Enterprise Server のダイナミック デバッグを使用してライブ記録を作成するには

次のガイドラインを使用して、特定のサービスまたはアプリケーションの一致条件を作成します。この条件に一致した場合は、Eclipse IDE でデバッグ用に再生可能なライブ記録ファイルが生成されます。

  1. Enterprise Server Administration に接続します。
  2. ライブ記録ファイルを生成するエンタープライズ サーバー リージョンに対してダイナミック デバッグを有効にします。
  3. サービスまたはアプリケーションをまだディプロイしていない場合は、サーバーにディプロイします。
  4. プログラムがサービス (Web サービスまたは J2EE) の場合は、クライアント プログラムを作成して、そのサービスに対する要求を送信します。
  5. UNIX シェル プロンプトで、ライブ記録の対象となるサービスまたはアプリケーションの詳細を指定して、cobeslr ユーティリティを実行します。次の引数を使用します。
    引数 説明 使用法 適用先
    type デバッグするアプリケーションまたはサービスのタイプに応じて、CICS | JCL | WS | J2EE | IMS のいずれかを指定します。 必須 すべて
    tranid=<transaction-id> デバッグする CICS または IMS トランザクション。 省略可能 CICS、IMS
    termid=<terminal-id> 端末 <terminal-id> から開始された CICS または IMS トランザクションのみをデバッグします。 省略可能 CICS、IMS
    userid=<user-id> <user-id> によって開始された CICS または IMS トランザクションのみをデバッグします。 省略可能 CICS、IMS
    progid=<prog-id> CICS または IMS プログラム <prog-id> のみをデバッグします。 省略可能 CICS、IMS
    jobname=<job-name> JCL ジョブ <job-name> のみをデバッグします。 省略可能 JCL
    stepname=<step-name> JCL ステップ <step-name> のみをデバッグします。 省略可能 JCL
    jobnumber=<job-number> JCL ジョブ <job-number> のみをデバッグします。 省略可能 JCL
    program=<program-name> JCL プログラム <program-name> のみをデバッグします。 省略可能 JCL
    ipaddress

    デバッグする Web サービスを要求するために使用するクライアントの IP アドレスを指定します。次の形式でアドレスを入力します。

    xxx.xxx.xxx.xxx
    省略可能 Web サービスのみ
    servicename

    サービスの完全修飾名を指定します。入力形式として、サービス名の後に、Web サービスの場合はシャープ記号 (#)、J2EE の場合はドット (.) を付加し、その後にデバッグする操作の名前を続けます。たとえば、ディプロイした Web サービスのサービス名が http://tempuri.org/wmapserv、デバッグする操作が Read の場合、完全修飾サービス名は次のようになります。

    http://tempuri.org/wmapserv#Read
    省略可能 Web サービスおよび J2EE
    server デバッグするサービスを実行しているエンタープライズ サーバー リージョンを指定します。 必須 すべて

    次に例を示します。 cobeslr type=WS server=ESDEMO servicename=http://tempuri.org/wmapserv#Read

    これで、cobeslr によって、server パラメーターで指定したエンタープライズ サーバー リージョンに詳細が渡されます。

  6. ESMAC の [Dyn.Debug] ページで、有効になっているアクティブな一致条件を表示できます。詳細については、「View the List of Attached Debuggers」を参照してください。
  7. クライアント プログラムを実行し、必要なサービス、トランザクション、ジョブなどを実行して、ライブ レコーダーが起動されるようにします。

    一致条件によってライブ レコーダーが起動されると、ライブ記録ファイル (.mfr ファイル) がエンタープライズ サーバー リージョンのシステム ディレクトリに作成されます。たとえば、上の例では、クライアントが要求を送信すると、記録が開始されます。特定のトランザクションが実行された場合に、CICS 条件によって、ライブ記録を開始することもできます。また、特定のステップが実行された場合に、JCL 条件によって、ライブ記録を開始することもできます。

    一致条件は有効なまま維持されます。したがって、再度条件に一致すると、同様にライブ記録が行われます。つまり、短時間に多数の .mfr ファイルが作成される可能性があるということです (CICS トランザクションが何度も実行される場合など)。記録ファイルには、ファイル名が一意になるように SEP、タスク、および PID の詳細を含む名前が付けられるため、多数のファイルが作成された場合でも特定の記録を識別できます。

ヒント: 一致条件を削除するには、その条件を設定する際に使用した cobeslrremove オプションを追加して実行します。たとえば、上の例の場合は、次のようになります。
cobeslr remove type=WS server=ESDEMO servicename=http://tempuri.org/wmapserv#Read

また、ESMAC の [Dyn.Debug] ページから条件を削除することもできます。

これで、ライブ記録ファイルが作成されました。このファイルは、生成されたその他のネイティブ COBOL ライブ記録と同様にデバッグできます。「ライブ記録をデバッグするには」を参照してください。