DIALECT"RM" を使用しない RM/COBOL プログラムのコンパイル

DIALECT"RM" コンパイラ指令を使用せずに RM/COBOL プログラムをコンパイルした場合に発生する可能性がある問題を次に示します。

指令の設定は Visual COBOL のデフォルトに戻ります。違いについては、DIALECT コンパイラ指令のトピックの「MF DIALECT の設定」と「RM DIALECT の設定」のセクションを参照してください。指令を明示的に設定すると、MF 方言で設定されているデフォルトをオーバーライドできます。SETTINGS 指令を使用すると、有効になっている指令設定のリストを出力できます。
Visual COBOL で予約されていない RM/COBOL の予約語は予約語として扱われません。これにより、「verb expected」などのエラーやその他の構文エラーが発生することがあります。この問題は、場合によっては ADDRSV 指令を使用して解決できることがあります。それ以外の場合は、RM/COBOL の予約語を使用しないようにソースの構文を変更する必要があります。多くの場合、Visual COBOL には、別の予約語を使用した同等の構文があります。
ACCEPT 文の CRT STATUS の値は RM/COBOL の数値に変換されません。ACCEPT 文の CRT STATUS は、Visual COBOL の 3 バイトの値になります。バイトごとに意味が異なり、多くの場合は 2 番目のバイトに RM/COBOL の数値が格納されます。
ファイル管理記述項の ASSIGN 句で、デバイスタイプ SORT-WORK、CARD-PUNCH、CARD-READER、CASSETTE、および DISC が有効なデバイスタイプとして認識されません。プログラムを変更して、Visual COBOL でサポートされる同等のデバイスタイプを指定する必要があります。プレフィックス PRINTER と追加の文字で構成されるデバイスタイプ (PRINTER1 や PRINTER? など) はプリンターとして扱われません。デバイスタイプを短くして PRINTER のみにする必要があります。
ASSIGN 指令で "EXTERNAL" が指定されている場合、ファイル管理記述項の ASSIGN 句で DYNAMIC が想定されません。ASSIGN"EXTERNAL" 指令をオーバーライドするか、プログラムを変更して ASSIGN 句で DYNAMIC を明示的に指定する必要があります。
ファイル管理記述項または READ/START 文において、索引ファイルのキー名の参照がファイル名で暗黙的に修飾されません。同じキー名が複数のファイルに使用されていて、参照を一意にするために修飾が必要な場合、参照があいまいであるためにエラーが発生することがあります。この場合、Visual COBOL では、参照に対する修飾として OF file-name を明示的に追加する必要があります。
CODE-SET 句は、ファイル管理記述項では指定できず、ファイル記述項でのみ指定できます。CODE-SET 句がファイル管理記述項で指定されている場合は、ファイル記述項に移動してください。
COLLATING SEQUENCE 句が索引ファイルのファイル管理記述項で繰り返されることがあります。構文的には最後に指定された句が優先されます。
Visual COBOL では、RM/COBOL 構文の定数式が完全にサポートされます。ただし、RM/COBOL では結果が 32 ビットで計算されるのに対し、Visual COBOL では 64 ビットで計算されます。これは、RM/COBOL プログラムで式または副次式の結果が 32 ビットを超える場合にのみ問題となります。この場合、Visual COBOL で異なる結果になる可能性があります。
空のグループは使用できません。グループに従属データ項目を含めるか、グループ自体を削除して、空のグループがなくなるようにプログラムを変更してください。空のグループについては、DIALECT"RM" が設定されている場合は COBCH0217 または COBCH0256 の警告メッセージが生成されますが、DIALECT"RM" が設定されていない場合は COBCH0217 または COBCH0256 の重大なエラーが生成されます。
バイナリデータ項目にはバイト記憶モードが使用されるため、ファイルのレコードの長さの不一致や再定義の問題が発生することがあります。IBMCOMP 指令を使用すると語記憶モードに戻りますが、その際、データ記述項の長さ指定子に基づいて、長さ指定子以上の大きさに語のサイズが拡張されます。これは RM/COBOL の動作とは異なります。より適切な方法として、すべてのバイナリデータ項目の用途の句で長さ指定子を指定すると解決できることがあります。
ファイルのレコード区切り手法の設定に RECORD DELIMITER IS LINE-SEQUENTIAL または BINARY-SEQUENTIAL は使用できません。レコード区切り手法は ORGANIZATION 句または SEQUENTIAL 指令で指定してください。
VALUE OF LABEL data-name-1 は受け入れられますが、注記として扱われます。data-name-1 がプログラムで定義されていない場合、暗黙的には定義されません。この場合、data-name-1 の参照があるとコンパイルエラーが発生するため、プログラムの変更が必要になります。参照を削除するか、data-name-1 を明示的に定義する必要があります。
