Enterprise Developer 5.0 の新機能

Enterprise Server 向けアマゾン ウェブ サービス クイック スタート

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Micro Focus は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) と共同で Enterprise Server 向けの AWS クイック スタートを作成しました。このクイック スタートには、AWS CloudFormation テンプレートと詳しい手順を紹介したディプロイ ガイドが用意されており、それに従って AWS クラウド上の新規または既存の仮想プライベート クラウド (VPC) に Enterprise Server をディプロイできます。所要時間は約 1 時間 15 分です。

詳細については、「Micro FocusEnterprise Server on AWS」を参照してください。

COBOL のフォーマット

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エディターで独自の設定や基準に応じて COBOL コードを再フォーマットできるようになりました。[Windows > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Formatter] (Eclipse) で設定できる構成オプションに基づいてインデントが設定されます。

COBOL のフォーマットの機能は、エディターのコンテキスト メニュー (Eclipse) から利用できます。

コード分析

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コードについての次のビューを作成できるようになりました。

  • Program Flow Graph - COBOL プログラムの全体の構造を節と段落を表すノードを使用して表示できます。ノード間にあるプログラム フローに影響する PERFORM 文は、ノードを結ぶリンクで表されます。[Program Flow Graph] ビューには他のプログラムの外部呼び出しも表示されますが、それらを展開することはできません。ノードにカーソルを合わせると、該当する節または段落を表すコードがツールチップに表示されます。ノードまたはノードを結ぶリンクをクリックすると、コード エディターでソースの該当する位置に移動し、プログラム内をすばやく簡単に移動することができます。
  • Data Flow Analysis Tree - データ項目を選択し、その値がどのような要因で変化するかや他のデータ項目にどのように影響するかを静的にトレースできます。

Enterprise Server とスケールアウト アーキテクチャ

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注: この機能は、早期採用者製品 (Early Adopter Product; EAP) リリース ステータスで提供されます。

このリリースでは、新しいパフォーマンス/可用性クラスター (PAC) を使用してクロスシステムのリージョンのグループを単一のシステム イメージとして管理および保守することが可能になり、Enterprise Server の可用性と保守性が向上しています。

異なる Enterprise Server インスタンスが連携できるようにするには、それらの間でデータを共有できる必要があります。これは、スケールアウト リポジトリ (SOR) を使用して実現されます。PAC に含まれるすべての ES インスタンスで、それらのインスタンス間の同期が簡単になるように、共通の SOR (PSOR) を使用して CICS リソース (このリリースでは PCT、PPT、FCT、DCT、および TST に限定) と内部システム データが格納されます。また、一時記憶域キューと一時データ キューについても、SOR に転送することで Enterprise Server インスタンス間で共有できます。この方法で PAC と SOR を使用する利点は次のとおりです。

  • ハードウェア コストの削減 - PAC を利用してスケールアップではなくスケールアウトを行うことで、プロセッサ リソースをより効率的に使用できます。
  • 保守が簡単 - システムの保守のために PAC にリージョンを動的に追加または削除できます。
  • 可用性の向上 - いずれかの Enterprise Server インスタンスに障害が発生した場合でも、少ない容量で PAC の運用を継続できます。Enterprise Server インスタンスを異なるマシンに配置すれば、可用性がさらに向上します。
  • 動的なスケーリング - Enterprise Server インスタンスをオンデマンドで PAC に追加したり PAC から削除したりできます。
  • パフォーマンスの向上 - 単一のマシンのリソースを使用することによるスループットの制限 (スケールアップの場合) がなくなります。
  • 保守性の向上 - PAC および関連するリージョンを最新の Web ベースの管理インターフェイス (ESCWA) で単一のイメージとして管理できます。

Enterprise Server Common Web Administration

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注: この機能は、早期採用者製品 (Early Adopter Product; EAP) リリース ステータスで提供されます。

Enterprise Developer に新しい Enterprise Server Common Web Administration インターフェイス (ESCWA) が追加されました。ESCWA は、最新の Enterprise Server の管理、監視、制御に対応した Web ユーザー インターフェイスおよびサーバーです。ユーザービリティを向上させるために Enterprise Server のさまざまなユーザー インターフェイスが統合されており、ネイティブおよびマネージのリージョンやセキュリティ ストアを 1 か所で管理できます。次の機能があります。

