起動および停止スクリプトの使用

ユーザーは、エンタープライズ サーバーの起動前/起動後または停止前/停止後に追加の操作を行う起動スクリプトや停止スクリプトを提供できます。起動スクリプトには casstart コマンド、停止スクリプトには casstop コマンドを含める必要があります。これらのコマンドを省略した場合、サーバーは実際には起動または停止されません。

Directory Server は、下記の環境変数をスクリプトの環境で設定します。ユーザーは、これらの環境変数をスクリプトで使用できます。

ES_HOME サーバー作業ディレクトリ (ログ ファイルの場所)。これは、[Add Server または Edit Server > Properties > General] ページの [System Directory] フィールドから取得されます。
ES_SERVER サーバー名 (casstart または casstop-r スイッチが指定されていない場合、Enterprise Server は、この値をサーバー名として使用することに注意してください)。
MFDS_PORT Directory Server がリッスンするポート (通常は 86)。
たとえば、次のように起動スクリプトを使用してサーバーの環境変数を設定できます。
set MY_VARIABLE=value
rem start the enterprise server
echo Enterprise Server %ES_SERVER% is starting
casstart   

ここで、value は環境変数の値です。

サーバーが完全に停止した後にのみ実行されるコマンドが停止スクリプトに含まれている場合、停止スクリプトは、casstop の実行後にそのサーバーの cascd プロセスが終了するまで一時停止する必要があります。これは、サーバーが実際にシャットダウンを完了する前に casstop コマンドが復帰するからです。これを Windows 上で行うには、サード パーティ製のツールが必要です。

その後は、ログ ファイルをバックアップするか、サーバーがシャットダウンを完了した後にのみ開始する必要がある他のタスクを実行できます。

サーバーの [Start] または [Stop] ボタンをクリックすると、ユーザーが指定したコマンドを使用して Windows バッチ ファイルが生成され、そのバッチ ファイルが実行されます。

また、サーバー無応答時のスクリプトを作成することもできます。このスクリプトは、サーバー用の実行中の通信プロセスがすべて無応答状態になると実行されます。この無応答状態は、サーバーがハングまたはクラッシュしたことを示しているか、または Directory Server およびエンタープライズ サーバーの間におけるネットワーク接続問題の結果として生じている可能性があります。このスクリプトを使用すると、システム管理者にその問題を通知できます。

起動スクリプト、停止スクリプト、およびサーバー無応答時のスクリプトは、[Edit Server > Properties > Scripts] ページで指定します。