COMPUTATIONAL-X および COMPUTATIONAL-5 形式

この形式は COMPUTATIONAL 形式と基本的には同じであるが、以下に示すとおり、いくつかの相違点がある。詳細については、「COMPUTATIONAL、BINARY、または COMPUTATIONAL-4 形式」セクションを参照。

これらはともに、下記の点が COMPUTATIONAL 形式と異なる。

• PICTURE 文字列はすべて「x」であってもよい。この場合、「x」の数がその項目の長さをバイト単位で表す。
• PICTURE 文字列が「x」または「9」のどちらで構成されていても、格納できる値の大きさは、割り当てられた記憶域に収まる 2 進数の最大値が限度となる。この項目は、TRUNC、COMP、および ALIGN コンパイラ指令の影響は受けない。ただし、38 桁のシステム制限は、ARITH 指令および DIALECT 指令の影響を受ける可能性がある。
• 該当項目が算術演算の宛先フィールドであり、その文に ON SIZE ERROR 句または NOT ON SIZE ERROR 句が含まれている場合、PICTURE 文字列内の「9」の数はランタイム要素に影響を与える。「9」の数は、10 進数字のオーバフローにより桁あふれ条件が発生したと見なされるかどうかを決定する。このどちらかの句が指定されているとき、算術演算の結果が「9」の数の範囲内に収まる場合、つまり桁あふれが発生しない場合にのみ、結果がその項目に格納される。
• COMPUTATIONAL-X 形式と COMPUTATIONAL-5 形式の違いは、次の点のみである。
  • COMPUTATIONAL-5 データ項目には符号を付けることができるが、COMPUTATIONAL-X データ項目には符号を付けることはできない。COMP-5 データ項目用の PICTURE 句に「x」を指定すると、そのデータ項目は符号なしの扱いとなり、符号は付けられない。
  • COMPUTATIONAL-X 項目は、常に BINARY 項目と同じ格納方式に従って格納される。つまり、最上位のバイトが最下位のアドレスに格納され、以降下位のバイトが上位のアドレスに順次格納される。

    COMPUTATIONAL-5 項目の格納方式は、オペレーティング システムによって異なる。一部のオペレーティング システムでは、COMPUTATIONAL-5 項目は COMPUTALAL-X 項目と同じ形式で格納され、それ以外のオペレーティング システムでは、COMPUTATIONAL-5 項目の最下位のバイトが最下位のアドレスに格納され、以降上位のバイトが上位のアドレスに順次格納される。たとえば、数字項目を逆の順序で格納するオペレーティング システムでは、

    h "12 34 56 78 9A"

    という内部数値を持つ PIC X(5) COMPUTATIONAL-5 項目は、

    9A 78 56 34 12

    と格納される。一方、COMPUTATIONAL-X 項目 (または数字項目の格納順序を反転しないオペレーティング システムでの COMPUTATIONAL-5 項目) は、次のように格納される。

    12 34 56 78 9A

  • COMPUTATIONAL-5 項目は、IBMCOMP コンパイラ指令および SYNCHRONIZED 句の影響を受けるが、COMPUTATIONAL-X 項目はその影響を受けない。
• 算術文以外の文が COMPUTATIONAL-X 項目または符号なし COMPUTATIONAL-5 項目に負の値を格納しようとする場合は、項目が符号付きである場合と同様に、2 の補数が格納される。

  何らかの文が符号なしの COMPUTATIONAL-5 項目に負の値を格納しようとする場合、その結果は COMP-5 コンパイラ指令の影響を受ける。