  • 複数のホストにわたるディレクトリ サーバーの管理。
  • CICS および JES Enterprise Server インスタンスの監視と制御。
  • Microsoft Active Directory や OpenLDAP などの LDAP 互換セキュリティ マネージャーで定義されたセキュリティ ストアの構成と管理。
  • スケールアウト機能の管理 - Enterprise Server インスタンスの論理グループを指定し、パフォーマンス/可用性クラスター (PAC) とそれに関連するスケールアウト リポジトリ (SOR) を構成して実行できます。
  • Enterprise Server for .NET のリージョンとリスナーの管理、監視、制御。
  • セキュリティに重点を置いている最新の Web フレームワークの使用。

CICS サポート

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注: この機能は、早期採用者製品 (Early Adopter Product; EAP) リリース ステータスで提供されます。

このリリースの強化点は次のとおりです。

  • CRCN CICS トランザクション - この新しい組み込みの CICS トランザクションは、システムで定義されている各リソース マネージャー (RM) エントリの XA 接続の状態を監視します。CRCN は、接続が利用できなくなったことを検出すると、定期的に再接続を試みます (監視の頻度は ES_XA_RECONNECT 環境変数で制御されます)。CRCN は、接続が失われたときと回復したときにコンソールに警告メッセージを出力します。

COBOL 言語の機能拡張

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COBOL 構文の強化点は次のとおりです。

  • ISO2002 条件付きコンパイル - 条件付きコンパイルのメカニズムが追加され、ISO2002 条件付きコンパイル方式が使用可能になりました。これは、Enterprise COBOL 6.2 に対するサポートの一部として実装されています。

    次のコンパイラ指令文がサポートされています。

    >>DEFINE
    >>IF/>>ELSE/>>END-IF
    >>EVALUATE/>>WHEN/>>WHEN OTHER/>>END-EVALUATE
  • JSON PARSE 文を使用すると、JSON テキストを COBOL データ形式に変換できます。これは、Enterprise COBOL 6.2 に対するサポートの一部として実装されています。
  • INSPECT 文 - INSPECT...CONVERTING 文のパフォーマンスが改善されました。特に、source-alphabet が長い場合のパフォーマンスが向上しています。
  • SET の移植可能な構文として set[string] がサポートされるようになりました。

コンパイラ指令

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このリリースでは、次のコンパイラ指令が新たに追加されました。

JVMTARGET
このコンパイル単位で生成されたクラス ファイルの対象となる JVM のバージョン番号を指定します。
ILNORMALIZENAMES
プログラムを .NET または JVM COBOL にコンパイルするときに正規化されるプログラム要素を決定します。この正規化では、生成されたクラス ファイルの名前に含まれるすべての $ および - (ハイフン) 文字が _ (アンダースコア) 文字に置き換えられます。

統合化トレース機能 (CTF)

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • Eclipse インターフェースからの CTF の利用 - Eclipse の起動構成ダイアログ ボックスに追加された新しいプロパティ タブの [CTF] で、CTF トレースを有効にしたり、CTF 構成ファイルを指定したりできます。デフォルトでは、トレース ファイルはプロジェクトのフォルダーにある Logs サブフォルダーに保存されます。
  • 動的 CTF - トレースしているプロセスの外部から動的に CTF を構成できるようになりました。現在、この機能は Windows プラットフォームでのみ利用できます。

    新しいコマンド ライン ユーティリティ cblctd の使用 - CTF トレースがすでに有効になっている実行中のアプリケーションのトレース イベントを変更できます。トレース レベルを変更したり、トレース対象のコンポーネントを追加または削除したりできるほか、有効になっているエミッターの構成も可能です。

    さらに、Micro Focus ネイティブ データベース ファイル ハンドラーのアクティビティをトレースするために、mf.mfdbfh というコンポーネントを新たにトレースできるようになりました。

