FETCH

カーソルの結果セットから行を取得し、その行にある列の値を対応するホスト変数 (または SQLDA データ構造体で指定されたアドレス) に書き込みます。

構文:

>>--EXEC SQL--.-------------------.------->
              +-FOR :host_integer-+
             
 >-----.-------------.--FETCH---.-------------.-->
       +-AT db_name--+          +---PREVIOUS--+
                                +---LAST------+
                                +---PRIOR-----+
                                +---FIRST-----+
                                +---NEXT------+ 

 >-----cursor_name---.-------------------------------------.------->
                     +-USING DESCRIPTOR :sqlda_struct------+
                     |       +--------------------------,-+|
                     |       V                            ||  
                     +-INTO--.-:hvar----------------------.+
                             +-:hvar:ivar-----------------+
                             +-:hvar-.-----------.-:ivar--+
                                     +-INDICATOR-+

 >--END EXEC--><

パラメーター:

:host_integer 処理されるホスト配列要素の最大数を指定するホスト変数。PIC S9(4) COMP-5 または PIC S9(9) COMP-5 として宣言する必要があります。
AT db_name DECLARE DATABASE を使用して宣言されたデータベースの名前。この句は必須ではありません。省略すると、DECLARE CURSOR 文に関連付けられている接続に自動的に切り替わります (その接続が現在の接続とは異なる場合。DECLARE CURSOR 文の実行中のみ有効)。 下位互換用に提供されています。
cursor_name すでに宣言済みの、開いたカーソル。
:sqlda_struct 事前に DESCRIBE 文によって値が格納され、出力値アドレスを含む SQLDA データ構造体。このオプションを使用できるのは、準備済みの SELECT 文によって宣言されたカーソルと併用する場合のみです。SELECT 文を準備するには、PREPARE 文を使用します。コロンを使用すると、他の埋め込み SQL 実装との互換性を確保できます。
:hvar データを受け取る 1 つ以上のホスト変数を識別します。
:ivar 次のいずれかを指定します。
  • 1 つ以上のホスト変数 (カンマ区切り)
  • 1 つ以上のホスト変数およびインジケーター変数の組み合わせ (カンマ区切り)

説明:

デフォルトでは、FETCH 文が次の行を取得しますが、一つ前の行、最後の行、前の行、または最初の行も指定できます。取得できる行がこれ以上ない場合は、SQLCODE が 100、SQLSTATE が「02000」に設定されます。

OPEN cursor_name 文は FETCH 文より前に記述し、カーソルは FETCH の実行中に開いておく必要があります。PREVIOUS、LAST、PRIOR、FIRST、または NEXT を使用する場合は、DECLARE CURSOR 文または SET SCROLLOPTION 文および SET CONCURRENCY 文を使用して適切なカーソル オプションも設定する必要があります。さらに、ホスト変数のデータ型は、対応するデータベース列のデータ型と互換性がなければなりません。

列の数がホスト変数の数よりも少ない場合は、SQLWARN3 の値が W に設定されます。エラーが発生した場合には、それ以上の列は処理されません。処理済みの列は元に戻りません。

別の方法として、:hvar 変数に、カーソル宣言文の選択リストにある列にそれぞれ対応する複数のフィールドを含む COBOL レコードを指定できます。この形式を使用する場合は、SQL コンパイラ指令の DB2 オプションを指定する必要があります。なお、この形式を使用すると、COBOL コンパイラが PREPARE INTO 文および DESCRIBE 文を拒否する点に注意してください。

ANSI92ENTRY を設定して、NULL 値を取得しようとすると、NULL インジケーターがなければ SQLCODE が -19425 に設定されます。ANSI92ENTRY が設定されない場合、SQLCODE は 0 になります。いずれの場合も、SQLSTATE は 22002 になり、SQLWARN2 は W になります。

INTO 句のホスト変数のいずれかが配列である場合、INTO 句のホスト変数はすべて配列にする必要があります。

説明:

実行後は、処理された要素の数が SQLERRD(3) に含まれます。FETCH では、これは実際に取得した行の数になります。

例:

* Declare a cursor for a given SQL statement.
     EXEC SQL DECLARE C1 CURSOR FOR
        SELECT last_name, first_name FROM staff
     END-EXEC

     EXEC SQL OPEN C1 END-EXEC

* Fetch the current values from the cursor into the host variables
* and if everything goes ok, display the values of the host
* variables
     PERFORM UNTIL SQLCODE NOT = ZERO
        EXEC SQL
           FETCH C1 INTO :lname,:fname
        END-EXEC
        IF SQLCODE NOT = ZERO AND SQLCODE NOT = 100
           DISPLAY 'Error: Could not perform fetch'
           DISPLAY SQLERRML
           DISPLAY SQLERRMC
           EXEC SQL DISCONNECT ALL END-EXEC
           STOP RUN
        END-IF
        DISPLAY 'First name: 'fname
        DISPLAY 'Last name : 'lname
        DISPLAY SPACES
     END-PERFORM