Enterprise Developer 2.2 Update 2 の新機能

このリリースでは、次の各項目が強化されています。

Eclipse

Enterprise Developer には、次の新機能および機能強化が含まれています。

  • Eclipse 4.2 および 4.3 のサポート - Enterprise Developer は Eclipse 3.8 とともに出荷されますが、Eclipse 4.2 および 4.3 にも対応します (32 ビット IDE のみ)。新しいバージョンの Eclipse で Enterprise Developer を使用するには、先に Enterprise Developer をインストールしてから、%ProgramFiles(x86)%\Micro Focus\Enterprise Developer\installer にある installeclipseplugins.bat スクリプト(UNIX) を使用します。詳細については、「Eclipse の他のインスタンスへのインストール」を参照してください。
  • リモート JVM COBOL プロジェクト - このリリースでは、リモート JVM COBOL プロジェクトのサポートが強化されています。
  • リモート プロジェクトの接続 - リモート接続の問題に使用する診断ツールが強化されています。リモート プロジェクトへの接続の問題およびMicro Focus Enterprise Developer UNIX Componentsへの接続の問題を診断するための、クライアント側の診断ツールおよびサーバー側の診断ツールが提供されました。完全な診断を行うには、両方のツールを実行する必要があります。

文字セットの強化

MFCODESET 環境変数を使用して利用可能な次の文字セットが、このリリースで強化されているかまたは追加されています。

  • タイ語拡張 (0066) - 新規
  • 韓国語 (0082)
  • 簡体字中国語 (0086)
  • 繁体字中国語 (0886)

また、多くの 2 バイト文字セットが 1 バイト文字と 2 バイト文字混合の変換に対応するようになりました。詳細については、「環境変数:アルファベット順」の MFCODESET の定義を参照してください。

コード分析

Enterprise Developer のこのリリースでは COBOL プログラムのデッド コード分析に対応し、これにより未参照の項目または実行されないコードを検出できます。

AppMaster Builder

AppMaster Builder Database View and maintenance support (Data Views とも呼ばれます) が、Eclipse フレームワークで Enterprise Developer 向けに提供されるようになりました。これにより、Mainframe Express Enterprise Edition の一部である AMB データベース ビュー インターフェイスを呼び出す必要がなくなります。この機能を使用するには AMB Eclipse プラグインをインストールする必要があります。

Data Views を使用すると、データベース ビューを作成および管理したり、PSB および DBD のソースを COBOL プロジェクトに追加してコンパイルしたりする作業のすべてを、Eclipse フレームワークから実行できます。

データベース アクセス

データベース アクセスのサポートには次の新機能が含まれています。

COBSQL
Eclipse では、新しい KEEPCOMP 指令によって、リトルエンディアン プラットフォーム上の Oracle アプリケーションでの COMP/COMP-5 の問題を解決できます。
DB2 LUW 用 HCO
このリリースでは、新しい DB2 ECM コンパイラ指令オプションの GEN-HV-FROM-GROUP が導入されており、これは、複数レベルのグループ変数が FETCH またはシングルトン SELECT DB2 文で使われる際に、すべての基本データ項目のホスト変数を生成します。
SQL Server 用 HCO (HCOSS)
今回のリリースには、次の新しい HCOSS 機能が含まれています。
  • DATE/TIME フォーマット - OpenESQL 構成ユーティリティで、HCOSS バッチ ユーティリティの DATE/TIME フォーマットをサポートするようになりました。
  • 複数行 INSERT - 複数行 INSERT 文をサポートします。
OpenESQL
このバージョンには、次の新しい OpenESQL 機能が含まれています。
  • SQL Server 2014 のサポート。
  • 新しい SQL コンパイラ指令オプション。
    • DETECTDATE=SERVER - SQL テーブルでホスト変数と列データ型の整列を解決します。
    • GEN-HV-FROM-GROUP - 複数レベルのグループ変数が FETCH またはシングルトン SELECT SQL 文で使われる際に、すべての基本データ項目のホスト変数を生成します。
  • サンプル アプリケーション - このバージョンには、次のネイティブ COBOL SQL の新しいサンプル アプリケーションがあります。
    • Get Diagnostics - GET DIAGNOSTICS EXEC SQL 呼び出しを使用して各種の DBMS から診断情報を取得する方法を示します。
    • LOB データ型 - 各種 DBMS を使用してネイティブ アプリケーションで LOB データの INSERT および SELECT LOB を実行する方法を示します。
SQL Option for DB2
このバージョンでは次のサポートが追加されています。
  • DSNUTILB LOAD LOG=NO オプション
  • RID スカラー関数
  • メインフレーム DB2 への XDB リンクによる XML データ型のサポート
XA スイッチ モジュール
このバージョンでは次の XA スイッチ モジュールの更新が提供されています。
  • Oracle スイッチ モジュール - Windows および UNIX プラットフォーム
    • 静的な登録時にユーザー偽装をサポートします。
    • どの XA リソース定義がユーザー偽装を使用するかを指定できます。
    • 2 つのソース ファイルでなく 1 つのソース ファイルでコンパイルできます。
  • SQL Server スイッチ モジュール- Windows プラットフォームのみ
    • どの XA リソース定義がユーザー偽装を使用するかを指定できます。
    • 2 つのソース ファイルでなく 1 つのソース ファイルでコンパイルできます。