データファイル ツール

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • データファイル エディタに、2 つのデータ ファイルの内容を並べて比較できる [Compare Files] ツールが追加されました。
  • 構造ファイルとそれに含まれるレイアウトをデータファイル エディタで作成できるようになり、レイアウトを管理するためにクラシック データファイル ツール ユーティリティを使用する必要はなくなりました。
  • エンタープライズ サーバー リージョンに格納されている VSAM データセットへの接続で、現在のセッションの間はアクセスに必要なパスワードを格納できます。
  • アーカイブ スプール ファイルのマージ プロセスを使用して、1 つのスプール ファイルにマージされたアーカイブ JES スプール ジョブを表示できます。
  • [Duplicate Record] オプションを使用して、索引ファイル以外のファイルのレコードをすばやく複製できるようになりました。

デバッグ

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • アニメート - Eclipse で COBOL プログラムをデバッグする際のメニュー オプションに、速度の設定とアニメート モードの切り替えを行うオプションが追加されました。このオプションがアクティブな場合、ソース コードの各行が自動的にステップ実行され、エディターおよび [Debug Stack]、[Outline]、[Variables] の各ビューでソース コードが更新されます。「デバッグのコマンドおよびオプション」を参照してください。
  • 条件付き監視ポイント - COBOL 監視ポイントの条件およびヒット カウントを指定できるようになりました。式の形式またはヒット カウント (データ項目に関連付けられたメモリが更新された回数) として条件を指定できます。監視対象のデータ項目に変更が見つかるたびに条件が評価されます。条件が真と評価されると、プログラムの実行が停止します。これにより、現在の監視ポイントのサポートをより細かく調整することができ、大規模で複雑なプログラムをデバッグするときに役立ちます。
  • 動的コア ダンプ - コア ダンプをプログラムで呼び出し、その間もプログラムの実行を継続できるようになりました。新しいライブラリ ルーチンの CBL_CREATE_CORE を使用すると、現在のプロセスのコア ファイル、または現在のプロセスを所有するユーザーの別のプロセスのコア ファイルを作成できます。
  • PERFORM の可視性の改善 - 32 ビットの Intel アーキテクチャの Linux および Intel アーキテクチャの Solaris の多くで、PERFORM スタックおよび PERFORM 範囲の名前が gdb などのシステム デバッガーに認識されるようになりました。AIX、64 ビットの Solaris-Intel、および他のすべての Linux プラットフォーム (64 ビット Linux-Intel を含む) は、すでに対応しています。
  • ライブ記録 - ライブ記録ファイル作成時のパフォーマンスの向上に役立つ新しい環境変数 COB_LIVE_RECORD_SIZE が追加されました。この環境変数で、ライブ記録ファイルに書き込まれるイベントの保存に使用されるメモリ量 (MB 単位) を指定できます。制限に達すると、バッファーが循環されます。つまり、最新のイベント用に領域を確保するために、最も古いイベントが削除されます。
  • ランタイム エラー メッセージにソース行番号を含めることでプログラムの問題の診断が簡単になるように、コマンド ラインからビルドする場合に、COBOL コンパイラがデフォルトで .idy ファイルを生成するようになりました (NOANIM 指令が指定されている場合を除く)。これらの .idy ファイルは、不要であればコンパイルの完了後に削除してかまいません。また、コードをデバッグする場合以外は、アプリケーションと一緒に配布する必要もありません。ただし、ANIM 指令を指定しないと、.dll.gnt などの生成された実行可能ファイルをデバッグすることはできません。これは、これまでの動作と同じです。
    注: IDE または IDE から生成されたビルド スクリプトを使用する場合の動作には変更はありません。
  • stackdump ファイル (Linux Intel 64 ビット、Solaris Intel 64 ビット、および Linux/390 プラットフォームのみ) - 本番環境のアプリケーションで実行時システム エラーが発生した場合に、それらのスタック トレースを生成できます。stackdump_on_error チューナーおよび stackdump_filename チューナーを使用して、エラーが発生したときに stackdump ファイルを生成するように構成します。このファイルから、プログラム内の失敗したコードの正確な行を見つけることができます。
  • 新しい構成可能なツールで、実行時システム エラーが発生した場合に、処理中のすべてのスレッドのスタック トレースをファイルにダンプできるようになりました。[Linux Intel、Solaris Intel、zLinux のみ – 32 ビット Linux Intel では ANIM が必要]。これはネイティブ COBOL でのみサポートされます。
  • 最適化されたビルドについて、行番号の情報が出力されるようになりました (Linux Intel 64 ビット、Solaris Intel 64 ビット、PowerLinux、zLinux、および Solaris SPARC プラットフォームのみ)。これはネイティブ COBOL でのみサポートされます。最適化の処理により、完全な情報とはなりませんが、それでも十分に役立つ情報が得られます。これには次の利点があります。
    • 最適化されたビルドに対して stackdump ユーティリティを使用できます (対応している場合)。
    • gdb などのシステム デバッガーでの実行時に信号が発生する位置情報が提供されます。
    • 最適化されたコードをシステム デバッガーで制限付きでステップ実行できます。

