Net Express プロジェクトから Visual Studio プロジェクトへの変換

Enterprise Developer には Net Express プロジェクトのインポート ウィザードが含まれており、既存の Net Express プロジェクトを Visual Studio にインポートしてそれらを Visual Studio プロジェクトに変換できます。

ウィザードは、Net Express プロジェクト ファイル、その構成設定、および依存関係を分析し、この情報に基づいて 1 つ以上の Visual Studio ネイティブまたはネイティブ メインフレーム プロジェクトを作成します。さらに既存のソース コードを新しいプロジェクトにインポートします。そしてプロジェクトを設定し、元の Net Express プロジェクトで使用されていたファイル プロパティを設定します。ウィザードは詳細な変換レポートも生成します。

Net Express プロジェクトのインポート ウィザード は、Net Express プロジェクトから次の情報を取得します。
  • ファイルの依存関係とプロジェクトにより生成されるすべての出力ファイル タイプ
  • ビルドされるアプリケーションのタイプ (コンソール アプリケーションやライブラリなど)
  • 一般デバッグ ビルドや一般リリース ビルドなどのビルド構成
  • 既知の場所 (ソリューション フォルダー ツリー、ソリューションからのリンク、インストールの cpylib フォルダーなど) に置かれていないコピーブックのパス
  • コンパイラ指令およびビルド設定
  • アプリケーションの起動方法 (コマンド ライン引数など)
注: Net Express プロジェクトの変換や、Enterprise Developer へのアップグレードについてご質問またはご意見がある場合は、Micro Focus コミュニティのページ (http://community.microfocus.com/) をご利用ください。このページは、Micro Focus や他の Enterprise Developer ユーザーとの交流の場としてご利用いただけます。

Net Express プロジェクトの構造は Visual Studio ソリューションの構造に似ており、ソリューションではアプリケーション全体を表します。ソリューションには複数のプロジェクトを含めることができ、各プロジェクトが単一または複数の出力ファイルを生成します。最終的なアプリケーションには .exe、.dll、.int、および .gnt ファイルが混在できます。

  • 使用可能な構成で生成された出力ファイルに応じて (一般デバッグ ビルド、一般リリース ビルド、カスタム ビルド タイプなど)、Net Express プロジェクトは、次に示すさまざまな Visual Studio プロジェクト タイプに変換されます。
    Net Express プロジェクトによって作成されたファイル 変換後の Visual Studio プロジェクト タイプ
    単一出力ファイル 単一 Visual Studio プロジェクト
    実行可能ファイルの混合 - .exe および .dll ファイル 同一ソリューションの複数の Visual Studio プロジェクト、個々のプロジェクトが単一の実行可能ファイルを生成 – .exe または .dll ファイル。
    .int または .gnt ファイルのみ .int または .gnt にコンパイルされたプログラムを含んでいるマルチ出力 INT/GNT プロジェクト。このプロジェクトは単一の .int ファイルまたは .gnt ファイルを生成し、これらは元の Net Express プロジェクトの出力と同等です。
    注: Net Express に含まれていた .gnt ファイルは、Enterprise Developer では使用できず、無視されます。
    .lbr ファイルのみ Net Express プロジェクトの個々の .lbr ファイルについては、ウィザードは対応する INT/GNT プロジェクトを生成しそのプロジェクトが単一の .lbr ファイルにコンパイルされます。
    注: Enterprise Developer によって生成される .lbr ファイルには COBOL プログラムのみが含まれ、データ ファイルが含まれることはありません。

    プロジェクトの一部である任意のデータ ファイルは出力フォルダーにコピーできますが、それらのファイルは個別のファイルとして存在し .lbr にはパッケージされません。データ ファイル プロパティの [出力ディレクトリにコピー] プロパティを使用してこれを構成できます。

    各種出力ファイル タイプの組み合わせ (.int、.gnt、.lbr、.exe、または .dll) Visual Studio ソリューションの複数のプロジェクト、それらの個々のプロジェクトが上述のように出力ファイルを生成します。
    実行可能なターゲット (exe、lib、または dll) を含まないプロジェクト アプリケーション レベルの依存関係を保持しているためにメイン出力ディレクトリにコピーされるプロジェクト。
  • コピーブックのパスは、Visual Studio プロジェクトの構造、およびファイルにどのような依存関係があるかによって決まります。あるファイルが異なるフォルダーの別のファイルに依存する場合、そのフォルダーがコピーブックのパスに追加されます。
  • コンパイラ指令は、Net Express プロジェクトから取得され、Visual Studio プロジェクトのオプションおよびデバッグ、リリース、または他のカスタム構成のファイル プロパティを有効にすることで設定されます。プロジェクトまたはファイル プロパティに対応するオプションがない指令は、プロジェクトまたはファイル プロパティの [Additional Directives] フィールドに追加されます。

Net Express アプリケーションの Enterprise Developer へのアップグレードの詳細については、「Enterprise Developer へのアップグレード」を参照してください。