Enterprise COBOL 5.1 互換性

Enterprise COBOL 5.1 との互換性を高めるため、このバージョンの Enterprise Developer では、数々の機能強化が加えられています。

注: これらの強化は DIALECT(MF) および DIALECT(ENTCOBOL) の両方で提供されます。
  • 次の指定が XML GENERATE 文に追加されています。
    • NAME
    • SUPPRESS
    • TYPE
  • 次の組み込み関数が追加されています。
    • ULENGTH
    • UPOS
    • USUBSTR
    • USUPPLEMENTARY
    • UVALID
    • UWIDTH
  • いくつかの予約語およびコンテキスト依存の予約語が追加されています。それらの一覧については、「予約語一覧表」および「文脈依存語一覧表」の各トピックを参照してください。

External Call Interface (ECI)

ECI の強化には次が含まれます。

  • Java クライアント用 ECI は 32K の COMMAREA に制限されません。実質的にチャネルのあらゆるサイズのコンテナーを無制限に CICS サーバー プログラムに転送できるようになりました。詳細については、「ECI Java Interface」を参照してください。
  • ECI の IBM 実装での Java サポート、ここでは Micro Focus 実装を使用します。
  • WebSphere の ECI RA。ただしこのリリースでは、サーブレットまたは JSP 用の IMTK ツールは提供されません。

外部セキュリティ機能 (ESF)

Enterprise Server の外部セキュリティ機能 (ESF) は、一部のセキュリティ問い合わせ結果をキャッシュする機能をサポートするようになりました。この強化により、外部セキュリティを使用するようにエンタープライズ サーバー インスタンスおよび MFDS を構成する場合、これら双方のパフォーマンスを向上できます。

キャッシュを有効にするには、個別のエンタープライズ サーバーの [MFDS Security] タブ、[Default ES Security] タブ、または [Security] タブの [Cache limit] 設定 (キャッシュの上限サイズ) および [Cache TTL] 設定 (Time To Live、キャッシュした結果の期限が切れるまでの時間) にゼロ以外の値を設定する必要があります。(現在、セキュリティ マネージャーのキャッシュ設定に有効性はなく、上記 3 つの「セキュリティ」ページのいずれかでキャッシュ パラメーターを設定する必要があります)。

詳細については、「http://supportline.microfocus.com/examplesandutilities/doxygen/caching.html」を参照してください。

IMS Connect

このリリースでは、Java IMS Connect メッセージをサポートするようになりました。なお IBM 提供の HWSJAVA0 入出力出口を合わせて使用する場合を除きます (その出口に対するカスタマイズを除く)。

