COBOL エディターでの効率的なコードの記述

COBOL エディターは、COBOL に関連付けられた拡張子を持つファイルを編集するためのデフォルトのエディターです。コードをすばやく効率的に記述するためのさまざまな機能が用意されています。

オートコレクト

単語のリストを、よくあるスペル ミスとともに指定できます。エディターでスペルを誤入力すると、オートコレクトによってスペル ミスが自動的に訂正されます。オートコレクトはデフォルトで有効になっており、誤入力の多い単語のリストがあらかじめ定義されています。[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > AutoCorrect] で、このリストを編集して単語を追加することができます。リストをエクスポートしたりインポートしたりすることもできるため、リストを一括編集して同僚と共有できます。オートコレクトを無効にするには、[Enable AutoCorrect] をオフにします。詳細については、「オートコレクトの構成」を参照してください。

注: オートコレクトでは、コメントや文字列の中のテキストは訂正されません。

右かっこおよび閉じ引用符の自動挿入

デフォルトでは、エディターで左かっこまたは開始引用符に続けて空白文字を入力すると、右かっこまたは閉じ引用符が自動的に挿入されます。さらに、角かっこおよび文字列の区切り記号のスマート上書き入力を使用すると、開始引用符または左角かっこの入力後に、自動的に挿入された閉じ引用符または右かっこの後ろにカーソルが移動します。スマート削除オプションを使用すると、開始と終了の引用符またはかっこを同時に削除できます。終了記号の自動挿入の設定を構成するには、[Windows > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Typing] をクリックします。[Automatically close] グループで設定を選択します。

ブロック選択

コード内のテキストの特定のブロックを選択できるようになります。ツールバーから ボタンを使用するか、ショートカット キー Alt+Shift+A を使用して、選択モードを切り替えることができます。

[Call Hierarchy] ビュー

JVM COBOL プログラムの [Call Hierarchy] ビューを開くことができます。このビューを開くには、エディター内を右クリックし、[Open Call Hierarchy] をクリックします。または、Ctrl+Alt+H を押します。このビューには、選択した JVM COBOL メンバーの呼び出し元および呼び出し先の階層が表示されます。

COBOL コピー表示

COBOL コピー表示ではコピーブックのインライン展開が可能であるため、コードとコピーブックを 1 つのビューで表示できます。COBOL コピー表示ではリファレンスの検索および定義の検索などの COBOL エディターの一部の機能は使用可能ですが、COBOL コピー表示は読み取り専用のソース ビューアーであるため、コードの編集はできません。このビューで、デバッグ ファシリティを使用することもできます。

COBOL エディター ビューの使用中に F4 を押すと、COBOL コピー表示が開きます。F4 をもう一度押すと、COBOL エディターに戻ります。プログラムまたはコピーブックの編集時に COBOL コピー表示を開くことができます。コピーブック編集中にこのビューを開くと、デフォルトのコンテキストとして選択したプログラム内にコピーブックの内容が表示されます。このコンテキストを選択するには、COBOL エクスプローラーでコピーブックを右クリックし、[Open In Context] を選択します。

コード テンプレート

入力中の文のコード スニペットを提供します。Ctrl+Space を押すと、利用可能なコード テンプレートを含むコンテンツ アシストの提案が表示されます。コード スニペットを選択して挿入すると、構文の概要が示されるため、空欄を埋めることでコードを完成できます。IDE 設定 ([Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Templates]) でテンプレートを追加することもできます。

コンテンツ アシスト

コンテンツ アシストの記述支援を使用すると、構文的に正しいコードをすばやく記述できます。コンテンツ アシストでは、手続き型 COBOL およびマネージ COBOL のキーワードとデータ項目や Java データ型を含む提案リストが表示されます。COBOL のコンテンツ アシストの設定は、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Content Assist] で構成できます。

コンテンツ アシストの動作の詳細については、「COBOL エディターでの編集支援」を参照してください。

[Copybook Dependency] ビュー

[Copybook Dependency] ビューを使用して、ソース ファイルの構造体のどこに COPY 文が出現し、その文がどのコピーブックを参照しているかを表示できます。

[Copybook Dependency] ビューでコピーブック リファレンスをクリックし、関連する COPY 文をソース コードの該当する行で特定します。

スタンドアロン ファイルの編集

これはネイティブ COBOL にのみ適用されます。Visual COBOL で作業するときにはすべてのソース ファイルを 1 つのプロジェクトに含めることをお勧めしています。こうすることで、IDE の編集やコンパイル、デバッグなどの機能が完全にサポートされるためです。プロジェクトの一部でないスタンドアロン ファイルについては、IDE サポートが限定されます。

IDE でファイルをプロジェクトなしで開くには、[File > Open File] をクリックします。

IDE は、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Standalone Files] の [Program Symbols (.IDY)] ページを検索します。

ファイルは通常どおりに編集できます。ただし、バックグラウンド構文チェックを利用できないため、入力時にエラーが報告されません。IDE でコードのチェックと問題の報告が行われるようにするには、ファイルを再コンパイルする必要があります。

