オプションの設定

オプションはすべて Enterprise Server Common Web Administration (ESCWA) の [Configuration Information] フィールドで構成します。[CWI] セクションの下の各セクションで「ini」の形式の名前と値のペアを使用して構成します。オプションは、最初の通信プロセスの [Custom Configuration] フィールドまたはその通信プロセスを所有するエンタープライズ サーバー リージョンの [Configuration Information] フィールド (あるいはその両方) で設定できます。サーバーと通信プロセスの設定に競合がある場合は、通信プロセスの設定が優先されます。

[CWI] セクションは複数記述できます。同じオプションが複数回指定されている場合、最後の設定が有効になります。

注: オプションの名前と値について、大文字と小文字は区別されません。

[CWI] セクションのオプション

[CWI] セクションで認識されるオプションは次のとおりです。

Default timeout=seconds
クライアントの CWI の対話において、HTTP 要求の送信後にサーバーからの応答を待機するときに使用するデフォルトのタイムアウト。これは、アプリケーションまたは CICS リソースでオーバーライドできます。

値は秒数で指定します。デフォルト値は 2147483648 (約 68 年) です。

Default connect timeout=seconds
クライアントの CWI の対話において、Web サーバーへの接続を試行するときに使用するデフォルトのタイムアウト。このタイムアウトが適用されるのは、TCP 対話が確立されるまでです。これは、アプリケーションまたは CICS リソースでオーバーライドできます。

値は秒数で指定します。デフォルト値は 30 秒です。

Tracing=integer-value
CWI トレースを有効にします。CWI の処理に関するトレース メッセージが Communications Server ログに書き込まれます。

値は整数です。0 を指定するとトレースは無効になり、値が大きいほどより詳細なトレースが可能になります。現在、追加のメッセージを有効にする最大値は 6 です。デフォルト値は 0 (トレースなし) です。

Relax URL rules=yes|no
クライアントの CWI の対話において、HTTP 要求の URL での非標準文字の使用を許可します。

デフォルトでは、HTTP 要求の URL のパス部分には Communications Server による制限があります。そのため、Communications Server で許可されていない文字が URL に含まれていると、一部の CICS WEB OPEN コマンドが失敗することがあります。使用可能な文字は、英字、数字、スラッシュ、整形式の URL クエリ文字列で許容される文字、および RFC 3986 のセクション 3.3 で定義されている「unreserved」と「subdelim」の文字です。また、正規の UTF-8 のマルチバイト文字シーケンス、URL の 16 進エスケープ シーケンス、および URL のホスト部分を囲む角かっこも許容されます。

このオプションを yes に設定すると、無効な形式の 16 進エスケープまたは UTF-8 シーケンスを含む URL のみが拒否されます。デフォルト値は no です。

Reconnect if server closes=yes|no
クライアントの CWI の対話で自動再接続を有効にします。

Communications Server では、要求を送信する前に必要に応じてサーバーへの自動再接続を試行できます。これにより、CICS WEB SEND でエラーが発生し、アプリケーションで CICS WEB OPEN を別途実行しなければならない状況を回避できます。このオプションは、メインフレームでの CWI の動作を厳密にエミュレートするためにデフォルトでは無効になっています。再開を有効にしても、すべての状況で再開が試行されるわけではなく、成功するとも限りません。アプリケーションの便宜的なオプションとしてのみ使用できます。

このオプションを yes に設定すると、CICS WEB SEND および WEB CONVERSE で必要に応じて対話の再開が試行されます。デフォルト値は no です。

Log client certificates=yes|no
TLS (SSL) を使用する CWI サーバーにおいて、クライアントが受信した証明書に関する情報をログに記録します。

これを yes に設定すると、クライアントからの証明書の送信時に証明書に関するいくつかの情報が Communications Server ログに書き込まれます。デフォルト値は no です。

Sleep time=milliseconds
セッションの可用性をチェックする間隔を構成します。

CWI の実装では、各 CWI セッションで操作をシリアル化することによってスレッド セーフが実現されます。セッションが現在使用中の場合 (CWI の何らかの操作が進行中の場合)、そのセッションを使用しようとするとブロックされます。Communications Server では、セッションが使用可能になったときに検出できるようにポーリング メカニズムを使用します。CPU の過度の使用 (「ビジー待ち」) を避けるために、待機中の各スレッドはセッション状態の次のチェックまでの間スリープします。これはまれな状況であり、アプリケーションで複数のスレッドまたはプロセスから同じ CWI セッションを使用しようとしたときにのみ該当することに注意してください。この設定の変更が必要になることはほとんどありません。

この設定は、スレッドが次のチェックまでスリープする時間 (ミリ秒) を制御します。デフォルト値は 200 ミリ秒です。

注: 値を小さくすると、待ち時間は短くなりますが、CPU の負荷が増加します。
Always send options=yes|no
CWI クライアントの対話において、接続の確立後に HTTP OPTIONS 要求を常に送信するかどうかを制御します。

以前のバージョンの Enterprise Server CWI では、接続の確立後にサーバーに HTTP OPTIONS 要求が常に送信されていました。この情報は、CWI の実装で接続の状態を検証したり、接続先が HTTP サーバーであることを確認したり、サーバーの HTTP のバージョンを判別したりするために使用されます。このオプションは、この動作を無効にするために使用できます。

この情報は、戻りパラメーター HTTPVNUM および HTTPRNUM の一方または両方が指定されていない限り、CICS WEB OPEN コマンドでは必要ありません。メインフレームの CWI では、これらのどちらのパラメーターも WEB OPEN で使用されていない場合、OPTIONS 要求を行いません。このオプションを無効にすると、Enterprise Server CWI はメインフレームをエミュレートし、必要な場合にのみ OPTIONS が使用されます。

このオプションを有効にする利点は、エラーが WEB SEND または WEB CONVERSE を待たずに WEB OPEN によって返されるため、サーバーが正しくない場合や使用できない場合により早く検出できることです。欠点は、メインフレームの互換性が低下すること、およびサーバーとの要求/応答フローが増えることです。また、ほとんどありませんが、まれにサーバー、プロキシ、またはファイアウォールで OPTIONS 要求が正しく処理されないことがあります。

このオプションを no に設定すると、HTTPVNUM または HTTPRNUM (あるいはその両方) が指定されている場合にのみ CICS WEB OPEN で OPTIONS 要求が送信されます。デフォルト値は yes です。

エンタープライズ サーバー リージョンの [Configuration Information] フィールドの例を次に示します。

# Communications options for CICS Web Interface
[CWI]
# Wait no more than 10 minutes for the response to a web request
Default timeout=600
# Log information about client certificates
Log client certificates=yes
# Set this to a value 1-6 to turn on tracing
Tracing=0
これは、リージョンの通信プロセスに属する [Custom Configuration] フィールドに入力することもできます。