構成時および運用中に PAC スケールアウト リポジトリ (PSOR) に格納される CICS リソースは次のとおりです。
- DCT
- DCT リソース自体は PSOR に格納されますが、実際のキューが パフォーマンス/可用性クラスター (PAC) に スケールアウト リポジトリ (SOR) モデル別に格納されるためには、DCT のタイプが次のいずれかでなければなりません。
- 復元不可能。
- 区画内 - トリガーを含む。
- 間接 - モデル プレフィックスはターゲット DCT でのみ機能。
注: タイプが復元可能、内部読み取りプログラム、および区画外の場合は
SORに格納できません。
復元可能な TD キューについては、復元可能な TDQ ファイルをデータベースに格納するように SIT を構成することで PAC に格納できます。復元可能な TS キューの場合も同じです。
ESMAC で TD キューに関する情報を表示する際は次のようになります。
- SOR に格納されたキューに関する情報 (項目の数や深さなど) は、いずれのエンタープライズ サーバー インスタンスでも表示できます。
- ディスクに格納されているキューに関する情報は、ローカルのエンタープライズ サーバー インスタンスでのみ表示できます。
- ENQMODEL
- ENQMODEL は、ENQ/DEQ コマンドでシステム スコープ (SYSTEMS または SYSTEM) が使用される指定のリソースを選択するために使用されます。
デフォルトでは、PAC における CICS の ENQ はリージョン データベース (スコープ SYSTEM) に格納されます。
ENQ は、ENQSCOPE 値が空白と等しくない ENQMODEL と一致する場合はリージョン間データベース (スコープ SYSTEMS) に送られます。これにより、ENQ を PAC の外部で共有できます。
ENQMODEL の構成で、一致する ENQ を共有メモリに送るように構成できます。この目的は、データベースに格納するよりもパフォーマンスを向上させることです。
注意:
これを使用するのは、対象のリソースに単一のリージョンでアクセスする場合のみにしてください。ENQ を複数のリージョンで取得すると、リソースは保護されません。
- FCT
- このタイプのリソースで参照される VSAM ファイルは RDBMS に格納することができます。要件については MFDBFH 構成を参照してください。MFDBFH でかどうかに関係なく、いずれかのエンタープライズ サーバー インスタンスで file
close コマンドを発行すると、 PAC内のすべてのインスタンスでファイルが閉じられます。
- PCT
- アクティブな PCT は PSOR に格納されているため、いずれかのリージョンでステータス (有効/無効) を変更すると、PAC 全体のステータスが変更されます。
- PPT
- 各エンタープライズ サーバー インスタンスは、構成されたトランザクション パスで指定された場所からユーザー アプリケーションをロードします。
PAC がアクティブなときにプログラムを変更する必要がある場合は、新しいバイナリ ファイルを PSOR にアップロードしてから caspac の New Copy コマンドを発行する必要があります。
たとえば、プログラム myprog.dll の新しいバージョンをインストールするプロセスは次のとおりです。
- 次のコマンドを使用して新しいバージョンの myprog.dll を PSOR にロードします。
caspac -aLoad="C:\new files\myprog.dll" -sredis,127.0.0.1:6379
- 次のいずれかの方法で New Copy コマンドを発行します。
注:
- エンタープライズ サーバー インスタンスは、起動時に PSOR にロードされているすべてのバイナリを取得します。PSOR に多数のバイナリがある場合、すべて取得するまでに時間がかかることがあります。そのため、起動時にプログラムをすぐに利用できない場合があります。
- プログラムが PSOR にロードされてから new copy コマンドが発行されるまでの間に新しいインスタンスが PAC に参加した場合、バイナリがエンタープライズ サーバー インスタンス間で同期されていない状態になることがあります。この場合、新しいエンタープライズ
サーバー インスタンスは新しいバイナリ バージョンを使用します。PAC 内のエンタープライズ サーバー インスタンスを同期するには、new copy コマンドを発行します。
- RNL
- JCL および CICS のいずれでも、ENQ/DEQ の実行に SYSTEMS または SYSTEM のスコープが要求されるリソース選択の判断に RNL リストが使用されます。
- JCL の ENQ のスコープは、RNL の定義のみから決定されます。
- CICS の ENQ のスコープは、ENQMODEL から派生します。ENQMODEL でスコープが設定され、SIT で NQRNL=YES が設定されていれば、RNL LIST がチェックされます。
- TSMODEL
- 一連の TS キューに適用する一般的なプロパティを決定するために使用されます。
- TST
- SOR に格納できるのは復元不可能なキューのみです。復元可能なキューが必要な場合は、復元可能なキューを含むファイルをデータベースに格納できます。
- TRANCLASS
-
- MaxActive がサポートされています。
- 優先度はサポートされていません。