コマンド ラインから IDE を起動する場合は、COBCPY 環境変数を設定して、コピーブックを検索するフォルダーをポイントする必要もあります。

スタンドアロン ファイルで使用するコピーブックがファイルと同じ場所にない場合の検索先を指定するには、IDE で COPYPATH コンパイラ指令 COPYPATH(<location1>;<location2>;...) を設定します ([Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Standalone Files] の [Compile] ページを使用)。その後、ファイルを再コンパイルする必要があります。

スタンドアロン ファイルのサポート レベルの詳細については、「既知のエラーと制約事項」を参照してください。

COBOL コードのコピーブックへの抽出

選択した行をコピーブックに抽出することができます。エディターで行を選択して右クリックし、[Refactor > Extract to Copybook] をクリックします。詳細については、「COBOL コードのコピーブックへの抽出」を参照してください。

[Folding]

ファイル節や連絡節などの、プログラムの節の非表示/表示を切り替えます。折りたたまれている節にカーソルを置くと、展開して表示することができます。折りたたみの設定は、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Folding] で構成できます。

COBOL コードのフォーマット

ソースのフォーマットおよびインデントを一貫して適用するには、[Source] をクリックし、[Format] または [Format Program] をクリックします。COBOL のフォーマットに関する設定は、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Formatter] で構成できます。

[Go To Definition]

この機能は、ネイティブおよび JVM の両方の COBOL プロジェクトで使用できます。この機能を使用すると、項目が定義されている場所を見つけることができます。項目を右クリックし、[Go To Definition] をクリックします。または F3 を押します。その項目が定義されているコード行にカーソルが移動します。また、その項目が [Outline] ビューで強調表示されます。フィールド、イベント、型、メソッド、プロパティの定義を見つけることができます。

さらに、JVM COBOL ソースから、Java で宣言されている項目に移動することもできます。こちらは、フィールド、型、メソッドに適用されます。

[Go to Matching Block/Bracket]

この機能を使用すると、現在のカーソル位置のかっこに対応するかっこを見つけることができます。対応するかっこにカーソルを移動するには、COBOL エディターで右クリックし、[Go to Matching Block/Bracket] をクリックします。または、Ctrl+Shift+P を押します。

出現のマーク付け

現在のファイル内で、選択された要素 (データ項目または節) の出現位置をマーク付けします。COBOL エディター/COBOL コピー表示が開いているときに、Alt+Shift+O を押すことで、この機能のオン/オフを切り替えることができます。

[Open Type]

エディターで型を開く [Open Type] ダイアログが表示されます。[Open Type] 選択ダイアログには、ワークスペースに存在するすべての型が表示されます。このダイアログには、[Navigate > Open Type] からアクセスするか、または Ctrl+Shift+T を押してアクセスできます。

選択する型の型名、またはプレフィックス、または型の最初の文字を入力します。その型がリスト中に表示されます。その型を選択してダブルクリックすると、その型が COBOL エディターに表示されます。

[Open Type in Hierarchy]

エディターの [Type Hierarchy] ビューで型を開く [Open Type] ダイアログが表示されます。[Open Type] 選択ダイアログには、ワークスペースに存在するすべての型が表示されます。このダイアログには、[Navigate > Open Type in Hierarchy] からアクセスするか、または Ctrl+Shift+H を押してアクセスできます。このオプションを使用して、選択した型が型階層のどこにあるかを確認できます。

[Outline] ビュー

[Outline] ビューには、編集中のプログラムの構造が示されます。これは、大きなプログラムを操作する場合に便利な機能で、たとえば、データ部の項目、COBOL の節、または段落をクリックすると、コード内のその場所に移動できます。また、項目を右クリックして、関連するさまざまなオプションを選択することもできます。

[Outline] ビューには、現在のエディター内の項目のみが表示されます。プログラムが COBOL エディターで開かれている場合は、現在のプログラムの項目のみが表示され、コピーブックの項目は表示されません。プログラムがコピー表示で開かれている場合は、すべての項目がエディターで表示され (コピー表示は読み取り専用のエディター)、アウトラインで示されます。

[Program Outline] ビュー

[Outline] ビューに似ています。[Program Outline] ビューでデータ項目宣言をクリックすると、関連するコピーブックが開かれ、該当する行に移動します。[Program Outline] ビューには、他のファイルに存在する要素を含めて、プログラム全体の構造が常に表示されます。

[Quick Outline] ビュー

[Outline] ビューに似ています。Ctrl+O を押すか、[Navigate > Quick Outline] を選択するとこのビューを開始できます。このビューには、現在のソース ファイルのインプレース アウトラインが表示されます。[Quick Outline] ビューが表示されている間に入力すると、表示されている要素のリストをフィルターできるため、操作が簡単になります。[Quick Outline] ビューがアクティブになっている間に Ctrl+O を押すと、[Program Outline] にあるものと同じ情報が表示されます。

