.NET COBOL のデバッグの概要

Enterprise Developer では、.NET COBOL アプリケーションのデバッグに Visual Studio デバッグ エンジンを使用します。

Microsoft は、強化された .NET デバッグ エンジンを最近のバージョンの Visual Studio に同梱しています。Enterprise Developer は、Visual Studio 2017 以降の .NET COBOL 用のこの新しいエンジンをサポートしています。

Enterprise Developer 4.0 以前では、Visual Studio 2015 以前のバージョン用の古い Visual Studio デバッグ エンジンもまだ使用されています。

注: 既知の問題:
  • ソース コードを再コンパイルしないと、オブジェクト参照の問い合わせが失敗する場合があります。

強化された .NET デバッガーの機能

Visual Studio の新しい .NET デバッグ エンジンには、.NET COBOL のデバッグ時に使用できる次のような各種の機能が用意されています。

  • .NET 後方デバッグ - IntelliTrace 機能を活用して、アプリケーションの実行を記録およびトレースします。
    注: この機能の Visual Studio ソフトウェア要件を確認してください。
  • .NET リモート デバッグ - 別のマシンにディプロイされている .NET COBOL アプリケーションをデバッグできます。
  • [診断ツール] ウィンドウ - パフォーマンス、IntelliTrace、および CPU とメモリの使用量に関する詳細を表示します。
  • COBOL 用の式エバリュエーター:
    • オブジェクト参照を含む複雑な式 (object::[Property][Method])。

      たとえば、System.Environment::GetEnvironmentVariable("PATH")::Split(';') と入力します。

    • $ReturnValue$exception などの組み込み関数。
  • 他の .NET 言語 (C# や Visual Basic など) を使用する場合の強化された統合。
  • デバッガー ウィンドウ (ウォッチクイック ウォッチ、およびイミディエイト) 内の IntelliSense の入力候補。
  • [オブジェクト ID の作成] を使用したオブジェクト追跡
  • パフォーマンスのヒント (PerfTips) - 各文の実行後に経過時間に関する情報を提供します。
  • COBOL ネイティブ デバッガーと同じ方法で表示および項目のグループ化が行われます。
  • オブジェクトは C# や VB と同じように表現されるようになっています。COBOL 固有のデータ形式項目は、[COBOL data] という名前の拡張ノードの下にリストされます。
  • HEX ビューの機能強化。

新しい Visual Studio デバッグ エンジンは、COBOL コンパイラと直接連携します。これにより、デバッグ時に指定されるように任意の有効な COBOL 式を設定できます。Visual Studio は、式が COBOL ソースで直接コーディングされている場合とまったく同じようにエラーを報告します。

マネージ互換モードへの切り替え

次のように、古い .NET デバッグ エンジンの使用に切り替えることができます。

  1. Visual Studio で、[デバッグ > オプション > 全般] をクリックします。
  2. [マネージ互換モードの使用] をオンにします。
注: 古いエンジンに切り替えると、新しい Visual Studio デバッグ エンジンでしか利用できない機能は無効になります。