IBM メインフレームでは、CICS アプリケーションが VSAM データ セットにアクセスする場合、そのアクセスはトランザクションになります。つまり、CICS はトランザクション マネージャー (TM) として機能し、VSAM データ セットの更新が適宜コミットまたはロールバックされます。アプリケーションは明示的な EXEC CICS SYNCPOINT コマンドでトランザクション限界を制御し、CICS はタスクの最後でトランザクションを暗黙的に制御します。
Mainframe Subsystem Support では、CICS によって VSAM エミュレーションが提供されますが、これらのリソースへのトランザクション アクセスは提供されません。Fileshare ではこのようなアクセスが提供されます。Mainframe Subsystem Support は TM として機能し、Fileshare のリソース マネージャー (RM) を使用して、メインフレームの CICS に互換性のある動作を提供します。
Fileshare を使用するためにプログラム ソースを変更する必要はありません。リソースが Fileshare を使用するようにリソース定義で示す場合、デフォルトの構成では、そのリソースに対するバックワード回復が提供されます。つまり、アプリケーションが VSAM データ セットの更新を明示的に取り消す場合、または CICS がアプリケーション障害のために更新をロールバックする場合、Fileshare では、データ セットが一貫した状態に戻されます。
CICS ではなく JCL からのみファイルにアクセスする場合、Fileshare を使用する利点はありません。ただし、JCL と CICS の両方からアクセスし、VSAM へのトランザクション アクセスを目的として Fileshare を使用するように構成する場合、Fileshare は CICS や JCL にかかわらず、すべてのアクセスに使用されます。CICS と JCL からのアクセスで発生する可能性のある競合の処理方法については、「CICS および JCL の両方からアクセスするファイル」を参照してください。