Microsoft .NET Framework の一部である Windows Communication Foundation (WCF) を使用すると、サービス指向アプリケーションを作成できます。WCF サービスはいくつかの機能から構成されており、それらを各種のエンドポイントを介してクライアント アプリケーションに公開できます。
Visual COBOL では、バージョン 4.5 以降の .NET Framework を対象とする WCF COBOL サービスを作成してアクセスできます。
以降では、WCF サービスの作成および使用のプロセスを簡単に説明します。
コントラクトとは、サービス エンドポイントがクライアント アプリケーションに公開する操作を含むインターフェイスです。
WCF サービスは、上で作成したインターフェイス、およびサービス操作を表すメソッドを実装する、COBOL クラスとして定義できます。
WCF サービスにアクセスするための詳細 (ホストおよびエンドポイントの詳細) をプロジェクトの App.config ファイルで指定します。App.config ファイルは、WCF 構成エディターを使用して編集できます。ファイルを右クリックして [WCF 構成の編集] を選択します。
サービスの機能を公開するサービス エンドポイントを指定し、サービスのメタデータ交換を有効にする必要があります。エンドポイントの基本要素 (いわゆる ABC) は、サービスのアドレス (Address)、バインディング (Binding)、および公開するサービス コントラクト (Contract) です。WCF サービス ライブラリ テンプレートでは、エンドポイントとメタデータ交換の詳細があらかじめ構成されており、必要に応じて変更できます。
Visual Studio には WCF ホスト アプリケーションおよび WCF テスト クライアントが用意されているため、クライアント アプリケーションがなくてもサービスをホストしてテストできます。
これは、サービスを使用するアプリケーションです。クライアントは、いずれかのエンドポイントを介して WCF サービスに接続し、公開されているサービス操作を使用します。
クライアント アプリケーションを WCF ソリューションの新しいプロジェクトとして作成して、WCF サービス プロジェクトへのサービス参照を追加できます。プロジェクトを右クリックして [サービス参照の追加] を選択し、[サービス参照の追加] ダイアログでソリューション内のサービスを見つけて選択します。
WCF サービスにアクセスするためのエンドポイントの詳細 (サービスのアドレス、バインディング、サービスの名前およびコントラクト) をクライアント アプリケーションのプロジェクトの app.config ファイルで指定します。
WCF サービス プロジェクトがクライアント アプリケーションと同じソリューションに含まれている場合、通常は、デバッグを開始すると自動的にサービスがホストされます。この動作は、WCF サービス プロジェクトのプロジェクト プロパティで構成できます。
詳細については、「Tutorial: Creating and Accessing WCF COBOL Services」および「Samples」の「WCF Book Service and Client」を参照してください。