切断されたオフラインの DataSet

ADO.NET は、切断されたオフラインの DataSet の使用を完全にサポートします。

DataSet は小規模のデータベースのようなもので、テーブル、列、キー、および制約からなり、データベースから値を取得 (fill) できます。DataSet を変更すると、変更前の値と変更後の値の両方が DataSet に保存されます。これにより DataSet は、分散システム内のサーバーと構成要素間で受け渡された後も、値を取得した元のデータベースと同期を取ることができます。この用途により、DataSet は軽量で簡単な複製ツールと考えることができます。たとえば、あるデータベースから顧客注文のデータを抽出して、データベース サーバーから離れた場所で抽出したデータを処理し、後で、DataSet に加えられた変更とデータベースを同期させるなどです。処理は Web サーバーまたはラップトップで行うことができます。DataSet は処理の間、データベースに接続されていないため、データベースを更新する際にはオプティミスティック同時実行制御を使用する必要があります。

DataSet の内容はリレーショナル データベース以外のソースからロードすることも、これらのソースへ保存することもできます。たとえば、データを格納するために使用する機構が DataSet の内容を処理するアプリケーションを限定しない、XML ファイルや XML ソフトウェア コンポーネントが使用できます。また、DataSet は、WinForms と WebForms のユーザー インターフェイス制御へのデータ結合のサポートにも優れています。つまり、DataSet は複数の言語で記述されているアプリケーション間でのデータ通信に役立ちます。