レコード記述項に OCCURS DEPENDING ON 句がある場合や RECORD CONTAINS 句でレコードサイズの範囲が指定されている場合も、異なる長さのレコードが明示的に定義されていないと、レコードは可変長になりません。RECMODE"RMCOBOL" 指令を使用して、RM/COBOL と同じ方法でレコードを可変長にすることができます。
前方参照の暗黙のデータ名定義は、ASSIGN 句または FILE-ID 句で指定された外部ファイル名のデータ名を除き、DIALECT"RM" 指令が設定されていないと行われません。暗黙の定義は、CRT STATUS、CURSOR、FILE STATUS などの句の前方参照に関連します。コンパイルエラーを回避するには、明示的な定義をプログラムに追加する必要があります。DIALECT"RM" を設定した場合も、無視または抑制できる E レベルのエラーメッセージは生成されます。このエラーは、暗黙の定義が目的の定義ではない可能性があることを示します。
画面記述項の ERASE 句は、EOS または EOL なしで指定することはできません。単純な ERASE 句は BLANK SCREEN に変更する必要があります。ERASE LINE 句は ERASE EOL または BLANK LINE に変更する必要があります。
SYNCHRONIZED 句は、RM/COBOL の仕様ではなく Visual COBOL の仕様に従います。これにより、ファイルのレコードサイズの不一致や再定義の問題が発生することがあります。長さが奇数のグループのレコード記述には、遊び文字の明示的な定義を挿入する必要がある場合があります。特に、長さが奇数のグループ項目または基本項目が OCCURS の対象となる場合などです。
データ記述項の USAGE COMP/COMPUTATIONAL 句で情報メッセージの「COBCH1210 COMP processed as DISPLAY (future occurrences not indicated)」は生成されません。
RM 呼び出し規約 (1024) を指定するプロトタイプがない限り、手続き部の見出しの RETURNING または GIVING で文字データ項目は指定できません。
手続き名はデータ名と同じにすることはできません。DIALECT"RM" が設定されている場合、データ名と同じ手続き名があると、情報メッセージの COBCH0305 が生成されます。DIALECT"RM" が設定されていない場合は、重大なメッセージである COBCH0305 が生成され、ソースプログラムで 2 つの項類の名前が重複しないようにする必要があります。
数字のみを含む文字リテラルを DISPLAY の符号なし数字データ項目またはリテラルと比較する動作は、RM/COBOL と同じにはなりません。
ファイルの文字セット処理の動作は、RM/COBOL と同じにはなりません。
有効な宣言文なしでファイル状態データ項目が宣言されている場合、実行時に重大なエラーになる入出力文でプログラムが終了しません。重大なエラーが発生したかどうかを確認するには、各入出力文の後にファイル状態データ項目を調べる必要があります。
入出力では、デフォルトでは Visual COBOL ファイル形式が想定されます。入出力で既存の RM/COBOL 形式のファイルを扱う場合は、FILETYPE"21" 指令を設定するか、それらのファイルを Micro Focus 形式のファイルに変換する必要があります。
注: ファイル形式を変換しても、ファイル内のデータ項目の形式は変換されません。データ項目も変換されない場合は、COMP"UNPACKED"、COMP1"BINARY"、COMP6"3"、IBMCOMP、SIGN"EBCDIC" などのデータ形式を定義する指令が必要になることがあります。

FILETYPE"21" が指定されていない場合、入出力の状態を示す値が RM/COBOL と異なる値になります。
ACCEPT/DISPLAY の構文および動作が大きく異なり、RM/COBOL プログラムの想定される動作を実現するにはソースプログラムの修正が必要になります。RM/COBOL の ADISCTRL ファイルおよび COBKEYMAP ファイルを使用している場合、一部の動作の修正が不要になることもありますが、Visual COBOL から ADIS にすべての形式の ACCEPT/DISPLAY が送信されるわけではありません。CONSOLE IS CRT 句または DISPLAY"CRT" 指令を使用すると、この問題を解決できることがあります。次の点にも注意してください。
- DIALECT"RM" を設定しないと、ポップアップウィンドウは使用できません。
- ACCEPT の TAB 構文は、ADDRSV"TAB" 指令を使用して元に戻すことができます。
- ACCEPT/DISPLAY の REVERSE 構文は、ADDRSV"REVERSE" 指令を使用して元に戻すことができます。
- ACCEPT 文で ERASE 指定は使用できません。ACCEPT の前に DISPLAY SPACE ERASE 文が別途必要です。
- MODE IS BLOCK、HIGH-LIGHT、BEEP、および ECHO については、Visual COBOL のデフォルトが適用されます。
- DIALECT"RM" を設定しないと、UNIT および ECHO の指定はサポートされません。
