Recover 関数

回復ログ ファイルを使用して 1 つまたは複数のデータベースを回復します。
Recover 関数は、IMS フォワード回復に含まれる回復ユーティリティのコマンド ライン バージョンです。コマンド ラインに名前で指定された単一データベース、または入力ファイルにリストで指定された複数のデータベースを回復します。回復が完了すると、出力ファイルに回復処理の結果が示されます。回復ユーティリティの詳細については、「回復ユーティリティ」を参照してください。
重要:
  • Recover 関数を実行する前に、イメージ データベースを現在のディレクトリまたは ES_IMDAT 環境変数によって指定されたディレクトリにコピーしてください。
  • Recover 関数を使用するには、JCL は不要なのでアクティブなエンタープライズ サーバーは必要ありません。

構文

mfims imsdbu RECV {database-name|filename}
     [PITR(YYMMDDhhmmssmm)]
     [ABEND(NO|YES)]
     [[NO]CLS] 
     [ECHO(keyword,msglvl,stoplvl
     [[NO]INI(filespec)]
     [[NO]LIST(filespec)]
     [LISTOPEN(disp)]
     [[NO]LOG(filespec)]
     SERVER(server-name)
     [TLOGPATH(path)]

パラメーター

database-name
関数の実行対象のデータベースの名前。
filename
関数の実行対象のデータベースのリストを含むファイルの名前。
PITR
特定の時点に回復。
サブパラメーター
YYMMDDhhmmssmm データベースを回復する特定の時点。年、月、日、時、分、秒、マイクロ秒をそれぞれ 2 桁ずつで示します。区切り文字はオプションであり、合計で 25 文字までの制限に収まっていれば、数や位置に制限はありません。

有効にするには、指定した日時が TLOG ファイルに記録されている commit comp の date time と一致している必要があります。この情報を TLOG ファイルで確認する方法については、「TLOG ファイル」のトピックを参照してください。