Eclipse 統合

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このリリースでは、次の各項目が強化されています。

  • サポートされる Eclipse のバージョン - このリリースでは、Eclipse 4.7 (Oxygen) および 4.8 (Photon) がサポートされます。セットアップ ファイルでは Eclipse 4.8 がインストールされます。

    Eclipse 4.6 (Neon) はサポートされなくなりました。

  • Java のサポート - Eclipse IDE を実行するには、64 ビットの Java 8 が必要です。セットアップ ファイルでは Adopt OpenJDK 8 (u202) with Hotspot がインストールされます。JVM COBOL コードの実行のため、およびネイティブ COBOL と Java の相互運用性のために、Java 8 (32 ビット版または 64 ビット版)、および Java 11 (64 ビット版のみ) がサポートされています。サポートされる Java のバージョンの詳細については、「ソフトウェア要件」を参照してください。
  • COBOL エディター:
    • END 文の自動挿入 - IF、EVALUATE、PERFORM、EXEC、および TRY の各文の終了句が自動的に挿入されるようになりました。
    • 終了記号の自動挿入 - デフォルトで、閉じ引用符や右かっこが必要な場合に自動的に追加されるようになりました。
    • 指定した列の範囲にあるテキストの検索 - [Micro Focus Find/Replace] ダイアログ ボックスに、コードの指定した列の範囲内で検索を行うオプションが追加されました。
  • 指令のセット - プロジェクトのコンパイラ指令が、プロジェクトのフォルダーの .settings サブフォルダー内に格納される言語固有の .mfdirset XMLファイルに保存されるようになりました。独自のバージョンの .mfdirset ファイルを作成し、Micro Focus から提供される XML スキーマと照合して検証できます。

    以前は、すべての設定が単一の独自の IDE プロジェクト ファイルに格納されていました。指令やその他の類似の設定を .cobolproj ファイルで現在指定している既存のプロジェクトは、Enterprise Developer 5.0 にインポートまたはロードすると、新しい .mfdirset ファイルを使用するようにアップグレードされます。ソース コードをソース制御管理システムに格納している場合は、ソース制御管理にも .mfdirset ファイルを追加してください。

  • リモート接続 - Micro Focus Enterprise Developer UNIX Components ネットワーク トラフィックの自動 SSH トンネリングがサポートされます。ほとんどの Micro Focus Enterprise Developer UNIX Components ネットワーク トラフィックを SSH ポート転送を使用してルーティングできます。これにより、ファイアウォールを実行するリモート UNIX ホストでの開発が簡単になります。さらに、ネットワーク トラフィックが SSH トンネル内で送信されるため暗号化されます。
  • ユーザー インターフェイス:
    • COBOL エクスプローラー ビューで、ビルド パスに同じ名前の別のプログラムがすでにあるためにビルドされない COBOL プログラムが「P」というアイコンで示されるようになりました。
    • 設定の UI の改良 - COBOL、IMS、 およびランタイム構成設定のページで、プロパティ グリッドを使用して設定の定義も表示されるようになりました。