ACCEPT/DISPLAY 文で基本作用対象に対してグループ作業対象が指定されている場合に「COBCH1654 Should be elementary; MODE IS BLOCK assumed」が生成されるのは、特定の指定を使用したときです。エラーが発生しない場合は、グループ作用対象が画面の ACCEPT/DISPLAY と同様に扱われ、基本項目がフィールドとなり、FILLER 項目が画面上のフィールド間の空白スペースとして扱われます。そのような ACCEPT/DISPLAY 文で RM/COBOL の動作と同じようにグループを単一フィールドとして扱うには、MODE IS BLOCK 指定を追加する必要があります。
ACCEPT/DISPLAY 文による画面へのフィールドの配置は、RM/COBOL ではなく Visual COBOL の規定に従って行われます。配置が意図したとおりに動作するようにプログラムを変更する必要があります。
ACCEPT 文で ON EXCEPTION identifier-1 構文が指定されている場合、それらの文はコンパイルされません。ON EXCEPTION 指定の identifier-1 項目は削除する必要があります。CRT STATUS 句で参照されるデータ項目を使用 (必要に応じて追加) すると、ACCEPT 文の状態を取得できます。ただし、ON EXCEPTION 指定で指定された identifier-1 と同じ形式にはならないことに注意してください。DIALECT"RM" が設定されている場合は、ACCEPT 文で ON EXCEPTION が指定されていれば、CRT STATUS データ項目の形式が RM/COBOL の形式と一致するように変換されます。
ACCEPT 文で UPDATE または CONVERT が指定されている場合、それらの指定の動作は Visual COBOL の動作になります。
ACCEPT 文で ERASE を指定することはできません。ERASE は、ACCEPT 文の前に DISPLAY 文で別途実行する必要があります。これは、CONTROL 指定を使用して CONTROL 指定で指定された制御文字列で ERASE を指定する場合も同様です。
ACCEPT 文はデフォルトでは警告音を鳴らしません。RM"BEEP" 指令を指定すると、RM/COBOL のデフォルトの警告音に戻すことができますが、これによって古い RM の互換性も設定されます。代わりに、プログラムを変更して、BEEP が必要な ACCEPT 文で BEEP を指定してください。
CALL 文では、USING 指定で表意定数または記号文字を指定することはできません。
数値定数を引数とする CALL 文では、実際の引数の値に対してソースで指定されている定数の元の形式が保持されないことがあります。
CALL 文では、一時的な BY CONTENT に対して 1 の整列は使用されません。代わりに、ALIGN 指令の値ごとに一時変数が整列されます。
CALL 文の RETURNING/GIVING 引数は数値である必要があります。1024 呼び出し規約が指定されている場合を除き、RETURNING/GIVING 引数に任意の型を指定できる RM/COBOL の機能はサポートされません。
CALL "SYSTEM" は、呼び出し規約が 1024 に設定されていない限り、RM/COBOL と互換性がありません。呼び出し規約を 1024 に設定するには、DEFAULTCALLS"1024" 指令、1024 呼び出し規約を指定する SYSTEM のプロトタイプ、または明示的な呼び出し規約を CALL 文で指定します。
ネストされていないプログラムの CANCEL の動作は、プログラムが IL プログラムにネストされている場合と同じになります。
行順編成ファイルの CLOSE 文で NO REWIND を指定することはできません。
DELETE FILE 文では、エラーが発生した場合、ファイルに対して宣言されている USE 手続きが実行されません。
表意定数が位置情報付きで指定されている DISPLAY 文で SIZE が指定されていない場合、それらの文は 1 バイトのリテラルに変換されません。
単純な (ANSI) ACCEPT および DISPLAY 文の WITH NO ADVANCING 指定は、DISPLAY"CRT" 指令が設定されていて DIALECT"RM" が設定されていない場合、RM/COBOL と同じ方法では処理されません。
数字以外の文字を含む文字リテラル (表意定数を含む) を数値項目に転記する MOVE 文では、送信側項目に 0 が代入され、「COBCH1026 Source literal is nonnumeric - substituting zero」エラーが生成されます。文字リテラルは、数字のみを含むように変更するか、数値データ項目への MOVE 操作の送信側項目としては使用しないでください。
文字データ項目を DISPLAY の符号なし数値項目に転記する MOVE 文の動作は、RM/COBOL と同じにはなりません。
OPEN 文で再試行ロックが無条件に設定されます。これは、USE 手続きとファイル状態データ項目があることを条件とする RM/COBOL の動作と異なります。
デフォルトでは、Visual COBOL のデフォルトのファイルロックモードは EXCLUSIVE で、RM/COBOL のデフォルトのファイルロックモードは AUTOMATIC です。コンパイラ指令 FILESHARE を使用してデフォルトの動作を変更するか、ファイルの SELECT 文を変更して LOCK MODE AUTOMATIC 句を追加してください。