はじめに

値にはデータ型があります。データ型により、その値に対して実行可能な操作、およびその値が記憶域で表現される方法が決まります。

データ型は、変数、関数の結果、名前付き定数 (ファイルなど)、および外部プロシージャに対して宣言されます。また、プロシージャの各パラメーターのデータ型を記述するために ENTRY 属性で使用されます。

データ型は、次の属性を使用して宣言されます。

計算関連のデータ 非計算関連のデータ
FIXED BINARY POINTER
FIXED DECIMAL LABEL
FLOAT BINARY ENTRY
FLOAT DECIMAL FILE
PICTURE OFFSET
CHARACTER AREA
CHARACTER VARYING  
WIDECHAR AREA
WIDECHAR VARYING
BIT  

1 列目の属性は、算術演算または文字列演算によって値を操作できるデータ項目を表すため、計算関連の属性です。2 列目の属性は、プログラム内で制御構造およびリンケージのために使用されるデータを指すため、非計算関連の属性です。

式によって生成される値のデータ型は、式に含まれる作用対象および組み込み関数によって決まります。定数のデータ型は、定数の構文によって決まります。

一度に 1 つの値 (整数、文字列など) しか格納できない変数をスカラー変数と呼びます。配列変数は、すべて同じ型の変数の集合です。たとえば、20 個の個別の文字列からなる配列などがあります。配列に含まれる変数を配列の要素と呼びます。これらの要素はすべて配列と同じ名前で、1 つまたは複数の数値索引によって順序付けられ、それらの索引を使用して参照されます。構造体変数は、複数の型の変数の集合です。構造体に含まれる変数を構造体のメンバーと呼びます。メンバーにはそれぞれ固有の名前があり、その名前だけで参照することも、別の構造体のメンバーと区別するために構造体の名前で修飾することもできます。構造体のメンバーには、配列メンバーやスカラー メンバーに加えて、下位の構造体を含めることもできます。構造体を配列の要素にすることもできます。

本章では、計算関連のデータ型から始めて、各データ型について説明します。