Enterprise Server セキュリティ

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • セキュリティ - 開発者や管理者が新しい COBOL サービス (Web サービスと EJB) をネットワーク経由で Enterprise Server インスタンスにインストールする際に、セキュリティ機能を使用できるようになりました。認証と承認について、いくつかのオプションを有効にすることができます。「ディプロイ リスナー」および「.mfdeploy ファイル」を参照してください。
  • Vault 機能 - 新しいセキュリティ機能が追加され、Enterprise Server の一部のコンポーネントにおいて、特定の機密情報を Vault と呼ばれる記憶域の形式で保持できるようになりました。Vault には、構成可能な Vault プロバイダーを介してアクセスできます。デフォルトの Vault プロバイダーでは、データが暗号化された形式でディスクに格納されます。
  • OpenSSL 1.1.1 - OpenSSL セキュリティ プロバイダーが OpenSSL バージョン 1.1.1 に更新されました。

    これは OpenSSL の長期サポート版 (安定版) です。

    • 批准された TLS プロトコル バージョン 1.3 のサポートが追加されました。TLS 1.3 の利点は次のとおりです。
      • 初期接続のネゴシエーション シーケンスがはるかに短くなります。これにより、データ送信の開始前にリンクが確立されるまでの時間が短縮されます。
      • 安全な暗号とハッシュ方式のみが使用されます。
      • TLS 1.3 は古い TLS プロトコルよりも優先してネゴシエートされます。
    • TLS 1.3 の要件に合わせて、新しい暗号およびキー交換グループのサポートが追加されました。
    • 以前に構成されたエンドポイントに対するデフォルトのセキュリティ レベルは、セキュリティ レベル 0 からセキュリティ レベル 1 に変更されています。これにより、SSL3 や MD5 などの既知の脆弱な要素が誤って使用されることがなくなります。最近、Java、Chrome、Firefox、および安全な接続を提供する他のシステムにおいても、デフォルトのセキュリティ レベルが同じように変更されています。
  • Fileshare セキュリティ - Fileshare セキュア TCP/IP トランスポート プロバイダーで、証明書の共通名要素が Fileshare サービスの名前になっている X509 証明書の使用がサポートされるようになりました。

    以前のリリースでは、Fileshare サーバーへの安全な接続を確立するために、Fileshare サービスが配置されたネットワークの場所を表す証明書が使用されていました。この方法も引き続きサポートされますが、この方法では単一のホスト システムに複数のサービスが存在する場合に、接続先の Fileshare 共有サーバーを正確に識別できません。今回の変更により、個々の Fileshare サービスを一意の証明書を使用して識別できるようになります。同じホストで実行されていて、同じネットワーク エンドポイントで登録されている場合でも識別可能です。

  • Active Directory のユーザー グループとグループ名マッピングのサポート - Enterprise Server の外部セキュリティ機能の MLDAP ESM モジュールで、Enterprise Server ユーザー グループに Active Directory ユーザー グループ オブジェクトを使用できるようになりました。また、メインフレーム エミュレーションに必要な最大 8 文字の名前に、長いグループ名をマッピングできるようになりました。
  • 選択的な監査 - 管理者が特定の対象のみを選択してセキュリティ アクティビティを監査することで、監査のオーバーヘッドとイベントの量を減らすことができます。Enterprise Server の外部セキュリティ機能の MLDAP ESM モジュールで、特定のユーザー、グループ、およびリソースのみを対象として ESF 監査イベントを有効にできるようになりました。
  • LDAP クライアント ライブラリとの連携の強化 - LDAP クライアント ライブラリとの相互運用が改善されたことで、LDAP 関連の問題が少なくなり、診断も簡単になりました。Enterprise Server の外部セキュリティ機能の MLDAP ESM モジュールが次のように改良されています。
    • クライアント ライブラリのロード後に、ベンダーとバージョンの情報がログに記録されるようになりました。
    • OS ベンダーから提供された正しいライブラリをロードできるようにモジュールのヒューリスティックが改良され、「provider」構成オプションを通常は省略できるようになりました。
    • OpenLDAP について、モジュールで独自の「connect timeout」オプションが設定されるようになりました。

