別個にインストール可能なコンポーネントで、COBOL および PL/I プロジェクトを操作する必要はあるが Visual Studio IDE に関連するオーバーヘッドは避けたい、という場合に使用できます。

詳細については、「Windows 用の Enterprise Developer ビルド ツール」を参照してください。

並行ビルド

プロジェクトの並行ビルド
Visual Studio の並行ビルドにより、複数 CPU のマシンにおいて複数のプロジェクトをより短時間でビルドできます。ビルド プロセスを最適化するために、並行プロジェクト ビルドの最大数が自動的にコンピューターの CPU 数に設定されます。最大数は 32 です。

並行プロジェクト ビルドの数は、[ツール > オプション > プロジェクトおよびソリューション > ビルド/実行] で設定できます。

複数プロジェクトのソリューションを並行して正常にビルドするためには、[プロジェクト > プロジェクト依存関係] を使用して、プロジェクトの依存関係およびビルド順序をソリューションに応じて必ず正しく設定してください。

Visual Studio またはコマンド ラインから MSBuild を使用する方法でのプロジェクトの並行ビルドの詳細については、Visual Studio のヘルプを参照してください。

制約事項: 並行ビルドは Mainframe Subsystem プロジェクトではサポートされません。
プロジェクト内のファイルの並列コンパイル
制約事項: プロジェクト内のソースの複数プロセッサによるコンパイルは、ネイティブ COBOL に対してのみサポートされます。ネイティブのオブジェクト指向 COBOL アプリケーションでの使用はお奨めしません。

プロジェクト内での並列コンパイルを有効にすると、複数 CPU のマシンにおいて COBOL ソース コードをより短時間でコンパイルできます。

並列コンパイルを有効にするには、プロジェクトのプロパティの [COBOL] ページで [複数プロセッサによるコンパイル] オプションをオンにします。また、[ツール > オプション > Micro Focus > プロジェクト] の [Maximum concurrent COBOL compilations] オプションで最大数を指定します。デフォルトでは、自動的にコンピューターの CPU 数に設定されます。