オフライン環境での Enterprise Developer のインストール

Enterprise Developer は通常、インターネットに接続されているマシンにインストールされます。これにより、インストーラーが必須コンポーネントにアクセスしてダウンロードしやすくなり、Enterprise Developer インストーラーが必要な証明書を検証できます。

これに対し、オフライン環境でインストールする場合は、インターネットにアクセスできる管理者が、必要なすべてのインストーラー、証明書、およびライセンスがオフライン マシンで使用できることを確認したうえで、準備する必要があります。

準備およびインストール

  1. Visual Studio - インターネットにアクセスできる管理者が、Visual Studio のオフライン インストールを準備して、オフライン マシンで利用できるようにする必要があります。この手順については、Visual Studio サブスクリプション (正式には MSDN と呼ばれます) を参照してください。Visual Studio 2019 のオフライン インストーラーの作成手順を示す資料へのリンクを本ページ末尾に示します。

    次の表に、インストーラー内で必要な必須コンポーネントを示します(これらは、--add パラメーターを使用して追加されるコンポーネント名です)。

    コンポーネント名 表示名
    Microsoft.Net.Component.4.5.TargetingPack .NET Framework 4.5 Targeting Pack
    Microsoft.Net.Component.4.5.2.TargetingPack .NET Framework 4.5.2 Targeting Pack
    Microsoft.VisualStudio.Component.Debugger.JustInTime Just-In-Time デバッガー
    Microsoft.VisualStudio.Component.GraphDocument DGML エディター:
    Microsoft.VisualStudio.Component.NuGet NuGet パッケージ マネージャー
    Microsoft.VisualStudio.Component.DockerTools コンテナー開発ツール
    Microsoft.VisualStudio.Component.VisualStudioData データ ソースとサービス参照 (サーバー エクスプローラー)

    次の表に、COBOL 開発製品の使用方法に応じたオプションのコンポーネントを示します。

    コンポーネント名 表示名
    Microsoft.VisualStudio.Component.Web .NET Web 開発
    Microsoft.VisualStudio.Component.ManagedDesktop.Core .NET デスクトップ開発 (WPF など)
    Microsoft.VisualStudio.Workload.Azure Azure 開発
    Microsoft.VisualStudio.Component.Wcf.Tooling Windows Communication Foundation (WCF)
    Microsoft.VisualStudio.Component.SQL.SSDT SQL Server 開発 (SQL CLR など)
    Microsoft.VisualStudio.Workload.NetCoreTools .NET 開発
    注:これらのコンポーネントはすべてインストール レイアウトに含めることをお勧めします。
  2. デジタル証明書をオフライン環境にインストールします。手順は、使用するバイナリによって以下のように異なります。
    古いコード署名証明書で署名されたバイナリ
    バイナリが古いコード署名証明書 (2021 年 8 月に期限切れ) で署名されている場合 (SHA1 フィンガープリント d4:52:52:e5:94:de:be:a8:57:69:13:3a:ba:8f:a3:6c:a5:42:8d:99):
    1. 以下の手順で証明書を見つけるか、ダウンロードします。
      • ネットワーク上のすでにインストールされているバージョンの Enterprise Developer にアクセスできる場合は、そのマシンで証明書マネージャーを開き、「信頼されたルート証明機関」フォルダーで後述の 2 つの証明書を探して、アクセス可能な場所にエクスポートします。
      • 動作中の Enterprise Developer にアクセスできない場合は、DigiCert の Web サイト (https://www.digicert.com/digicert-root-certificates.htm) からこれらの証明書をダウンロードできます。
    2. デジタル証明書をオフライン マシンにインストールします。
      DigiCert Assured ID Root CA       Valid until: 10/Nov/2031 
      Serial #: 0C:E7:E0:E5:17:D8:46:FE:8F:E5:60:FC:1B:F0:30:39 
      Thumbprint: 0563B8630D62D75ABBC8AB1E4BDFB5A899B24D43 
       
      DigiCert SHA2 Assured ID Code Signing CA           Issuer: DigiCert Assured ID Root 
      CA 
      Valid until: 22/Oct/2028 
      Serial #: 04:09:18:1B:5F:D5:BB:66:75:53:43:B5:6F:95:50:08 
      Thumbprint: 92C1588E85AF2201CE7915E8538B492F605B80C6 
    3. 次の証明書失効リスト ファイルをダウンロードし、オフライン マシンにコピーします。
      • http://crl3.digicert.com/sha2-assured-cs-g1.crl
      • http://crl3.digicert.com/DigiCertAssuredIDRootCA.crl
    新しい証明書で署名されたバイナリ
    バイナリが新しい証明書 (2024 年 8 月 31 日に期限切れ) で署名されている場合 (SHA1 フィンガープリント F6:58:B0:F3:C7:B5:7B:72:0E:7A:92:AE:19:F6:08:90:CA:32:EB:FDD):
    1. 以下の手順で証明書ファイルを見つけるか、ダウンロードします。
    2. 次のいずれかのオプションを使用して、オフライン マシンに証明書をインストールします。
      certlm ユーティリティ
      1. 管理者としてコマンド プロンプトを開きます。
      2. certlm.exeを実行します。
      3. 表示される UI で、適切なストアを右クリックし、すべてのタスク/インポートを選択します。
      4. インポートする証明書または crl を参照します。
      certutil ユーティリティ
      1. 管理者としてコマンド プロンプトを開きます。
      2. 信頼されたルート CA ストアにルート CA 証明書を追加するには、次のコマンドを入力します。
        certutil -addstore -f Root CACertificateFile.crt

        ここで CACertificateFile は、ルート CA 証明書ファイルのファイル名です。

      3. 信頼されたルート CA ストアにルート CA CRL を追加するには、次のコマンドを入力します。
        certutil -addstore -f Root CACRLFHe.crl

        ここで CACRLFHe は、下位 CA 証明書ファイルのファイル名です。

      4. 中間 CA ストアに下位 CA CRL を追加するには、次のコマンドを入力します。
        certutil -addstore -f CA CACRLFile.crl

        ここで CACRLFile は、下位 CA CRL ファイルのファイル名です。

    Microsoft 証明書
    必要な証明書は、前の手順で作成した Visual Studio レイアウト フォルダーの certificates サブフォルダーに配置されます。これらの詳細については、こちらをクリックしてください。

オフライン クライアント マシンでのインストールの実行

  1. Visual Studio のオフライン インストールを実行します。
  2. 証明書を証明書マネージャーにインストールします。DigiCert ルート証明書を「信頼されたルート証明機関」フォルダーにインストールし、DigiCert コード署名証明書を「中間証明機関」フォルダーにインストールする必要があります。
  3. Enterprise Developer インストールを実行します。この際に、skipmstools=1 パラメーターを追加します。
  4. License Administration ツールを使用して製品のライセンスを取得します。