COBOL のビルドに関するヒント

ここでは、Visual Studio IDE におけるプロジェクトの操作および COBOL アプリケーションのビルドに関するいくつかのヒントを説明します。

プロジェクトへのファイルの追加
ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックします。[追加 > 新しい項目] を選択して、プロジェクト ディレクトリでサポートされているタイプから新しいファイルを作成します。COBOL 以外の既存のファイルを追加するには、[追加 > 既存の項目] を選択し、ファイルの場所を参照して選択します。これにより、プロジェクト内のリンクがファイルに追加されますが、プロジェクト ディレクトリにはコピーされません。既存の COBOL ファイルを追加するには、[Add Existing COBOL Items] を選択します。
アプリケーション構成ファイル
実行時にネイティブ COBOL アプリケーションで使用される環境変数とプログラミング可能な COBOL スイッチが含まれています。ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックし、[追加 > 新しい項目 > アプリケーション構成ファイル] を選択します。ファイルを編集するには、ソリューション エクスプローラーでファイルを右クリックし、[編集] を選択します。これはネイティブ プロジェクトにのみ該当します。
アセンブリ名/出力名
[プロジェクト > プロジェクトのプロパティ] を選択し、[アプリケーション] タブに移動します。[アセンブリ名] フィールドと [出力名] フィールドで、ビルド対象のターゲット ファイルの名前と出力アセンブリの名前を指定します。
ビルド構成と設定
Visual Studio の標準ツール バーには、デバッグやリリースなど、プロジェクトのアクティブなビルド構成が表示されます。特定の構成の設定は、プロジェクトのプロパティの [COBOL] タブで指定できます。新しいビルド構成を作成したり、既存のビルド構成を編集したりするには、[ビルド > 構成マネージャー] を選択します。
プロジェクトの並行ビルド
Visual Studio の並行ビルドにより、複数 CPU のマシンにおいて複数のプロジェクトをより短時間でビルドできます。ビルド プロセスを最適化するために、並行プロジェクト ビルドの最大数が自動的にコンピューターの CPU 数に設定されます。最大数は 32 です。

並行プロジェクト ビルドの数は、[ツール > オプション > プロジェクトおよびソリューション > ビルド/実行] で設定できます。

複数プロジェクトのソリューションを並行して正常にビルドするためには、[プロジェクト > プロジェクト依存関係] を使用して、プロジェクトの依存関係およびビルド順序をソリューションに応じて必ず正しく設定してください。

Visual Studio またはコマンド ラインから MSBuild を使用する方法でのプロジェクトの並行ビルドの詳細については、Visual Studio のヘルプを参照してください。

制約事項: 並行ビルドは Mainframe Subsystem プロジェクトではサポートされません。
プロジェクト内のファイルの並列コンパイル
制約事項: プロジェクト内のソースの複数プロセッサによるコンパイルは、ネイティブ COBOL に対してのみサポートされます。ネイティブのオブジェクト指向 COBOL アプリケーションでの使用はお勧めしません。

プロジェクト内での並列コンパイルを有効にすると、複数 CPU のマシンにおいて COBOL ソース コードをより短時間でコンパイルできます。

並列コンパイルを有効にするには、プロジェクトのプロパティの [COBOL] ページで [複数プロセッサによるコンパイル] オプションをオンにします。また、[ツール > オプション > Micro Focus > プロジェクト] の [Maximum concurrent COBOL compilations] オプションで最大数を指定します。デフォルトでは、自動的にコンピューターの CPU 数に設定されます。

COBOL 設定
プロジェクト全体の方言、ソース形式、および指令を設定します。[プロジェクト > プロジェクトのプロパティ] を選択し、[COBOL] タブを選択します。
スタンドアロン ファイルのコンパイル
これはネイティブ COBOL にのみ適用されます。プロジェクトの一部ではないスタンドアロン ファイルをコンパイルするには、エディター内を右クリックし、[コンパイル] をクリックします。これにより、IDE が色分けやナビゲーションなどの一部の編集機能を有効にするために使用する .idy ファイルが生成されます。スタンドアロン ファイルに適用されるコンパイラ指令を表示または変更するには、エディター内を右クリックし、[コンパイラ オプション] をクリックします。コンパイル プロセスをキャンセルするには、エディター内を右クリックし、[Cancel Compile] をクリックします。

スタンドアロン ファイルについては、IDE サポートが限定されます。Enterprise Developer で作業するときにはすべてのソース ファイルを 1 つのプロジェクトに含めることをお勧めしています。こうすることで、編集、コンパイル、デバッグなどの IDE のすべての機能が有効になるためです。スタンドアロン ファイルからプロジェクトを作成するには、エディター内を右クリックし、[Create COBOL Project] をクリックします。

コンパイラ指令

コンパイラの動作は、指令を通じて制御することが可能です。たとえば、生成する出力やコンパイルするコード、コンパイルしたコードの実行時の動作などを制御できます。指令を設定するには、[プロジェクト > プロジェクトのプロパティ] を選択し、[COBOL] タブを選択します。[追加指令] フィールドをクリックし、指令をスペースで区切って入力します。

依存関係パス
プロジェクトのコピーブック ファイルを検索する場所です。プロジェクトにコピーブック パスを追加するには、[プロジェクト > プロジェクトのプロパティ] を選択し、[依存関係パス] タブを選択します。
エントリ ポイント/スタートアップ オブジェクト
アプリケーションのメソッドのエントリを定義します。[プロジェクト > プロジェクトのプロパティ] を選択し、[アプリケーション] タブを選択します。[エントリ ポイント]/[スタートアップ オブジェクト] フィールドでプロジェクトのエントリ ポイントを指定します。
[エラー] ウィンドウ
編集中またはコンパイル中に生成されたエラー、警告、およびメッセージが表示されます。エラーをダブルクリックすると、エラーの原因になったコード行にカーソルが移動します。一覧でエラー番号をポイントして F1 キーを押すと、エラーのヘルプを確認できます。
リンクとランタイム環境の設定
プロジェクトのプロパティの [COBOL リンク] タブに移動します。IDE 内からプロジェクトを実行する際の環境変数を指定するには、プロジェクトのプロパティの [アプリケーション] タブで [環境] をクリックします。これはネイティブ コードでのみ使用できます。
出力ウィンドウ
ビルド時に実行されたコマンドのステータス メッセージが表示されます。表示するには、[表示 > 出力] をクリックします。
ステップ オーバー使用時のインライン PERFORM 文へのステップ イン
[ツール > オプション > デバッグ > Micro Focus > COBOL] で有効にします。デフォルトでは、[ステップ オーバー] (F10) を使用するとインライン PERFORM 文がスキップされます。ネイティブ コードでのみ使用できます。
ビルドの中止
[ビルド > キャンセル] を選択します。
リソース定義スクリプト ファイル
アイコンやバージョン情報などの実行不能バイナリ データを実行可能ファイルに追加できます。Visual Studio 以外でリソース スクリプト ファイル (.rc) を作成してから、ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックし、[追加 > 既存の項目] を選択して、そのファイルをプロジェクトに追加します。これはネイティブ プロジェクトにのみ該当します。