IMS サポート

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このリリースには、次の新機能が含まれています。

  • 入力 GSAM ファイルに加え、出力 GSAM ファイルに対してもチェックポイントと再起動が可能になりました。

JCL サポート

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このリリースの強化点は次のとおりです。

  • スプール ファイルのハウスキーピング - アーカイブされたスプール ファイルを中央の場所にマージし、Micro Focusデータファイル エディターを使用して表示することができます。この処理では、アーカイブされたスプール ファイルがコピーされ、1 つの新しいアーカイブにマージされます。元のアーカイブは変更されないため、監査証跡に変更はありませんが、結合されたアーカイブでマージされたすべてのジョブを表示することができます。マージ プロセスは、JCL ジョブを使用するかコマンド ライン ユーティリティを使用して実行されます。

Mainframe Access

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このリリースでは、次の各項目が強化されています。

  • z/Server の機能の完全なサポート - MFA サーバーで z/Server のすべての要求に対応できるようになりました。これにより、z/Server を構成する必要がなくなり、メインフレームで実行される開始タスクの数が少なくなります。z/Server が不要になるため、MFA サーバーのインストールと構成が簡単になります。
  • IDCAMS ダンプを使用したデータセットの参照 - MFDAS BROWSE コマンドの使用時に、指定したデータセットに対する IDCAMS DUMP コマンドの出力を 16 進数と印刷可能文字の両方で並べて表示できるようになりました。
  • ジョブの実行および入力データセットに対する JES サポートの強化 - MFA サーバーで、実行段階にある JES ジョブを操作したり、入力データセットを一覧表示してダウンロードしたりできるようになりました。
  • ロード モジュールのバインダー情報の取得 - MFDAS BINDER コマンドの実行時に、ロード モジュールからバインダー情報を表示できるようになりました。
  • TSO コマンド サーバー - MFA サーバーに新しい種類のアプリケーション サーバーが追加され、現在のユーザーによる TSO コマンドの実行がサポートされるようになりました。ユーザー ID でアドレス空間が生成され、有効なすべての TSO コマンドを実行することができます。
  • UNIX サブシステム (USS) のサポート - MFA サーバーで USS ファイル システムに格納されているファイルを操作できるようになりました。USS のファイルとディレクトリについて、編集、参照、名前変更、削除、コピーの機能を実行できます。

Micro Focus ネイティブ データベース ファイル ハンドラー

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注: この機能は、早期採用者製品 (Early Adopter Product; EAP) リリース ステータスで提供されます。

Micro Focus データベース ファイル ハンドラー (MFDBFH) は、データベース内に格納されているデータ ファイルおよび特定のインフラストラクチャ ファイルをネイティブの CICS およびバッチ エンタープライズ サーバー アプリケーションで操作できるようにするファイル ハンドラーです。

VSAM ファイルは、ハードウェア障害が発生すると論理的または物理的 (あるいはその両方) に破損することがあります。これは、複数の物理入出力操作からなる単一の COBOL 入出力操作によるものです。COBOL 入出力操作を構成するすべての物理入出力操作が実行されないと、ファイルが整合性のない状態になる可能性があります。以前のリリースでは、このような場合に Fileshare とロギングを使用して対処していましたが、手動の操作が必要であるほか、パフォーマンスが低下する問題もありました。

このリリースでは、入出力操作を RDBMS にルーティングする構成オプションが追加され、データベースの可用性とパフォーマンスの特性を活かして対処できるようになりました。このためにアプリケーションに変更を加える必要はありません。ファイル名プレフィックスを sql:// に変更するだけで、ファイルが SQL データベースにルーティングされるようになります。

次の機能があります。

  • CICS およびバッチ COBOL ファイルの入出力を簡単な構成の変更のみで RDBMS にルーティングできます。アプリケーションの変更は不要です。
  • すべての Micro Focus ファイル フォーマットをサポート
  • それぞれのファイルをファイル単位で RDBMS にルーティングできます。
  • データをディスク ファイルと RDBMS の間で移動できるユーティリティが用意されています。
  • PostgreSQL 10.x、Amazon Aurora PostgreSQL、および MS SQL Server (Windows または Linux Intel) のサポート

Micro Focus Rumba

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このリリースには、Micro Focus Rumba+ Desktop バージョン 10 が付属しており、Enterprise Developer と一緒にインストールできます。これにより、IDE で組み込み Rumba サポートが有効になります。

