XML とは

本書では、構造化された情報をテキスト ベースの形式で表現するための特定の方法に関連する仕様および製品全体を XML と呼んでいます。具体的には、XML と呼ばれるマークアップ言語が World Wide Web コンソーシアム (W3C) によって規定されています。XML は HTML と密接に関連しており、この技術を土台としています。XML の主な開発目標は、HTML より汎用性が高く、できるだけシンプルな言語を実現することでした。HTML は情報の表示に関連しています。データの表示を目的としており、データの外観に重点が置かれています。一方、XML は情報の記述に関連しています。データの記述を目的としており、データの内容に重点が置かれています。XML が考案されて以来、この新しい情報表現形式の可能性を引き出すためにさまざまな XML 関連仕様が世に送り出されてきました。現在進行中のものも数多くあります。

COBOL プログラミングにおいては、XML をテキスト ドキュメントのマークアップ言語と考えるのではなく、汎用的な抽象データ モデルのテキスト ベースのエンコーディングと考えることをお奨めします。このデータ モデルと、その COBOL データ モデルとの類似性が、新旧の COBOL アプリケーションを他のアプリケーションやシステムと最新の方法で連携させるうえで大いに役立ちます。

XML が COBOL プログラマーにとってきわめて重要である理由は主に 2 つあります。1 つ目の理由は、XML が急速に Web での情報交換の標準的な方法となりつつあることです。2 つ目の理由は、COBOL のデータ操作方法と XML の情報モデルの間のほぼ完璧な連携により、XML で接続された世界でビジネス データ処理機能を表現するための言語としてはおそらく COBOL が最善の選択肢となることです。