読み取り専用背景色の設定

ファイルを読み取り専用モードで開くと (エディターで開くか、または COBOL コピー表示を開いている場合)、背景色は薄い黄色で、ファイル編集にそのファイルを使用できないことが示されます。

薄い黄色はデフォルトの色です。この色は任意の色に変更できます。変更するには、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor] を開き、そのページの [Read-Only mode] セクションにあるパレットから背景色を選択します。[Apply] をクリックしてから、[OK] をクリックします。

[References]

この機能は、ネイティブおよび JVM の両方の COBOL プロジェクトで使用できます。この機能を使用すると、項目への参照を見つけることができます。

ネイティブ COBOL プロジェクトでは、項目の上にカーソルを置き、右クリックして [References] を選択します。または、Ctrl+Shift+G を押します。[Search] 検索で見つかったすべての参照が表示されます。返された結果を検討できます。項目をダブルクリックすると、カーソルが関連するファイルの該当する位置に移動します。

JVM COBOL プロジェクトでは、検索の範囲を指定することもできます。参照されている項目の上にカーソルを置き、右クリックして [References] を選択します。検索の範囲を選択します。[Workspace]、[Project]、[Hierarchy] から選択できます。[Search] タブには、指定した検索範囲で見つかったすべての参照が表示されます。デフォルトでは、結果がパッケージでグループ化されます。
注: [Hierarchy] は、型またはクラスに関連します。

[Remove Trailing Whitespace]

デフォルトでは、COBOL ファイルの保存時に末尾の空白は削除されません。ファイルの保存時に、列 80 の後の末尾の空白を削除するか、末尾の空白をすべて削除することができます。末尾の空白を削除するための設定を構成するには、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor] をクリックします。[Remove trailing whitespace] グループで、目的の設定項目をクリックし、[Remove trailing whitespace on save] をクリックします。

末尾の空白をすべて削除するには、[Source > Remove Trailing Whitespace] をクリックします。または、COBOL エディターで右クリックし、[Source > Remove Trailing Whitespace] をクリックします。

リファクタリングの名前の変更

リファクタリングの名前の変更を使用すると、コード内の変数、段落名、節名、または識別子のすべてまたは選択した出現について、名前を変更できます。エディターで変更する名前を右クリックし、[Refactor > Rename] をクリックします。リファクタリングの名前の変更に関する IDE 設定を構成するには、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor] をクリックし、[Rename in editor without dialog] をオンまたはオフにします。

[Syntax Coloring]

構文の色分けでは、あらかじめ定義された構文色設定スキームのリストから任意のものを選択できます。スキームをカスタマイズすることもできます。特定のコード要素 (コンパイラ指令、予約語、データ項目など) に適用する色とスタイルを指定します。

構文の色分けの設定は、[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Syntax Coloring] で構成できます。デフォルトでは、非アクティブなコードはコンパイラ指令要素と同じ色になります。非アクティブなコードは、true に評価されることのない条件付きブロック内のコードとして定義されます。[Preview] ウィンドウに表示されている非アクティブなコードの例を次に示します。
      $if 1 = 0
           MOVE 1 TO var-1
      $else
           MOVE 2 TO var-1
      $end
非アクティブなコードの色分けを無効にするには、[Colorize inactive code as directive] をオフにします。詳細については、「構文の色分けの設定」を参照してください。

タスク

COBOL コードのコメントにデフォルトの TODO または FIXME タグを追加することで、タスクを管理できます。Eclipse はこれらのタグを [Task] タブで表示します。TODO または FIXME タグに続くテキストがタスクの説明に表示されます。[Task] タブを表示するには、[Window > Show View > Tasks] または [Windows > Show View > Other] をクリックし、[General]、[Tasks]、[OK] の順にクリックします。[Task] タブの行をダブルクリックすると、エディター内の強調表示された行に移動します。

TODO および FIXME タグ行の両方が、エディターの左マージンでクリップボードのアイコン () でマークされます。[Task] タブで TODO タグが付けられている行が優先度の高いタスクで、感嘆符 () で強調表示されます。

[Window > Preferences > Micro Focus > COBOL > Editor > Task Tags] からタグをカスタマイズできます。タグを追加、削除、または編集して、その優先度 (高、標準、または低) を指定できます。

コメントの切り替え

単一行または複数行をコメント化状態とコメント解除状態の間で切り替えることができます。Ctrl+/ を押すと、強調表示されている行の状態が切り替わります。行をコメント化すると先頭にアスタリスクが付けられ、コメント解除すると先頭のアスタリスクが削除されます。

[Type Hierarchy] ビュー

JVM COBOL プログラムの [Type Hierarchy] ビューを開くことができます。このビューを開くには、エディター内を右クリックし、[Open Type Hierarchy] をクリックします。または、Alt+Shift+H を押します。このビューには、クラス、サブクラス、およびメンバーと、そのスーパータイプまたはサブタイプが表示されます。