チュートリアル:クラウドへの Hello COBOL World の発行

本チュートリアルを開始する前に、Microsoft AzureEnterprise Developer 内で使用するための必須ソフトウェアがインストールされている必要があります。詳細については、「追加ソフトウェア要件」を参照してください。

本チュートリアルを完了するには、[Azure Tools] 機能が Enterprise Developer にインストールされている必要があります。この機能が欠落している場合は、インストール手順について、「不足している機能を IDE からインストールするには」を参照してください。

本チュートリアルでは、「Hello COBOL World」クラウド サービスを作成し、それを Microsoft Azure にディプロイして実行する手順を説明します。手順の概要は次のとおりです。

  1. クラウド サービスおよび Web ロールを含む COBOL クラウド ソリューションを作成します。
  2. 「Hello COBOL World」のコードを Web ロールに追加します。
  3. コンピューティング エミュレーターでサービスを実行しデバッグします。
  4. サービスをクラウドに発行しディプロイします。
  5. クラウド上で実行しているサービスを表示します。
  6. Microsoft Azure 内を整理します。

COBOL クラウド ソリューションの作成

次の手順のように、まず IDE に含まれている COBOL クラウド テンプレートを使用して COBOL クラウド ソリューションを作成し、Web ロールのみを選択します。

  1. Enterprise Developer を管理者として実行します。手順については、「Enterprise Developer を管理者として起動するには」を参照してください。
  2. [ファイル > 新規作成 > プロジェクト] をクリックします。
  3. [新しいプロジェクトの作成] ダイアログ ボックスで、[言語] ドロップダウン リストから [COBOL] を選択します。
  4. [すべてのプラットフォーム] を [Azure] に設定します。
    [Azure クラウド サービス (クラシック)] オプションが表示されます。代わりに [Enable Windows Azure Tools] オプションが表示される場合は、Microsoft Azure の必須ソフトウェアがありません。この場合、[Enable Windows Azure Tools] を選択して [OK] をクリックし Microsoft Web サイトにアクセスして、インストールする必要があるソフトウェアをダウンロードします。必要な Microsoft Azure ソフトウェアの詳細については、「追加ソフトウェア要件」を参照してください。
  5. Azure プロジェクト テンプレートを選択して、[次へ] をクリックします。
  6. HelloCOBOLWorld などのプロジェクトの名前を入力し、ソリューションの名前および場所を入力します。
  7. [フレームワーク] ドロップダウン リストから .NET Framework の適切なバージョンを選択し、[作成] をクリックします。 [新しい Microsoft Azure クラウド サービス (クラシック)] ダイアログ ボックスが表示されます。
  8. [ASP.NET Web ロール] を選択して Web ロールのみを作成します。[>] をクリックし、[OK] をクリックします。
新しく作成したソリューションには、クラウド サービスのプロジェクトおよび Web ロールのプロジェクトの 2 つのプロジェクトが含まれています。サービス プロジェクトにはサービス構成ファイルおよび定義ファイルのほか、関連する Web ロールが含まれています。これらはいずれもソリューション エクスプローラーで表示できます。

Web ロールでのコードの編集

このシンプルなサービスでは、次のように「Hello COBOL World」のテキストを追加します。

  1. Web ロール プロジェクトで、Default.apsx ファイルをデザイナー ビューに開きます (ソリューション エクスプローラーで Default.apsx を右クリックし、[デザイナーの表示] をクリック)。
  2. ファイルがデザイナー ビューで開かれている間に、Hello COBOL World のようなテキストを追加します。Visual Studio ツールボックスからボタンおよびその他の UI コントロールを追加することもできます。
  3. ファイルを保存します。

サービスの実行およびデバッグ

この時点で、次のようにソリューションをビルドして、コンピューティング エミュレーターでローカルでテストできます。

  1. ソリューションをビルドします。これは、[ビルド] メニューから行います。
  2. デバッグを開始します。これは、[デバッグ] メニューから行います。

    これにより、ローカル開発環境の Microsoft Azure ストレージ エミュレーターが起動します。エミュレーターは初回の起動時にはある程度時間がかかることがあります。

    次にアプリケーションが実行し、該当する場合、Web ブラウザーが開いて Web ページが表示されます。

  3. コンピューティング エミュレーターの UI を表示します。これを行うには、Windows のタスク バーまたは通知領域で Microsoft Azure エミュレーター アイコンを右クリックし、[Show Compute Emulator UI] をクリックします。

    コンピューティング エミュレーターで、実行中のアプリケーションを監視し、必要に応じてアプリケーションを起動および停止します。トレース メッセージがコンピューティング エミュレーターに表示され、アプリケーションの基本的な機能を確認できます。

Microsoft Azure への発行およびディプロイ

サービスをクラウドにディプロイする前に、Microsoft Azure アカウントを作成する必要があります。また、Visual Studio から直接ディプロイするには、Visual Studio で資格情報を認証できるように、Microsoft Azure で次の項目をまず作成する必要があります。

  • Microsoft Azure サブスクリプション
  • Microsoft Azure クラウド サービス
  • Microsoft Azure ストレージ アカウント

Microsoft Azure 管理ポータルを使用してアカウントおよび上記の項目を作成します。

Microsoft Azure に発行してディプロイするには、次の手順を行います。

  1. ソリューション エクスプローラーでプロジェクトを選択します。
  2. [ビルド > Solution-name の発行] をクリックして、ソリューションを発行します。 Microsoft Azure へのディプロイは今回が初めてである場合、[サブスクリプションの選択] ドロップダウン リストには何も項目が表示されません。この場合は、[サインインして、資格情報をダウンロードする] をクリックして、Microsoft Azure アカウントの資格情報を含むファイルを作成およびダウンロードします。このファイルをダウンロードした後、[インポート] をクリックしてファイルをロードします。これで、Microsoft Azure サブスクリプションの詳細が [サブスクリプションの選択] ドロップダウン リストに表示されます。
  3. 必要な Microsoft Azure サブスクリプションが [サブスクリプションの選択] ドロップダウン リストで選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。
  4. 使用する Microsoft Azure セットアップについて表示された設定が正しいことを確認し、[次へ] をクリックします。
  5. 使用する Microsoft Azure セットアップについて発行サマリーで表示された詳細が正しいことを確認し、[発行] をクリックします。
Microsoft Azure アクティビティ ログが Visual Studio に表示され、発行およびディプロイの状態が示されます。ディプロイには数分かかる場合があります。

クラウド上で実行しているサービスの表示

サービスをディプロイしたら、その実行状況をクラウドで確認できます。正常であれば、コンピューティング エミュレーターを使用してデバッグした場合のような動作がそのまま表示されます。
  1. Microsoft Azure アクティビティ ログで、サービスのディプロイのエントリを展開します。 サービスおよびそのステータスについての各種の情報が表示されます。
  2. [Web サイトの URL] の見出し直下のリンクをクリックします。 Web ブラウザーが開き Web ページが表示されます。正常であれば、コンピューティング エミュレーターを使用してデバッグした場合のような動作がそのまま表示されます。

Microsoft Azure 内の整理

サービスの使用を終えたら、そのディプロイを停止し Microsoft Azure から削除する必要があります。停止しないと、使用していないステータスでも課金が継続します。ディプロイを停止して削除した後に、Microsoft Azure でサービスを再び実行する必要がある場合は、発行およびディプロイを再度容易に行うことができます。
  1. ディプロイを停止します。 これによりディプロイが停止しますが、停止状態でも各ロール インスタンスに課金されます。
  2. ディプロイを削除します。