共有メモリ領域は、エンタープライズ サーバー インスタンスが実行に必要なすべての情報を格納するメモリ領域です (「はじめに」の章にある「Enterprise Server のアーキテクチャ」セクションを参照)。それぞれ 4KB のページで測定され、サーバー内のオブジェクトのすべての定義と現在のクライアント要求をすべて格納するのに十分な大きさである必要があります。サーバーの実行中に共有メモリが不足した場合は、エンタープライズ サーバー インスタンスのパフォーマンスが著しく低下し、クライアント要求の処理ができなくなることがあります。
エンタープライズ サーバー インスタンスに割り当てる共有メモリ領域のページ数の概算は、ここで説明する計算式を使用してください。
実際の要件は、作業負荷の性質に応じて異なりますが、安全マージンを多めに許容しておくことをお勧めします。Enterprise Server は、使用される物理ページの数を、最大処理量よりも少なく最小限に抑えることで共有メモリのリソースの使用を最適化します。
次の表の中央列の計算を実行して、各計算の結果を右側の列に入力します。これらの回答の合計が、共有メモリに必要な最小バイト数になります。この数を 4096 で除算して整数に丸めると、必要な共有ページの数の数字が得られます。
項目 | 計算 | 結果 |
---|---|---|
オーバーヘッド | 固定サイズ | 8192 |
共有メモリ領域の管理 | 共有メモリ領域のサイズ / 4096 | |
トレース | 補助トレースがアクティブではない場合:エントリの数 x 24 | |
トレース | 補助トレースがアクティブな場合:エントリの数 x 24 x 11 | |
ローカル トレース | サービス実行プロセスの数 x エントリの数 x 24 | |
サービス | サービスの数 x (128 + service-name-length) | |
サービス実行プロセス | サービス実行プロセスの数 x 144 | |
要求ハンドラー | 要求ハンドラーの数 x (128 + handler-name-length) | |
パッケージ | パッケージの数 x (128 + IDT-name-length + application-path-length + module-name-length) | |
存在する IDT | 存在する IDT の数 x IDT-length | |
クライアント要求 | 常時処理するクライアント要求の数 x (256 + クライアント要求の平均サイズ) | |
クライアント | 同時クライアントのピーク数 x 64 | |
アクセス制御環境要素 | サインオン ユーザーのピーク数 x 428
サインオン ユーザーの数に、システムで使用される 4 人のデフォルト ユーザーを含める必要があります。 |
|
合計 |
詳細は次のとおりです。
service-name-length |
サービス名の長さ |
handler-name-length |
要求ハンドラーの名前の長さ |
IDT-name-length |
IDT 名の長さ |
application-path-length |
パッケージの COBOL アプリケーションのパスの長さ |
module-name-length |
アプリケーションを含むモジュールの名前の長さ |
IDT-length |
パッケージの IDT ファイルのサイズ |