ABEND
回復ログ ファイルで日付の不一致が検出された場合の動作を決めます。
デフォルト: ABEND(NO)
サブパラメーター
NO 回復ログ ファイルで日付の不一致が検出された場合でも、回復処理は続行します。
YES 回復ログ ファイルで日付の不一致が検出された場合に、回復は中止されます。
CLS
ユーティリティの起動前に画面をクリアします。NOCLS を指定すると、画面の初期クリアは行われません。NOCLS は、コマンド ファイルで一連のユーティリティを実行している場合に役立ちます。
デフォルト: NOCLS
ECHO
IMSDBU が表示するメッセージの表示、およびそれらのメッセージとの対話を制御します。
デフォルト: ECHO(MSGS,4,8)
サブパラメーター
keyword 表示される情報のカテゴリ。次のいずれかを指定します。
ALL
処理メッセージ、入力ソースまたは詳細情報、および終了メッセージを常に表示します。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
MSGS
処理メッセージおよび終了メッセージを常に表示します。ソースや詳細情報は表示されません。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
ERREND
ユーティリティ終了メッセージを常に表示します。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。
ENDMSG
ユーティリティ終了戻りコードが msglvl 以上の場合のみ終了メッセージを表示します。ユーティリティ終了戻りコードが stoplvl 以上の場合は、「Press any key to continue」というメッセージが表示され、入力を求めて停止します。すべての終了メッセージで表示または停止、あるいはその両方を行うには、msglvl または stoplvl (あるいはその両方) の値としてゼロを入力します。
COND
警告またはエラー メッセージ、および終了メッセージは、どちらも msglvl および stoplvl 値を条件としています。メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 値以上の場合は、警告およびエラー メッセージが表示され、ユーザー入力を求めて停止します。終了戻りコードが msglvl 以上の場合は、終了メッセージが表示されます。ユーティリティ終了戻りコードが stoplvl 以上の場合は、入力を求める「Press any key to continue」というメッセージが表示されます。
ERRORS
メッセージ レベルが msglvl および stoplvl 以上の場合は、入力を求める警告およびエラー メッセージが表示されます。終了メッセージは表示されません。
msglvl 表示するメッセージの重大度を示す 4 から 20 までの値。1
stoplvl ユーザー入力を求めて停止するメッセージの重大度を示す 4 から 20 までの値。1
1 次の値を指定できます。
カテゴリ 原因例
4 一般的な警告メッセージ DBDGEN が想定して続行できる DBD ソース内のマイナーなコーディング エラー
6 IMS 固有の警告メッセージ キーワードまたは文がサポート対象外で無視されるという警告 (処理は続行可能)
8 一般的な重大エラー 補正できない DBD ソース内の無効なコーディング (「no DBD statement」など)
10 IMS Option 固有の重大エラー 補正できないサポート対象外の機能が定義されている (「Exceeded some maximum」など)
12 重大エラー - 起こりうる一時的な状態 一時的な入出力エラー (「file locked」または「database locked」状態など)
16 重大エラー - 永続的 - インストールの問題の可能性 永続的な入出力エラー (無効なデータ セット名やメンバー名がユーティリティに入力された場合や、環境変数が正しく設定されていない場合など)
20 重大エラー - 永続的 回復不能な入出力エラーまたは他の予期しないエラー
INI
デフォルトの指令ファイルを指定します。
デフォルト: なし
サブパラメーター
filespec IMSDBU プログラム デフォルトをオーバーライドする指令を含む .INI ファイルの名前および場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) を含められます。ドライブやディレクトリを指定しない場合、IMSDBU は指定された .INI ファイルを現在のディレクトリで検索します。
  2. .INI ファイルにリストされた指令は、IMSDBU プログラム デフォルトをオーバーライドします。
  3. コマンド ラインまたは対話式画面で入力された指令は、.INI ファイル内の指令をオーバーライドします。
  4. NOINI を指定すると、.INI ファイルによるプログラム デフォルトのオーバーライドは行われません。
  5. 指定した .INI ファイルが存在しない場合は、NOINI を指定した場合と同様にプログラム デフォルトの指令が使用されます。
一般規則
  1. .INI ファイルは ASCII テキスト形式のファイルで、見出し [IMSDBU] を行 1 に含み、列 1 から始まり、1 行に 1 つの指令が含まれる mfims imsdbu 指令のリストが続きます。行は改行またはファイルの末尾で終了します。コメント行は、列 1 にアスタリスク (*) またはセミコロン (;) があることで示されます。次に例を示します。
    [IMSDBU]
    PROGRESS(1000)
    ;use local log
    LOG(C:\MYDIR\MYDB.LOG)
LIST
各回復ログが処理されるごとに、詳細リスティング ファイルの場所と名前を制御します。このファイルには、データベースごとに適用される更新数に関係する回復統計が含まれています。
デフォルト: RECOVER(*.LST)
サブパラメーター
filespec リスティング ファイルに使用する名前と場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ、あるいはその両方を含めることができます。ドライブやディレクトリを指定しない場合、IMDBU は現在のディレクトリにリスティング ファイルを作成します。
  2. NOLIST はリスティング ファイルの作成を抑制します。
  3. パスを指定するために、パスを表す環境変数名の冒頭にドル記号 ($) を置く表記法を使用できます。たとえば、LIST($ENVVAR\*.DOC) を使用すると、ENVVAR 環境変数によって指定されたディレクトリに dbdname.DOC のリスト ファイルが作成されます。
  4. LIST(*.LST) または LIST(*.RPT) を指定すると、プロジェクト リスティング ディレクトリにリスティング ファイルが作成されます。
  5. パスを指定しない場合、リスティング ファイルは現在のディレクトリに作成されます。
  6. filespec のベース名をアスタリスク (*) として指定した場合、そのアスタリスクは DBD 名に置き換えられます。これにより、IMSDBU は、複数のデータベースに作用することができる関数の個別レポートを提供できるようになります。また、これは DBD 名による履歴詳細レポートの管理にも役立ちます。
  7. LISTfilespec なしで指定するのは、LIST(*.LST) を指定するのと同じです。
LISTOPEN
詳細リスティング ファイルのオープン ディスポジションを制御します。
デフォルト: LISTOPEN(NEW)
サブパラメーター
disp 使用するディスポジション。次のいずれかになります。
NEW
新しいリスティング ファイルを作成するか、既存のリスティング ファイルを上書きします。
MOD
リスト出力を既存のファイルに追加します。既存のファイルがない場合は、新しいリスティング ファイルを作成します。MOD を指定すると、データベース関数の詳細履歴レコードを管理できます。
構文規則
  1. NOLIST を指定した場合、LISTOPEN は無視されます。
LOG
各関数の終了メッセージ状態を示す IMSDBU アクティビティ ログを指定します。
デフォルト: LOG (IMSDBU.LOG)
サブパラメーター
filespec IMSDBU アクティビティ ログとして使用するファイルの名前および場所。
構文規則
  1. filespec には、必要に応じてドライブまたはディレクトリ (あるいはその両方) を含められます。ドライブやディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリにリスティング ファイルが作成されます。
  2. NOLOG を指定すると、ログ ファイル出力は抑制されます。
一般規則
  1. ログ ファイルが存在しない場合は作成されます。
  2. ログ ファイルは、ファイルの末尾に書き込まれた最新のエントリを含む履歴ファイルです。
  3. ログ ファイルは時間とともにサイズが大きくなるため、状況に応じて定期的に削除する必要があります。
SERVER
エンタープライズ サーバーの名前を指定します。
デフォルト: なし
サブパラメーター
server-name 回復ログ ファイルの作成時にアクティブだったエンタープライズ サーバーの名前。
TLOGPATH
回復ログ ファイルの場所を指定します。
デフォルト: 最初に現在のディレクトリ、次に ES_IMS_TLOG_PATH 環境変数によって指定されたパスをチェックします。
サブパラメーター
path 回復ログ ファイルがある場所へのパス。