Micro Focus Unit Testing Framework

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このリリースでは、次の機能がサポートされています。

  • データ駆動型単体テスト - ソースから読み取られた値が同じテストを通過するデータのテストに適した新しいタイプのテスト。
  • JCL 単体テスト - エンタープライズ サーバー リージョンの JES エンジンと連動する 2 種類のテスト。これらのテストはコマンド ラインから実行されます。
  • テスト出力の色付け - テスト出力に、サポートされている端末エミュレーション用の基本的な色分けを含めることができるようになりました。この機能はコマンド ラインから実行する必要があります。

PL/I サポート

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次の各機能が強化されています。

  • Eclipse のコード カバレッジ - Eclipse IDE で、COBOL プログラムと同じメカニズムを使用して PL/I プログラムのコード カバレッジ データを生成できるようになりました。
  • コンパイラ:
    • GET DATA の完全なサポート。
    • 組み込み関数:
      • 新しい組み込み関数 - ALLOCATE、INDEXR、MEMCONVERT、MEMINDEX、ONCONDCOND、PLIFREE、REM、REPLACEBY2
      • HEX 組み込み関数が当該 z/OS バージョンに対応するようになりました。
      • 末尾に開きかっこ/閉じかっこがない PROCNAME 関数および PROCEDURENAME 関数の使用。
    • VALUE を使用して PL/I データ構造のメンバーの初期化。
    • INONLY、NONASSIGNABLE 属性のサポート。
    • 呼び出しに対する指定されたパラメーターがエントリ宣言よりも大きい場合の診断。
    • FIXED DECIMAL の作用対象に対する演算の結果として精度が低下したことがコンパイラで検出された場合の診断。
    • コンパイラ リストで配列に関する追加情報が提供されるようになりました。
    • OPTIONS(REORDER) が解析されて無視されるようになりました。
    • *PROCESS OPT(TIME); がサポートされるようになりました。
    • 変数の初期化時または代入時のより大きな連結のサポート。
    • 静的な構造の次元と初期化における数値 PICTURE 句の形式の名前付き定数のサポート。
    • 2 つの文字列の連結によって文字列がターゲット変数よりも大きくなった場合の診断。
    • DUMMY ALIGNED および DUMMY UNALIGNED 引数のサポート。
    • XML case asis および XML case Upper のサポート。
    • ビット変数以外に対してビット演算子を使用しようとした場合の診断。
  • Eclipse の PL/I デバッガー:
    • 現在の実行ポイントの前後にある変数の [Variables] ビューへの表示。
    • Enterprise Server の制御外の Eclipse においてリモートでデバッグされている PL/I プログラムに対する [Console] ビュー。
    • デバッガーでの変数宣言を使用したデータ監視ポイントの設定。
    • 呼び出しスタックを文書化する際に、PLIDUMP で AUTOMATIC とパラメーターに加えて STATIC 変数が出力されるようになりました。
  • マクロ プリプロセッサで %INSCAN および %XINSCAN がサポートされるようになりました。
  • EXEC プリプロセッサで次のものがサポートされるようになりました。
    • PL/I パッケージに組み込まれた SQL 文
    • コンパイルを中止する条件となるエラーの最大数を設定するための -maxmsg オプション
    • 1 つのプログラムあたり最大 4000 のインクルード ファイル
  • PL/I ランタイム システム - 次の機能がサポートされるようになりました。
    • PLIDUMP の呼び出しとは別に必要に応じて Windows の「ミニダンプ」または Linux のコアダンプを生成。
    • TITLE オプションを使用したデータセットの動的割り当て。
    • 呼び出し先のサブルーチンで COBOL RTS エラーが発生した場合に ERROR 条件として処理。
    • FILE 変数の DCB は、使用されるコンテキストに応じて異なる場合があります。
    • ENVIRONMENT の RECSIZE() 属性内でオープン時にアクセスされた STATIC FIXED BIN(31) 変数。

製品ドキュメント

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このリリースの新機能は次のとおりです。

  • COBOL と他のマネージ言語の比較」のドキュメントが更新され、.NET および JVM COBOL のサポートについての最新の機能拡張の内容が反映されました。