PL/I の一般的な強化

次の各項目が強化されています。

  • 属性 - PL/I DECLARE 文が OPTIONAL 属性をパラメーター記述子リストの一部として、またはパラメーター宣言の属性としてサポートするようになりました。これにより、z/OS 環境からアプリケーションを移行する場合の機能性と言語の互換性が高まります。
  • 組み込み関数 - PL/I コンパイラおよびランタイム システムが PRESENT および OMITTED 組み込み関数をサポートするようになりました。これにより機能性が強化され、z/OS 環境からのアプリケーション移行を検討している場合は言語の互換性が高まります。
  • CodeWatch - このリリースには、次の強化が含まれます。
    • CodeWatch がネイティブの 64 ビット環境でサポートされるようになりました。これにより、CodeWatch デバッガーがネイティブの 64 ビット モードで適切に実行することが保証されます。この強化で、PL/I デバッガーは処理速度の高速化によって、大容量のストレージにアクセスする大規模なプログラムをデバッグできるようになります。
    • CodeWatch 状態の通知 - コマンド ラインおよび UI を使用して、現在記録されているすべての PL/I 状態の通知をオンまたはオフにできます。通知を使用することで、プログラムの状態を調査し、プログラムの実行を続ける前にオプションでブレークポイントを設定できます。
  • 複合演算子 - PL/I マクロ プリプロセッサでは、マクロ割り当て文の中で複合演算子 +=、-=、*=、/= に対応するようになりました。
  • エラー処理 - CICS で実行する PL/I プログラムのエラーを処理する一貫した方法となる、EXEC CICS HANDLE ABEND チェックを使用できるようになりました。これはメインフレームでのエラー処理と一致しています。EXEC CICS HANDLE ABEND によって、CICS で実行するプログラムのエラー処理が決まります。CICS によって検出される状態が EXEC CICS HANDLE ABEND により確立されている場合、その状態は異常終了の原因になり、PL/I ON ユニットは制御を行いません。EXEC CICS HANDLE ABEND が確立されない場合、CICS は CICS により定義されたアクションが実行されると判断しますが、通常これはトランザクションの異常終了につながります。
  • PL/I データ構造 - このリリースでは、データファイル ツールの PL/I データ構造のサポートが強化されています。PL/I 構造マップ (.str) を IDE から容易に生成できるようになり、さらにデータファイル ツールから PL/I データ ファイルのフォーマットされたレイアウトを生成できます。これにより、PL/I データ ファイル レコード内の各フィールドの内容を表示し、データ項目のオフセット、長さ、および raw 形式を気にせずに論理的な方法でレコードを編集できます。

PL/I エディターの強化

このリリースでは、新たに強化された PL/I エディターが Eclipse に含まれています。次の機能があります。

  • 構成可能なバックグラウンドの構文解析。
  • 構文エラー レポート - 赤い波線を使用してコード中のエラーに印をつけます。
  • エディターの構成設定 - 水平ルーラーの表示と非表示を切り替え、マージンの表示線のオンとオフを切り替え (Mainframe Subsystem プロジェクトの列 2 および 72 で、およびネイティブ プロジェクトの列 72 のみで)、構文の色分けおよびスマート編集モードを構成できます。
  • スマート編集モード - 改行時やマージン周囲のワード ラップ動作、および HomeEnd の各キーを使用したカーソル移動を定義します。
  • 折りたたみ - プロシージャのリージョンおよびプロシージャに含まれるブロックの折りたたみと展開をサポートします。
  • コンテンツ アシスト - PL/I キーワード、変数、および構文テンプレートの挿入を支援します。
  • 最も一般的に使われる PL/I 文の構文テンプレート。
  • ブロック選択 - ツールバーのボタンを使用してモードを切り替えます。
  • ブレッドクラム ナビゲーション - ソース プログラムと依存関係インクルード ファイル間を迅速に移動できます。
  • [Outline] ビュー - プログラム内のプロシージャ宣言および構造宣言の構造を示します。[Outline] ビュー内の項目をクリックするとカーソルがコード内のその項目に移動し、コード内の項目をクリックするとカーソルがビューの同項目に移動します。
  • [Include Dependency] ビュー - ソース ファイルの構造のどこに INCLUDE 文が表示され、それらがどのインクルード ファイルを参照するかを示します。
  • F3 を使用してエディターから直接インクルード ファイルを開く。
  • タスク作成 - TODO または FIXME をコードのコメントに挿入し、タスクを自動的に作成します。作成されたタスクは [Task] ビューに表示されます。

Rumba 9.2

Enterprise Developer のこのリリースには Micro Focus Rumba 9.2 が含まれており、セットアップ プロセスの一部としてオプションでインストールできます。Enterprise Developer のライセンスには、Rumba の全コンポーネントのライセンスが含まれています。

トランザクション クラス (テクノロジ プレビュー)

トランザクション クラスは、システムでの CICS® タスクの数を制限するメカニズムを提供します。多数のトランザクション クラスにわたりタスクを分散し、各トランザクション クラス内のディスパッチできるタスクの最大数を構成することにより、タスク間のリソース競合を制御し、タスク接続時に CICS にディスパッチ可能と見なされるタスクの数を制限できます。

チューナー

このリリースには、次の新しいチューナーが含まれています。

  • reduce_java_signals - Java と COBOL を併用する場合に、JVM に渡されるオプションを指定します。