TLOG ファイル

IMS データベースのバックワード回復およびフォワード回復において使用されるトランザクション ログ ファイル (TLOG) について説明します。

TLOG ファイルのプロパティ

以下の環境変数を使用して、TLOG ファイルのプロパティを指定します。

ES_IMS_DB_TLOG_WRITETHRU
0 (ゼロ) に設定すると、TLOG バッファーからディスクへのフラッシュが COMMIT 時にのみ強制されます (デフォルト)。1 に設定すると、TLOG バッファーからディスクへのフラッシュがすべてのデータベース入出力時に強制されます。
ES_IMS_TLOG_COMPRESS
0 (ゼロ) に設定すると、バックワード回復 TLOG ファイルの圧縮が無効になります。圧縮されない場合、このファイルにはデータベースの回復に必要な情報のみが含まれます。デフォルトは有効です。
注: 有効な場合、Enterprise Server は情報が古くなった際にファイル内のスペースを解放します。
ES_IMS_TLOG_FLUSH
1 に設定すると、TLOG およびデータベース バッファーからディスクへの頻繁なフラッシュが強制されます。
警告: データベース更新の回数、コミットの頻度、その他のコンピューター活動によっては、ES_IMS_TLOG_FLUSH を使用するとパフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。
注: この環境変数は非推奨です。TLOG バッファーをフラッシュするには ES_IMS_DB_TLOG_WRITETHRU を、データベース バッファーをフラッシュするには ES_IMS_DB_COMMIT_FLUSH を使用してください。
ES_IMS_TLOG_MAXSIZE
IMS DB トランザクション ロギング ファイルの最大サイズ (バイト単位)。デフォルトは 4 GB または h"FFF00000" です。
ES_IMS_TLOG_PATH
IMS DB トランザクション ロギング ファイルの場所。デフォルトは Enterprise Server システム ディレクトリです。
注: ログ ファイルは、作成した後、移動はできますが名前の変更はできません。データベースを回復する前に、すべてのログ ファイルを ES_IMS_TLOG_PATH で指定したディレクトリに入れる必要があります。
ES_IMS_TLOG_THRESHOLD
IMS DB トランザクション ロギング ファイルのしきい値サイズ。このサイズに達すると、現在の TLOG ファイルが閉じて、新しい TLOG ファイルが後続のトランザクション用に作成されます。デフォルトは 2 GB または h"7FFFFFFF" です。

データベースの回復に使用される TLOG ファイル

IMS データベースの回復に使用される実際の TLOG ファイルは、フォワード回復が有効か無効かによって異なります。

フォワード回復が有効である場合
フォワード回復とバックワード回復の両方で、最新のフォワード回復 TLOG ファイルが使用されます。
注: フォワード回復が有効な際に作成された TLOG ファイルは、上書きされることがないためバックアップされません。
フォワード回復が無効である場合
バックワード回復では、デフォルト ログ ファイル IMSDB.TLOG が使用されます。デフォルト ログ ファイルは、新しいものが作成される場合は必ずバックアップされます。

TLOG 命名規則

フォワード回復が無効な場合に作成および使用される IMSDB.TLOG ファイルを除いて、Enterprise Server はこの命名規則を使用して TLOG ファイルを生成および名前変更します。

serverName-YYMMDDhhmmssmm.TLOG

serverName はデータベースが保存されているサーバーの名前であり、yymmddhhiisscc の各 2 桁はそれぞれ年、月、日、時、分、秒、ミリ秒を示します。

データベースのサイズおよびトランザクションの量によっては、回復ログ ファイルのサイズは非常に大きくなる可能性があります。大量のログを適切に管理するために、Enterprise Server では、拡張ログが作成されることがあります。拡張ログ ファイルは、元のログ ファイルに 001、002 などの拡張番号を付加した名前になります。

回復プロセス中、Enterprise Server はログ ファイル タイム スタンプを使用して復元に必要なログ ファイルを判定し、回復から古いログ ファイルを除外します。これにより、回復の完了に要する時間が最小限に抑えられます。

TLOG ファイルの内容

TLOG ファイルの内容は、次のように cobfhtlog ユーティリティを使用して表示できます。

  1. Enterprise Developer command promptを起動します。手順については、「Enterprise Developer command promptを起動するには」を参照してください。
  2. ES_IMS_TLOG_PATH 環境変数で指定したディレクトリに移動します。
  3. 次のように入力します。
    cobfhtlog filename
    filename は、TLOG ファイルの名前です。

ファイルの内容が画面に出力されます。次の例は、TLOG ファイルの内容のスニペットを示しています。

rollfwd data
    data len: 00019
    data    : 100000006 00000006
    …..
commit prep
     session: 0000000002
    sequence no: 00000000000000000006
    date time: 17081415252517
     …..
commit begun
     session: 0000000002
 sequence no: 00000000000000000007
     date time: 17081415252523
      …..
commit comp
     session: 0000000002
 sequence no: 00000000000000000008
     date time: 17081415252523
注: 上の例で、commit compdate time 値は、回復ユーティリティおよび Recover 関数の PITR パラメーターで使用できる時点を表しています。詳細については、「Recover 関数」および「回復ユーティリティ」を参照してください。